異世界から来たガイア 28
第28章
ガイア
朝、裸で目覚めることにも、すぐに慣れてしまいそうだ。
一筋の陽光が私たちの寝室に差し込み、光を運んでくる。
昨夜、結局お互いの体を拭き合ったけれど、それは私の人生の中でも指折りに官能的な体験だった。どうしてあのクズな元彼とは、一度もこんなふうに過ごさなかったのかしら。
何より信じられないのは、これほど露骨に惹かれ合っているのに、まだ最後まで踏み込んでいないこと。まるでセックスをしてしまえば、私たちに未来はないという現実を突きつける「壁」を、打ち破ってしまうのが怖いみたいに。
母が見たら、私のことを正気じゃないと思うに違いない。
寝返りを打つ。マリクはまだここにいて、安らかに眠っている。彼の習慣を熟知しているわけではないけれど、これまではいつも私よりずっと早くに起きていたから、珍しいこともあるものだ。
唇には穏やかな微笑みが浮かんでいる。いい夢でも見ているのかしら。その中に、私もいるのかな。
片方の心では、そうであってほしいと願っている。だって、私の夢の中には彼がいたから。でも、もう片方の心では、そうでなければいいのにとも思う。別れを告げる時、せめて彼が苦しまなくて済むように。
私の方は、この世界で受けるトラウマと彼への喪失感で、間違いなく何日も打ちのめされるはずだ。彼に恋をしてしまいそうで怖い。今はまだ第一に身体的な欲求が勝っていて、ありがたいことに、それをどうにか制御できている。
けれど、このままここにいれば、完全に彼に落ちてしまう確信がある。
いっそ、彼を連れて帰りたいくらい。
マリクの頬を撫でる。薄く金色の髭が覆っている。短くはあるけれど、かすかに指に刺さる。
シーツの下で体を滑らせ、彼に寄り添う。
よく見ると、父親譲りのあの顎のラインだと分かる。ザナンザもテルピンもそれを受け継いでいるけれど、彼には他の三人にはない、顔立ちのどこかに優しさがある。きっと母親に似たのだろう。どんな人だったのかしら。きっと私のことを気に入ってくれたと思う。私を死なせたいなんて、決して思わなかったはず。
「おはよう、愛しい人」マリクが薄っすらと目を開け、私の手首に口づける。
「おはようございます、陛下」私は馬鹿みたいにだらしなく笑ってしまう。こんなの、自分にとって良いことだとは到底思えない。
「どうやら、いつもより寝すぎてしまったようだ」
「ここ数日の夜に比べて、ってこと?」
「ああ。取り戻す必要があったんだろうな」
「時にはそれも必要よ」
「そうだな。だが今日は、良い知らせがあることを願っているよ」
「何についての?」
マリクの表情が真剣なものになる。「お前もすでに知っていることがいくつかあるだろう。ザナンザが丘の偵察から戻るのを待っているところだ。それから、お前が倒した頭領の供述と情報を合わせるつもりだ」
「拷問したの?」その光景を想像して、私は顔をしかめる。
「それは重要じゃない。それから、他にもお前に話すべきことがある」
「昨日の夜は何も言ってくれなかったじゃない」
「お前が隙をくれなかったんだろう」
「そんなことないわ……」
「嘘をつけ。浴槽に裸で現れたのはどこの誰だ。いいか、あんな状況で他のことを考えられるわけがないだろう」彼はわざと不機嫌そうなふりをする。
私はくすくすと笑う。「じゃあ、私のせいだって言うの?」
「お前が俺の立場ならどうした?」
「私ならその場で、即座に全部話したわよ」私は見え透いた嘘をつく。
「次は役割を入れ替えて試してみるとしようか、いいな?」
「いいわよ」
彼は私にキスをし、私たちは裸のまま抱き合い、唇を重ね続ける。
彼が私を仰向けにし、上に覆いかぶさってくる。
マリクの昂りが私のお腹に押し当てられる。
彼は腕で体を支えて顔を上げ、私の唇から離れた。「今日の公務があるから、あまり長くお前とこうしてはいられそうにないのが残念だ」
私は唇を噛む。
今なら彼は私に何を求めても、何をしてもいいはずなのに、それでも彼は踏みとどまる。
私たちをまだ隔てている、あの壁を壊そうとはしない。
「何か手伝えることはあるかしら?」少し色っぽさを込めて、私は問いかける。
彼は片手を離し、私の乳首に手を置くと、ゆっくりと弄び始めた。「どうして俺たちは裸で寝ることになったんだったか?」
「確か、あなたが私に服を着るのをやめさせたんじゃなかった?」それがたまらなく心地よい。
「そうだったか? それで結局、ただ寝ただけだったのか?」彼はもう片方の乳首に顔を埋め、吸いつき始めた。
喘ぎ、彼をきつく抱きしめる。
彼の尻を撫でる。大理石のように硬く引き締まっていた。鍛錬している姿など一度も見たことがないのに、筋肉の筋が浮き出ていて、不自然な膨らみや誇張もない。ただただ、雄々しい。
もう一度、舌を這わせる。
背中を反らせた。
「気に入ったか?」と、彼はいたずらっぽく微笑んで訊く。
「続けて……」私は低く喘ぐ。
マリクは私の太ももの間に手を滑り込ませ、私はそれを迎え入れるように脚を広げる。
これほど簡単に私を昂らせる男は、他にはいなかった。
彼は昨日プールでそうしたように、繊細でリズムに乗った動きでそこを愛撫する。
「だが、君も俺に何かしてくれないとな」と、彼は囁く。
「横になって」今度は私の番よ。
マリクは私の隣に横たわる。
彼の熱を帯びたそこを手に取る。「目を閉じて」
「信じていいのか?」
「私はあなたの側女ですよ、陛下。私を信じられなくて、他に誰を信じるというのですか?」
マリクは笑った。自分たちの立場を弄ぶのが、彼は面白がっているのだ。「では、信じるとしよう」
彼が目を閉じるのを確認し、それから舐め始める。ゆっくりと。上下に。
マリクが低くうめき声を漏らす。気に入っているようだ。
まるでアイスクリームのコーンでも舐めるように、円を描きながら舌でなぞり、わずかに口に含む。
「上手だな」
「今度は陛下の番ですよ」
「どうやって?」
片脚で彼を跨ぐと、マリクの頭は私の太ももの間に位置することになった。
私の太ももの付け根、その最上部に。
「いい眺めだ」マリクは私の尻に手を添える。
「何をすべきか、分かりますよね、陛下?」
彼は言葉では答えず、口づけをくれた。それから、もう一度。
熱い震えが体を突き抜け、全身を満たしていく。身体が火照ってたまらない。
再び口で奉仕を始める。
マリクは舌を使い、先ほど指でしていたのと同様の動きをクリトリスに施す。
快感があまりに強烈で、意識が遠のいていく。
頭を動かし、より速く突き動かす。
マリクもその激しさを増していく。
頭がくらくらして、もう何も分からなくなる。
マリクの手が私の手を掴む。
歯止めが利かなくなる決定的な瞬間。部屋が猛烈に回転し、凄まじい絶頂が腹の底から全身へと溢れ出した。
あなたが欲しい。愛してるわ、マリク。
マリクは止めることなく、舌を動かし続ける。
私も止まらない。それどころか、速度を上げる。
マリクが荒く息を吐き、脈打つ。彼も快楽の高みに達し、私はそれをすべて受け止めた。
「ガイア……」彼は喘ぎながら言う。「お前はすごいな」
私は彼の顔の方へ動き、口づける。私たちは躊躇することなく、深く唇を重ねた。
「同じ言葉を返しますよ」それを否定するのは偽善だ。
「もう少しだけこのままでいよう。だが、その後は起きなくてはな」
彼の胸にしがみつく。「分かったわ」
***
朝食はとても重要な食事だ。そして今朝の私は、食べるのをやめられない。
フォカッチャはこれで二枚目、蜂蜜入りのミルクも同じくらい平らげている。
「腹が減っているんだな」マリクが私をからかう。
私は一口飲み込む。「体力を回復させないと」
彼が私の耳元に寄る。「俺と一緒にいれば、もっと体力を消耗させてやれたんだがな」
私は振り向いて彼にキスをする。「気をつけて。本当に受けて立つかもしれないわよ」
「陛下、閣下」カラアルが私たちの前に現れ、一礼する。「タロム王子が至急お会いしたいと参られました」
「通せ」
カラアルは扉のところへ行き、合図を送る。
十四、五歳ほどの少年が入ってくる。マリクのような美しい金髪で、髭がないせいか顔立ちはほとんど女性のように見える。瞳はヘーゼル色で、全体的に誰かを思い出させる。
彼は挨拶として片手を上げ、わずかに赤らむ。決まりが悪いのだろう。
私も片手を上げる。これが正しい作法なのかはわからない。
タロムが一礼する。「お邪魔するつもりはなかったのですが、外で待っていてもマリクが出てくる気配がなかったので、思い切って入らせていただきました」
「来てくれて嬉しいよ」マリクは彼に会えて喜んでいるようだ。私を指差す。「彼女が、昨日話したガイアだ」
「お会いできて光栄です。噂で聞くよりもずっとお美しい」
「ありがとう。噂なんてどうせ大袈裟なものよ」
タロムはスツールを持ってきて私たちの正面に座る。「この場合、決してそんなことはないと断言しますよ」
「弟よ、お前がここに来るとは驚いた。昨日、お前の母上は喜ばないだろうと話したばかりなのに」
彼の母親? ということは、異母兄弟なのね。
「その通りです。ですから、こっそり来ました。昨日は観測記録を確認したくて、宮廷の占い師とも相談したのです」
「秘密が守られることを願うよ」
「守らせます」と彼は自信を持って言い返す。
「ガイア、私の弟は占星術に熱中していて、神々の託宣や星の解釈を学んでいるんだ」
「その通りです」
「そう。なるほどね」私たちの世界ではそんなの馬鹿げた話だけど、それは口に出さないでおく。
「ともかく、イシュダーの星が予定より二日早く現れました。これは女神が私たちにメッセージを送ろうとしているのだと考えられます。そしてその直後に彼女が現れた」彼は私を指す。「私の母が干渉したとはいえ、イシュダーとの繋がりは否定できません」
え? 「待って、あなたのお母様がどういう意味で?」
マリクが私の手を握る。「彼は私の父と、エンラー皇后との息子だ」彼の眼差しが、自分を信じろと言っている。
「ええ。マリクと私の母がうまくいっていないことは知っています。母が神々の加護を得るためにあなたを生贄にしようとしたことも聞きましたし、そのことは非常に心苦しく思っています」彼は胸に手を当てる。「とにかく、あなたを連れ出したマリクの選択には賛成です。神々のことに関しては慎重になる必要がありますから」
「まさか、私が死んだ方が良かったなんて言いにここへ来たわけじゃないわよね」私は刺すように言い返す。
「ガイア……」
「落ち着いてくださいマリク。彼女の言うことはもっともです。もちろん、すぐに私を信じてくれとは言いません」
「その通りよ」私は腕を組んで言い返す。タロムに腹を立てる理由はないけれど、完全には信用できない。
「ともかく、私がここへ、繰り返しますが密かにやって来たのは、ガイアに会うためだけではありません。他にも見つけたことがあるのです」
「構わない、話してくれ。お前のことは信じている」マリクは微塵も疑っていない。まるで、信頼に値する同盟者であるかのように。だが彼は、私たちを死なせようとしている女の息子なのだ。
「記録を調べたところ、約三百年前のアトゥッシー二世の時代に、同様の出来事が起きていたことが分かりました。状況は非常によく似ています。ただ、その少女は皇帝に男子を産ませるために召喚されました。正妻や側室たちではそれが叶わなかったからです」
「私の話とそっくりね」
「その通りです。神官たちから噂に聞いたことがある程度で、あまり知られていない話です。というのも、結末が良くなかったものですから」
やっぱりね。案の定、一筋縄じゃいかないわけだ。
「続けて」マリクもこの話は知らないようだ。
「はい。男子を産んだ後は、彼女を元の世界へ帰すという約束でした。必要だったのは当時の衣服、彼女が現れた場所、そして星々です」
「それで、彼女は帰れたの?」嫌な予感がする。
「いいえ。確かに皇帝に息子を授け、その子は十年後に亡くなるのですが……それはまた別の話です。条件はすべて満たされていました。ですが、彼らが知らなかった条件がもう一つ、守られなければならなかったようです」
「条件って?」
タロムはため息をつき、地面に視線を落とした。「あの、つまり……お二人の私生活に干渉しないこと、です」
「タロム、話してくれ。俺たちにとって重要なことだ」マリクは『俺たち』と言った。
「……彼女が帰れなかったのは、男女の関係を持ってしまったからなのです」
私は目を丸くし、それから安堵のため息を漏らす。まだ帰れるんだ。
マリクが吹き出した。
「つまり……ええと」タロムは驚き、困惑している。
「ああ、いろいろあってな、まだそこまでは至っていないんだ」
「マリク、正気ですか? 病気なんじゃ……? あなたらしくない」タロムは衝撃を受けている。兄に対して抱いていたイメージが、今まさに崩れ去ったに違いない。
「いや、違う、違う」マリクは両方の手のひらを前に向ける。「安心しろ、ガイアは他にも色々と『できる』からな」
私は彼の脇腹に肘鉄を食らわせる。
「痛い!」彼は痛いふりをする。
私も思わず笑い出す。本当、本当に帰れるんだ。
「残念ながら、例の衣服はまだ見つかっていません」
「私のジャケットのこと、彼に話したの?」
「ああ、探すように頼んでおいた。君を家に帰すためには、それを取り戻さなきゃならないからな」
「もう一つ、考慮されていないかもしれないことがあります」タロムはこの件を自分事のように捉えてくれているようだ。「星です」彼は空を指差す。
「星? ごめんなさい、よく分からないわ」私は正直に認める。
「イシュダーの星は、長くてもあと七日間しか現れません。それを過ぎれば、また一年待つことになります」
マリクが私の手を握りしめる。「七日もあれば十分だ」
私は彼を信じる。
カラアルが部屋に入ってきて一礼した。「失礼いたします。ガイア様にメッセージが届いております」
「誰が私に?」ここでは誰も知らないはずなのに。
「カラアル、こちらへ」マリクが手を差し出す。
侍女はマリクに粘土板を渡す。
マリクはそこに書かれた文字を読み取る。「ゲスアからだ」
「またすぐ会えるって言っていたものね」
マリクは水差しを手に取ると、その底で粘土板を叩き割った。
「ちょっと、どうして壊すの?」
「見てみろ」
中からもう一枚の板が出てきた。ラビオリの詰め物みたいに。
マリクはそれを取り出して読む。「今日の午後、彼女の屋敷に招待する、だとさ」




