異世界から来たガイア 36
第36章
ガイア
マリクの軍勢が戦闘準備に入る。
弓兵たちが弓を手に、矢筒を腰に下げて前進する。歩兵は密集陣形を組み、数少ない戦車はすべて一方の側面、つまり街の門や城壁とは反対側に配置されていた。
「マリクは私たちの援護を当てにしているのね」私は自分に言い聞かせるように呟いた。
敵陣も準備を進めているが、その顔ぶれはより雑多だ。兜や鎧を身に着けている者は少なく、多くが短槍を手にしている。一体どんな部隊なのだろうか。
「閣下」衛兵隊長が私に挨拶をする。彼はプロの軍人だが、私の意見にも耳を傾けてくれる。単に私の階級ゆえか、それとも私が本当にイシュダーと繋がりがあると考えているからだろうか。
「何かしら」
彼もまた両陣営に目を向ける。「敵の軍勢はかなり寄せ集めですな。戦士はいても、兵士と呼べる者は少ないでしょう」
その違いを尋ねるのは気恥ずかしかった。私は門の正面に陣取る三十人ほどの小隊を指差した。「私たちの攻撃を警戒して、門を監視しているのね」本当は問いかけたかったのだが、無知をさらけ出さないよう、断定的な言い方を選んだ。
「その通りです、閣下。あちらの門でも同じことをしております」
「つまり、彼らは全戦力の一割を私たちの監視に割いているということね」
「そうせざるを得なかったのでしょう」
「そしてそれは、陛下にとって数的優位につながるわ」
彼は私に微笑みかけた。「正解です」
「でも、あなたはそれを言いにここへ来たわけじゃないでしょう?」
「状況を確認しに来たのです、閣下。それに、あなたがどう動くおつもりか伺いたいと思いまして」
私が? 実際、今すぐにでもマリクのもとへ駆け寄りたい。だが、そんなことは言えるはずもない。私は城壁の縁を掴んだ。剣を手にしていると、すべてがより鮮明に見える。そうだ、私にも決定的な役割が果たせるはずだ。「現在、動かせる兵はどのくらい?」
「衛兵が九十、志願兵が百五十です」
「部隊はすでにこの近くに集結させているの?」震えを抑えるために壁を強く握る。二度と戦争などしたくなかったが、マリクの勝利を確実にするためには避けられないだろう。
彼は頷いた。「はい、衛兵六十と志願兵百二十が待機しています。残りはもう一方の門の警備です」
「背後から突くには十分ね。運が良ければ、挟み撃ちにされたと気づいた瞬間に敵は逃げ出すわ」
「まるで将軍のようなお考えだ、閣下。やはりあなたは本当にイシュダーから遣わされたのかもしれません」
あるいは、ただ歴史の授業を真面目に聞いていたからかもしれない。カエサルはアレシアで大きな賭けに出たのだ。まったくだ、あの時の口頭試問では10点満点中8点を取ったんだから。
「突撃の準備が整うまで、どのくらいかかる?」
「数分です。全員この付近にいますから、装備を整え、将校のもとに集まるだけです」
「完璧だわ。集結させて」
彼は、何か最高に面白い冗談でも聞いたかのように笑い出した。
「何がおかしいの?」
「いえ。失礼ながら、あなたは側室でいらっしゃるのに、プロの軍人である私にこうして命令を下しているのが、なんだか不思議でして」
しまった、そこまで頭が回っていなかった。「……ええと。ごめんなさい、あなたを軽んじたり仕事を奪ったりするつもりはなかったの」
「もしそう感じていたら笑ったりしませんよ、閣下。あなたの仰ることはすべて理にかなっています。そうでなければ、私は反対して別の提案をしていたでしょう」
「褒め言葉として受け取っておくわ」
「ええ、そうしてください。失礼を承知で申し上げますが、あなたは興味深い女性だ。陛下があなたを側に置きたがる理由が分かる気がします」
「ありがとう」ここ数日、似たようなことを言われるのは初めてではない。訓練中にも、何人かの兵士から同じようなことを言われた。きっと、彼らは私の中に、皇后のような人々とは違う「人間味」を見ているのだろう。
「では兵を集めて参ります。その後は演説をしていただかねば。市長がやりたがるでしょうが、あなたがなさるのが筋かと」
なんてこと。人前で話すなんて。やったこともないし、何を言えばいいのかもわからない。「……断るわけにはいかないわね」
「我々にとって大きな励みになります」
「分かったわ。何かアドバイスはある?」
「はっきりと、大きな声で。それから緊張を和らげてやってください。皆、張り詰めています。励ましを求めているのです」
「『勝利はそこにある、掴み取りに行きましょう』みたいな感じ?」私は思い切って言ってみた。
「それも良いですが、閣下なら一言では足りないでしょう。失礼ながら、もう少し言葉を尽くす必要があるかと」
「もう隠しごとのない仲なんだから、遠慮なくアドバイスして。この分野に関しては本当に素人なの」
「ご自身が何を言われたら嬉しいか、考えてみてください。では、失礼します」
「ええ、お願い」
彼は階段を降りていった。
まったく、百人もの見知らぬ人たちの前で話さなきゃならないなんて。一体何を言えばいいのよ? この状況を招いたのは私のせいなんだから、私も彼らと一緒に戦う。結局のところ、私たちの姿を見れば敵は逃げ出すはずなんだから。
城壁の外側で、最初の叫び声が上がった。
両陣営は怒号と罵声を浴びせ合い、互いに威嚇し合っている。
敵の中でも勇敢な数人が数メートル前進し、振り返ると、チュニックを捲り上げてマリクの兵士たちに尻を見せつけた。『ブレイブハート』のワンシーンみたいだ。十一歳の時にあの映画を観て、メル・ギブソンに夢中になったことがあった。全部お父さんのせいだ、もう。せめて結果だけは映画と違って、マリクがあいつらのケツを蹴り上げてくれることを願うばかりだ。
マリクの陣営から一団の男たちが離れていく。彼らは槍も盾も持たず、何か紐のようなものを振り回している。
「さあ、始まるぞ」隣にいる兵士が楽しげに呟く。
私は頷いた。演説をする直前に無知だと思われたくないが、あれはたぶん投石紐だ。どこかで見聞きした覚えがある。
二人の挑発者は自軍の列へと戻っていく。
兵士たちが紐の回転を止めた。矢のような石弾が唸りを上げて敵に向かって放たれ、そのただ中へと消えていく。
いくつかの罵声が上がる。
近くの兵士たちが歓声を上げた。「この野郎ども! さっさと自分の家に帰りやがれ!」とその一人が叫ぶ。
彼らも同じ国の人間だと教えてやるべきかもしれないが、やめておいた方がいいだろう。父はいつも、命中したショットは称賛しろと言っていた。
私は門の前の広場に目を向けた。ちょうど私の真下だ。
ヴェルパの小さな軍勢が集結しつつある。仲間や将校のもとへ駆け寄る男たちがあちこちで走り回っている。
彼らの多くは鎧を身に着けておらず、槍と盾を持っているだけだ。中には震えている者も数人見受けられる。
演説では、恐れることはないと彼らを鼓舞しなければならない。
一方、弓兵たちは門の前に陣取り、集中した様子で準備を整えている。完璧だ。矢の威力は知っているし、彼らには真っ先に前に出てもらいたい。
背後の叫び声が激しさを増していく。間もなく本当の衝突が始まるだろう。
弓兵と一緒に配置について、その直後に後退すべきだろうか? それでは臆病者に見えるだろうか? まあ、別に悪いことではないのだけれど。
「閣下」市長が私の前に立ちはだかった。彼は武器を持っておらず、戦闘に参加するつもりはないようだ。「男たちの準備はほぼ整いました。演説をなさると聞きましたが」
「ええ、衛兵隊長が兵たちの刺激になると言っていましたから」
「左様ですな、ジル・ロムの言う通りだ」
そうだ、そんな名前だった。「今やるべきでしょうか?」
「まずは私から二言三言話し、閣下をご紹介しましょう」
「分かりました」これからは逃げられない。戦いそのものよりも不安を感じる。私がどうかしているのか、それともこの剣のせいだろうか。
「その後は、城壁の上から戦闘を見守ることにしましょう」
「私は部隊に同行しようと思っていたのですが……」
「な、なんですと!?」もし私が妊娠したと告げたとしても、父でさえこれほど驚き、狼狽した反応は見せなかっただろう。彼はショックのあまり口を閉じることができず、目を見開いている。
「私は守られるためにここにいるのではありません。街を守るために私も役割を果たすべきです」
「だからこそ、他の兵士たちと同じように見張りの当番に就くことを容認したのです」
「ええ、だからこそ、今さら引き下がるわけにはいかないんです」
「もしあなたに何かあれば、マリク殿下は決して私を許さないでしょう! 殿下ならすぐに私を殺してしまいかねないということが、お分かりになりませんか……」彼は文字通り、恐怖に震えている。
「数本の矢を射ったら、すぐに兵士たちの後ろに隠れるつもりです。私たちは背後から攻撃するのですから。危険はありませんわ」
「戦場において、危険がないなどということはあり得ません」
もちろん、後方に控えていることもできる。けれど、今こそ私もマリクのために何かをすべき時だ。私が救援を率い、この街の人々の無条件の支持を彼に届けることができれば、彼の中に何か良いものが残るはずだ。私がここを去った後も、私との美しい思い出として。
「隊長、あなたは私を戦の女神イシュダーと呼ぶ。ならば、私が傍観しているわけにはいかない。分かりますね?」
「分かるのは、あなたが正気じゃないってことだけです、イシュダーだろうが何だろうが。そして、あなたを側に置くマリク殿下は、あなた以上に正気じゃない」
「褒め言葉として受け取っていいのかしら?」それとも侮辱だったのか。
彼は諦めたようにため息をついた。「どうせ私より身分が上だ。結局は好きになさるのでしょう」彼は私の目をまっすぐ見つめた。「生きて戻りなさい。さもなければあの世で再会した時、恨んでやりますから」
「心配しないで。エルダグを未亡人にするつもりはないわ」
「そいつはマシだ」
彼は眼下の軍勢に向き直った。「ヴェルパの市民よ!」
群衆が静まり返る。彼らは立ち止まり、注視している。間違いなく、戦わずに済むことを願っているのだろう。
「今日こそ、我々がここ数日受けてきた不当な仕打ちに終止符を打つ日だ!」彼は両腕を広げた。「我々を脅かす者どもを追い払う時が来たのだ! マリク殿下は軍を率い、我らを守るために来てくださった!」
誰かが歓声を上げる。
「だが、我々もまた自らの役割を果たさねばならぬ。ドゥルカンのために!」
喝采が沸き起こる。
「帝国のために!」誰かが叫ぶ。
完璧だ。これほど士気が高いなら、私が鼓舞する必要もない。
私は弓を肩に担ぐ。矢筒も剣も鎧も、すでに身につけている。兜を拾い上げ、脇に抱えた。
「閣下……」市長が私にささやく。「次はあなたの番です」
……やっぱり来た!
深呼吸をする。士気を挫きさえしなければ、すべてはうまくいく。
こういう状況で、マリクなら何と言うだろうか?
「兵士たちよ」
「もっと大きな声で……」市長がささやく。
「兵士たち! ヴェルパの市民よ!」
百ほどの顔が私を凝視する。この数日間で顔見知りになった者もいる。中には、私を憎んでいる者も確実にいるはずだ。
「皆さんもご存じの通り、この包囲の原因は私にあります!」
「出だしが良くないですな……」市長がささやく。
「私は、犯してもいない卑劣な罪で不当に告発されました。私がここへ連れてこられたのは守られるためでした。なぜならマリク殿下は、この壁の内側にこそ、信頼に値する、勇敢で忠実な人々がいると知っていたからです。そして、その通りでした!」
一団の兵士たちから、控えめながらも熱狂的な歓声が上がる。ジル・ロムもその中にいる。
「そして今、その勇気が言葉だけのものではなく、行動であることを証明する時が来ました!」私は少し間を置いた。「マリク殿下は私を迎えに来るという私への約束を果たしつつあります。そして彼は兵を率い、皆さんへの約束をも果たしに来たのです。私たちが図らずも持ち込んでしまったこの問題を、終わらせるために!」
「あまり効果的ではありませんな……」即席の弁論顧問がまた呟く。
「アドバイスなら先に欲しかったわ……」私は小声で言い返した。
「私はこの街を、そして皆さんすべてを信じています!」
「ありがとう!」一人が私に叫ぶ。
「どういたしまして!」私は微笑んで答えた。
いくつか笑い声が上がる。
「我々を脅かした者たちに我らの勇気を見せてやりましょう。我らが強いこと、彼らの予測が間違っていたことを見せてやるのです! それは援軍が来たからではなく、我々自身がそう決めたからなのです!」
ジル・ロムたちから再び叫び声が上がる。
「イシュダーの加護のもと、我々は勝利します! なぜなら、それこそが我らの未来にあるものだからです!」私は映画のように剣を天に掲げた。
市長に向けられたものよりは控えめな喝采が返ってくる。ったく、演説は苦手だわ。
「綺麗な言葉だ! だが結局、戦うのは俺たちなんだ!」一人の兵士が抗議する。
「いいえ! 私はあなたたちと一緒に見張りに立ちました。そして戦う時も一緒です! 私を信じない者は、私についてきなさい。そうすれば自分の目で確かめることができるでしょう!」
私は兜を被り、階段を降りていく。
「イシュダー!」誰かが叫ぶ。
「イシュダー! イシュダー!」叫び声が広がっていく。
もしかして……もしかして、うまくいっている。
階段のふもとに着く。一人の兵士が私に盾を差し出した。
「最初は弓で戦うわ。ありがとう」
「閣下、では私がこれをお預かりしましょう。終わったら私のところへ来てください、盾をお渡しします」
「ありがとう」完璧だ。最前線から引き下がるわけにはいかない。そうでなければ偽善者の臆病者だと思われてしまう。
「イシュダー! イシュダー!」叫び声の激しさが増し、誰かが盾に槍や剣を打ち鳴らす。
門が大きく開かれる。
深く息を吸い、弓を構える。
マリク、今行くわ。




