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素直になれない女の子

メールをしっかりメモ用紙に書ききったと満足そうな男の子型携帯ではあったが、私が夕乃さんのような大人になりたい的な話をしているのに気付いて――

「ええ!? メールは?」

 メール内容を書いたと思われるメモ用紙が丸めて捨てられてしまっている。男の子型携帯は褒めて欲しかったのにという感じでスネてしまっていた。私はまだその事に気づかず丸められた紙の方を注目している。

「あらまあっ」

 母親は男の子型携帯のスネた理由が思い当たったらしく、クスリとした。


 

そんなに急いで来てくれる必要はないのでは? と思いはしたものの、デパートで偶然知りあった翌日にお礼に来てくれた夕乃さんと怜香ちゃん。早くお礼をしようという夕乃さんの親切な人柄なのかそれとも……怜香ちゃんがあの男の子(?)が気になるって駄々をこねたとか!? 何にせよ推測の域は出ない。

「お礼に来てあげたわっ。ありがたいと思うのよっ」

 まだ礼儀なんて知らないであろう怜香ちゃんの言動に苦笑している感じで、夕乃さんが丁寧にご挨拶をしてくれた。


 ついさっき私の母親は買い物に行ってしまった。だけど私は夕乃さん達を家に招き入れ、知っている礼儀で対応する。そんな中で男の子型携帯ヒューマノイフォンの姿を認めた怜香ちゃんが自慢げな態度になった。

「今日はアンタに見せたいものがあるの! おどろくんだからっ!」

 そう言ってお子様ケータイを服のポケットから取り出した怜香ちゃんが自慢を始める。


「見なさい!! アンタなんかより役に立ちそうよ!」

 ちゃんと来客対応が出来たつもりの私は続けて怜香ちゃんに返事する。

「あっ、赤外線通信ならココに向けてくれれば――……」

「だっ、誰がいつ通信しようなんて言ったってのよ」

 本当なら通信したかったけど、怜香ちゃんは気付かれないように通信しようとして失敗したということだろう。その照れ隠しっぽくキツイ言葉を口にしてしまっていた。


そんな怜香ちゃんの接し方を眺めていた夕乃さんが妹はああいう性格の子なのだと理解してほしそうに腹圧な心境を顔に出してしまっている。私はそんな夕乃さんに話しかけられる。

「ごめん、怜香なかなか素直になれない子で……本当は仲良くしたかったりするのよ……」

 怜香ちゃんが声の聞こえるか聞こえないかくらいの範囲でまた何やらキツイ言葉をかけて男の子型携帯にショックを受けさせているように見えた。




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