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歩みよったらどうなるかな?

 その様子を見ていた夕乃さんにお願いされる。

「ああいう性格だから友達が出来そうになくて……あの子と友達になれるかしらあの子?」

「人型だけどケータイなんですが!?」

「まあ、わかってはいるけどね。それでも」

 見た目年齢としては近い、私はそれなら良いかもと決めた。

(友達か~、私は持ち主って立場だから)

 私は夕乃さんにこれからする予定を伝える。


「……うん。いいかもっ、そうしよう!」

 男の子型携帯の声色をマネて、軽く体を動かしつつ腹話術をする。

『ボクとお友達になろー』

「?」

「見えてるわ」

 勝手に体を動かされた男の子型携帯は驚いている様子だったし、怜香ちゃんはふざけないでという感じに表情からして怒っていそうだった。


「別にわたし……と、ともだちなんてっ」

 素直になれない怜香ちゃんがいらないわよというのを態度で表しているのだが。

「一緒に遊ぼ! 仲良くなりたいから」

 男の子型携帯の代わりに私がそう言ったところ簡単に折れる。


「いいわよ別に……」

 私は男の子型携帯の方に振り向いて一緒に遊べるものを用意してと誘う。

「何かあの子と遊べそうなゲームとかある?」

「!!」

 私に聞かれた男の子型携帯(ヒューマノイフォン)が『……ゲーム、一緒……』とプログラム起動しているような行動を始めた。


 そして男の子型携帯が数字をずらして答えを導くナンバーパズルゲームを用意する。

しかし、そのゲームは1人でもくもくやるタイプのパズルゲームなので怜香ちゃんがすぐやってしまっていた。男の子型携帯が(勝手に1人で)と思ったのか涙目になる。私はドンマイといった風に背中を軽くポンっと叩いた。


「一人で黙々ってあんた……こら、怜香。一緒に遊ばなくてどうすんの!」

「あっ」

 夕乃さんが何を一人でパズルをしているのって感じで取り上げている




「わたしのパズルさばきを見ているだけで良いじゃない」

「まったくこの子は!!」

 怜香ちゃんが一人で遊んでいて何が悪いのって態度を取っている。


 それを夕乃さんが注意しきれずにいた。

「まあまあ。皆で遊ぼっ、その方が楽しいから」

「うっ!」

 私はこっちから歩みよってあげた方が素直になるかもと思って遊びに誘う。男の子型携帯もマスターも一緒に遊んでくれるのかとどことなく嬉しそうにしていた。

 


 怜香ちゃんが言葉に詰まっている。

「じゃあね~え、みんなでトランプなんてどう?」

 手を引いた状態で夕乃さんに座らされた怜香ちゃん。

「ありがとうね、時音さん」

 

 お礼を言われて私は照れくさいやら嬉しいやらといった気持ちだ。

「えへっ、う~んこれを……」

 さりげなく私達の方へ連れて来られた怜香ちゃん。しかし、怜香ちゃんはお姉ちゃんや家族以外と遊んでこなかったので、他の人と遊べるかどうかと言葉になっていない言葉を発しようとするだけで精一杯である。

「あ、あ、はっ」

 もしかしたら仲良くなれるかもしれないというと人達に受け入れられるかという怜香ちゃんの動作、私達は怜香ちゃんが勇気を出して遊びに誘って欲しいなと見つめる。そのプレッシャーに勝てなかったのか恥ずかしさのあまりトランプを散らかした。

「はずかしいの~!!」


「もう怜香は!」

 怜香ちゃんのお姉さん、夕乃さんが注意しているが私はそれをとりなす。

「まあまあっ」

 きっと怜香ちゃんは今までここまで強引に、しかし優しく誘われた経験がなかったのだろう。なのでどう接すればいいのかわからなくなって――私も人見知りだったから似たような経験をしたようなと思った。


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