デパートでの出来事を母親に話す
デパートで1人できょろきょろしている小さな子。その子は誰かとはぐれてしまったけど迷子なんかじゃないと言う。おませなツインテールの女の子と出会った中学生の私《時音》、私も買ってもらった自立系男の子型携帯がはぐれたというハプニングにあった。最終的には迷っていた男の子型携帯が女の子のお姉さんの所へたまたま行ったという奇跡のおかげで、連絡を取り合ってお互いが保護している子を帰す事が出来たのだ。
「私は夕乃。この子は妹の怜香。ほらっ、怜香。お礼しなきゃ」
まるで女優のような美しさな人が夕乃さん、ツインテールのおませっ子は怜香ちゃんというらしい。
私も男の子型携帯の件でお礼を返し、その後で自己紹介する。
「むう~っ」
少しでも自分を上位に見せたいからか怜香ちゃんが男の子型携帯のうかつさを指摘した。
「お礼は言うわ、でもねっ。着ぐるみについていくとか本っ当ドジ!」
そう言われて男の子型携帯はショックを受けたみたいだ。
デパートで色々あったが自宅に帰ってきた私達。
見た目が男の子にしか見えないから私のお母さんも何ともいえない気持ちであらあらまあまあという感じになっているのかもしれない、そういう事があったと話題にした私もあいまいな返事をするくらいしか出来なくて。
「うん、そうかな」
何とも言えず言葉もない私のお母さん。もしかして人間ならこういう状態なのかしらと推測を立てる。
(やけ食いならぬやけ充電!?)
過充電のせいか、熱くなってきた男の子型携帯を触った私は火傷しそうな熱さだったのでビックリした。
「あっつう」
私達がなだめた事で、携帯として活動して欲しいという指示を守るようにプログラムされ直した男の子型携帯。感情面でそこまで人間的だとは思わなかった。そうやって落ち着いたタイミングで誰かからメールが届けられる。
<メールだよ、メールだよっ>
送信のあったメール、私は誰なんだろうなと思いながら開く。それに男の子型携帯が応じた。
『夕乃さんからですっ』
通りかかった母親が私に尋ねて来た。
「夕乃さんってさっき聞いた……」
「うんっ、アドレス交換してもらってっ。ウチにお礼に来てくれるとか……」
速度は遅いものの、メール内容は男の子型携帯が一生懸命書いていた。
「とてもキレイで華麗さもあって。あこがれるな~」




