↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
7/15

2日目 黄大仙と黑地

 九龍寨城公園から樂富駅に向かって歩いていると、段々と身体が火照ってくるのを感じた。発熱でもしたのかと心配になったが、熱がある時の感覚とも違った。昨夜一睡もしていないことを考えると、自律神経が狂って体温調節がうまくいっていないのだと考える方が自然だった。

 道中、公園の近くに「九龍城聯合道侯王廟」という寺院を見つけたが、元気がなさすぎて階段を登ることが出来ず素通りしてしまった。調べてみると歴史ある寺院のようだったので行けなくて残念だ。


 樂富駅に入ると観塘線の調景嶺行きの電車に飛び乗った。黄大仙駅まではたった一駅だ。B2出口から外に出るともう目の前には黄大仙廟がある。ここは香港で最も有名な道教寺院で、なんでも「求めれば必ず願いが叶う」というので、是非ともお参りにと思っていた。

 ここは病気平癒やビジネス、縁結びなど様々なご利益があると言われているが、とりわけ病気平癒が強いということで、寝不足だろうが胸焼けが酷かろうが来る必要があった。理由は後ほど。


 寺の入口付近には売店がいくつか並んでおり、そこで9本の線香を買うことができる。寺の中には無料で貰える線香も置いてあるが、誰かが残していった線香であることに加え、赤い塗料が手に付くタイプの線香だったので、個人的には買った方が良いと思った。気持ちの問題かもしれない。

 

 売店で黄色い線香を10ドルで買い、「日本の線香とは全然違うな」と思いながら中に入った。入口には龍の像があり、身体の悪いところを触ると良くなると聞いていたので膝を触った。別に膝が悪いわけではなかったが、しゃがんだ状態から立つ時にパキパキ異音がするので心配だったのだ。まあ今思えば頭を触るべきだったような気がしないでもない。


 敷地内には線香に火を着ける台がある。線香に着いた火は手で仰ぐか1回振って消す。決して息でフッ!とやってはいけない。

 とにかく人が多いので、火の着いた線香を人にぶつけないように気を付けながら本殿へ向かう。線香は全部で9本あり、3本ずつ3カ所に挿していく。左手で挿すと良いらしい。

 本殿、三聖堂、孟香亭の順番で参拝する。線香を挿す前にお辞儀を3回して、自分の名前と生年月日と住所を神様に教えてから願い事を伝える。本殿が終ったら右に進むとすぐ左手に三聖堂、右奥に孟香亭がある。


 父が病気なので良くなるようにお願いした。お参りを終えて帰ろうとすると、あることに気が付いた。身体が楽になっていたのだ。火照りがかなりマシになっている。自分のことは何もお願いしていないが、「まさかご利益が……?」と都合の良いことを思いながら黄大仙を後にした。


 駅まで行くと、オクトパスの残高が少々心許ない額になっていた。おまけに財布の中の100ドル札も少なくなっており、あるのは500ドル札だけだった。これを崩したい。高額紙幣は雑貨店や飲食店で断られることがあるからだ。そこでMTRの客務中心に行き、窓口のスタッフに500ドル札を出して「Could you top up my octopus $200?」と言ってみると対応してくれた。

 200HKD分オクトパスにチャージしてお釣りを貰うことができた。100ドル札2枚と50ドル札2枚を受け取ると、お礼を行って改札へ向かった。


 この後は旺角駅の近くにある雑貨屋「黑地」に行く予定だった。また観塘線に乗り、旺角まで向かった。なんとなくトイレに行きたくなって、MTRのサイトを見てみるとA出口付近にトイレがあるとのことだったので向かってみたのだが……

 うっかり改札を出てしまったがために、トイレに入れなくなってしまった。仕方がないので外の公衆トイレを探すことに。Googleマップでトイレと検索すればすぐに出てくる。

 上海街付近にある公園の隣に「旺角道公厠」という公衆トイレがあったのでそこに入る。ビルの階段を登った所にあるのだが、意外にも眺めが良くて何枚か写真を撮ってしまった。

 公衆トイレというからには汚いのかと思いきや、そこまで汚れているということもなく、掃除が行き届いている印象だった。


 すっきりしたところで、さあ黑地へ行こうと張り切って店の前まで行ったが、店は閉まっていた。「まさか休業!?」と焦ったが、12時からの営業であるだけで、ホッと胸をなで下ろした。その辺の文房具屋を覗いたり、不動産屋のチラシを見て顔を顰めたりしながら店が開くのを待つ。それにしても香港の家賃は高い。慢性的な土地不足や人口の集中、不動産屋投資、財政構造のあり方など理由は様々なようだ。私は東京ですら高いと感じる。もう日本の田舎から一生出られないのだろう……そう思うと少し悲しくなる。

 

 私のことはさておき、黑地はガイドブックにも乗っている有名な雑貨店で、香港の茶餐廳で使われているティーカップや茶器、レンゲ、水筒など可愛らしい雑貨がお手頃な価格で販売されている。私はレンゲを買うつもりだった。鶏の絵が描かれた茶碗やレトロな柄のお皿など欲しいものは山程あったが、結局レンゲを3つ買った。

 店員さんはレンゲをしっかり厚紙で包んでくれたので、自分で梱包する手間が省けた。

 


 気持ちが悪いのは殆ど治っていたが、食欲がどうしても湧かなかった。少しなら食べられそうだが、香港の食事は大抵ボリューム満点なので、また残してしまうに違いないと思い、食べずにおいた。亀ゼリーくらいなら食べられそうだ。

 そして初日にネオンを撮りに行った歩道橋にもう一度登って昼間の通菜街と花園街を見下ろした後、花園街を通ってフルーツマーケットのある油麻地を目指し歩いて行った。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。