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令和鬼合戦:始まりの門~封印の匣(はこ)~

興味をもっていただきありがとうございます。

上層で藤林たちが見たのは、何も知らぬまま使い潰された同胞たちの無念の姿でした。

一方、羅夢多らむだたちは緊急用エレベーターでさらなる深淵、地下最下層へと到達します。


緊急用エレベーターの重い鋼鉄の扉が左右に開いた瞬間、一行を襲ったのは、鼓膜を直接針で刺すような高周波の駆動音と、肌を焼くほど高密度な魂脈こんみゃくの圧力だった。


「……何よ、これ!」


モモが悲鳴に近い声を上げ、端末のノイズを抑えようと必死に画面を叩く。視界の先、巨大なドーム状の地下空洞に鎮座していたのは、高さ五十メートルはあろうかという漆黒の「地獄の門」だった。

 その門は、内側から凄まじい力で叩かれており、「ゴン……ゴン……」という地響きが、心臓の鼓動を強引に上書きし、肺の空気を絞り出す。

門の周囲には、結界が張られており、現代の結界術の常識を覆す光景が広がっていた。本来なら結界師が陣を敷くべき場所に、人の姿はどこにもない。代わりに、二メートル四方の無機質な「金属製のはこ」が門の縁に沿って整然と、かつ無数に配置されていて、門の中央には一際大きな匣が配置されている。その表面には複雑な電子回路のような紋様が走り、不気味な青白い光を放ちながら、門全体を覆う強固な結界を維持している。


「遅いぞ! 何をやっているッ! 補充要員はどうした!」


突然、巨大なコンクリート柱の陰から、数人の男女が飛び出してきた。

 先頭に立つのは、乱れた白衣に度の強い眼鏡をかけた男、主任研究員の額田ぬかた。血走った眼を剥き、羅夢多たちを凝視する。


「門が開きそうだ! 電力が足りていない! 向こう側の結界が消失しているぞ、早く予備エネルギーを供給しろ!」

「電力? どうやって確保してるのよ、こんな場所で!」


 モモが問い返すと、額田の隣で大型のモニター端末を抱えた女性研究員、志村しむらが、絶望に染まった顔で叫んだ。


「わからん! お前たちは電力の復旧に来たんじゃないのか!? 」

「違うわよ、私たちは……!」


 モモは即座に上層の不破へ通信を繋いだ。


「不破さん! 地下最下層の電力がきれそうよ! 結界の匣が停止しそう、どうすればいい!?」

『ちょっと待って……八岐大蛇が地上で暴れた時に、外部からの給電ラインをブチ壊してる! 修復には時間がかかるわよ!』


不破の絶望的な報告に、額田は力なく膝をついた。


「八岐大蛇を出したのか……!? バカな、何を考えているんだ! 」

「……落ち着いて。あんたたちがここで何しているのか、すべて話しなさい」


 羅夢多らむだが十字の瞳を鋭く光らせ、額田を射抜くように見つめる。その瞳の輝きを見た瞬間、額田は息を呑んだ。


「……その瞳、君が『羅夢多』なのか? ……いいか、結界が壊れて門が開いたら、この場にいる全員で戦ってもらう。相手は……『温羅うら』だ」

「温羅!? まだ生きていたっていうのか!?初代桃太郎が討ったはずだろう!」


 九十九つくもが、己の重力操作を全開にしながら驚愕の声を上げる。


「……ああ。奴は瀕死の重傷を負いながらも、どうしても死ななかった」


 女性研究員の志村が、震える指で門の合わせ目を指差す。


「人桃衆が、その死なない肉体を利用して実験を施した結果……奴は八岐大蛇の因子を完全に取り込み、手の付けられない化け物になった。温羅の魂脈が肥大化するたびに、この門もそれに呼応して巨大化し、今や奴自身が門の『守護者』のような存在になってしまったんだ」


額田が苦渋を滲ませながら言葉を継ぐ。


「一度、温羅が拘束を解いて暴走したとき、なんとか門の『地獄側』へ奴を押し戻すことには成功した。以来、奴は門のすぐ向こう側に張り付き、こちら側へ戻ろうと門を叩き続けている……」


モモが眉をひそめて、技術的な矛盾を問い質す。


「地獄の内部では、魂脈が霧散して結界は張れないはずよ。なぜここは維持できているの?」

「地獄の内部では不可能だ。だが、この『門』に直接触れてさえいれば、現世のルールをわずかに延長して干渉できることがわかったんだ。……この門は、温羅が最初に開いた『始まりの門』。一度閉じても決して消えない歴史の特異点。門の向こう側は完全な闇で、人桃衆でも探索すら不可能だった……。温羅ですらその闇には耐えられず、ただ現世の光を求めて戻ろうとしているんだ……!」


その時。


 バリィィィィン!!

 

 結界の匣の一つが、電力不足による過負荷に耐えかねて内部から爆発した。


「羅夢多! 九十九! 匣が次々と落ちてるわ! !」


モモの叫びと同時に、いくつもの結界の匣が煙を出し始めた。

 そこから漏れ出したのは、現世のあらゆる色を塗りつぶす、純粋な「悪意」の波動だった。


第六十九話をお読みいただきありがとうございました!

人桃衆の地下最深部に隠されていたのは、人体実験の果てに八岐大蛇と融合した、不滅の王「温羅」の真実でした。

いつも応援ありがとうございます!ペースを整え、より濃密な物語をお届けします。次回の更新もお楽しみに!

週3回(月・水・金)の更新になります。

面白かった、続きが気になる!と思っていただけましたら、ぜひ【評価】や【ブックマーク登録】をよろしくお願いいたします!

※AIとの共同執筆作品となります。


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