エピソード2の第4章 クラスメート
同じクラスの千里さんが、時々あたしに話しかけるようになった。
「そういえば、お弁当、いつも一人で食べてるね」
「お手洗いも、一人で行ってるよね」
え、そんなにあたしのことを見てるの?
「ううん、なんとなくだけどね」
あるとき、お手洗いの個室からでてきたときに言われた。
「おしっこの音がきこえてくるけど、なんだか、変わった音だね」
え、どういうこと?
そのときはあまり気にしなかった。
でも、次にお手洗いの個室を使ったときに、なんとなく察した。たしかに、ホンモノの女子と、あたしのようなトランス女子とでは、オシッコの出し方とか、便器へのぶつかりかたとか、違うんだ。
なにかきづいちゃったのかな?
つぎに千里に話しかけられたら、なにか言い訳した方がいいの?
その後も千里は、時々話しかけてきた。こないだのお手洗いのやりとりは忘れたんじゃないかな。少しだけホッとした。
それにしても、女子として学校に通うって....自分らしくなれると思ったけど、逆になにかびくびくしてしまう瞬間がおおい。最初に「あたしはトランス女子です」って自己紹介した方が良かったのかな?今からでも、公言した方が良いのかな?相談できる人もいない。
日に日に、悩みが増していった。そんな時期に修学旅行。病気ということにして、お休みさせてもらった。聞くところによると、不良グループが宿泊先で不純な行動をしてしまい、夜のイベントが一つ中止になったとか。




