最後の任務へ
女は必死に立ち上がろうとしても、なかなかいうことが利かなくなりバタッと倒れた。
皆はあの女のしていることは自作自演じゃないかとゆっくりと準司達四人は盾と失神銃で、警察は銃を構えて近づいていった。
…その女は気を失ったのか、寝ているのか、眺めてみてもよく分からなかったが、瀬戸川は思いきって逮捕状を言い渡した。
「午後五時四十七分、殺人未遂と不審物等及び業務妨害の疑いで逮捕する」その女に手錠を両手と両足に直ぐ様取りつけた。道村も瀬戸川の手伝いをしてしっかり固定できているか確認した。
ただ、このイナズマ団もマジックを使った技を持っている為手錠で上下に固定していてもまさか逃げられるのだろうかとハラハラしていた。
「君たちの盾の技のおかげで何とか食い止めることができた。本当に感謝してるよ。また見たことのない技を見させてもらったね。…君も三人のあのタッグを組んで技を繰り出せることができるの?」瀬戸川は興味津々に皆藤に聞いた。
「えっ?…実は三田原君が考えた技を私が三人で組んだ時に使えるかと言うと…正直分からないです…私も初めて見たので…」皆藤は恐る恐るそう言った。嘘をつくのが苦手なようである。
「そうなの?じゃあ三田原君が思いついた技はあれは見たことがない技ということ?」瀬戸川はさらに聞いた。
「えっ、ええ。確かに初めて見ました」皆藤は会話を降りたかった。
「そっか。まあでも、三田原君の思いついた技でイナズマ団をまた一人捕まえることができたのは良かった。とりあえず皆に連絡するよ。道村も手伝って…」
「あっ、はい!」瀬戸川はしっかりと捕まえたイナズマ団の女を左手で固定し、道村と一緒に上司に連絡を入れた。
「皆藤さん、こっちも三人に連絡入れておいた方がいいんじゃないですか?一人目のこのイナズマ団の女性を捕まえられたって…」
「あっ、うん。そうだね。私から連絡入れるね」準司の言われた通りに皆藤もまずは灯田原にライン電話を入れた。
数十分後、やっと他の警察達が到着した。銃弾跡が残っているところを見て警察達はこの六人で必死に戦っていたことがよく理解できていた。
「こいつ、まさか逃げられるんじゃないだろうな?」一人の上司の男性警察が警戒した。他の警察も同じ気持ちだった。
「この通り、手足を手錠で固定したのでまさか逃げれるようなことはないと思うんですけどね」瀬戸川がしっかりと両手でイナズマ団の女を固定している。
「瀬戸川、遅れてすまない。どうだ?そいつの様子は?」警察の皆が到着した後そんなに遅れた訳ではなかったが、ほんの少しだけ後から的場警部が到着した。
「はい!的場警部、この通りしっかり固定してます!」瀬戸川はしっかりと聞こえるように少し大きな声で話した。
「よし、その女を数人でしっかり固定しろ!…」
「はい!」
そして数人の女性も混じった警察がそのイナズマ団を慎重に確保して別の船に乗ってパトカーに持っていくように移動した。
「…実はだな、他のイナズマ団二人を見つけることができたみたいだ。しかしだ、まだ数人のイナズマ団がボスも混じってここにいるらしい。ボスの目的は乗客全員を皆殺しにするはずだったが、まだここにいるということはまた別の計画を図っているということだな」的場警部はいつの間にか十一番目のボスの場所を突き止めているみたいだ。
「警部、そのボスがここにいるというのはどうして分かったんですか?」瀬戸川が聞いた。
「イナズマ団を捕まえた時、そのイナズマ団の部下が正直に話したからだ。ただそのボスの次の目的は何なのかを全く話さなかったが、このどこかにいるのは間違いないと判断していい」的場警部がそう話し伝えるとその場にいる警察達は、もうこのタイミングで十一番目のイナズマ団を捕まえることを先に考えた方がいいと考え始めた。
そうしているその時、灯田原と伏竜がやっと到着した。
「あっ、大学の関係者ですね。イナズマ団を捕まえる行動に大変感謝します。大学の関係者の皆さんのおかげでイナズマ団を捕まえられましたので」的場警部は二人に感謝を伝えた。
「いえ、ただ当たり前の事をしたまでですので引き続き捜索を続けますよ」灯田原がそう返した。
「ありがとうございます」的場警部はまた感謝を述べた。
「まだでも、イナズマ団の部下達はここのどこかに潜んでいるんですよね?もしかするとそのボスと合流してどこかに逃げようとしているんだとしたら…」
「それはまさか、この船から脱出したということなんでしょうか?」的場警部は灯田原に聞いた。
「いえ、それは本当なのかは証拠がない為今から捜索するしかないですね。的場さんがおっしゃった通り、今頃逃げようと計画しているのかもしれないのと、我々を狙おうと企んでいるのだろうかと…」
「まさかだけど、さっきの名古屋港に着いた時にイナズマ団もこっそり隠れて乗客を狙っているとかあるんじゃないのか?」伏竜は灯田原に聞いた。
「それはないと思うぞ、伏竜さん。港近くに警察車両がすごい数で停まっていたのを見たことがあるだろ?もしイナズマ団がいたとしても捕まえられる確率も十分ある…」
「あっ、そうか…」伏竜は納得した。
「とりあえず私は上の階全部の様子を見てきます。まだイナズマ団が潜伏していると思いますので」灯田原はまた行こうと構えた。
「大将、俺も手伝う。爆発するまでまだ時間がある。それまでイナズマ団全員を捕まえられたら肝心なボスがどこにいるのかを徹底して探しまくるのも必須だからな。後この二つをやらなければならない」伏竜も最後の仕上げに動こうとした。
「とりあえずこの重大な任務を二人にも引き続き大変かと思いますが、なんとしてもイナズマ団ボスを捕まえられるように頑張りましょう」
「はい!」二人は同時に返事した。
「おい、お前ら。まだ動けるか?最後の仕上げといくぞ…」
「あっ、はい。みんな怪我もしていないのでまだ動けます。ねっ?みんなそうでしょう?」皆藤は準司達に聞いた。
「はい!僕らの目的はイナズマ団ボスを捕まえることですから、まだまだ行けます!」準司はやる気満々だった。葵と将吾は口を開かなかったが、ただ「うん」と頭を上下にゆっくりとふった。
「それじゃあ、もうここからはまた分散しなくていい。俺と一緒に着いてきてもらう。今度は前らへんの所まで探し回るぞ。まだそこに奴らが潜伏しているかもしれないだろうからすぐに行くぞ…」
「はい!」灯田原の話に準司だけが大きく返事したので伏竜はぷっと拭いて苦笑した。
「お前だけ本当に変わった奴だな。返事したのお前だけというのもすごく目立ってたぜ…」
「えっ、そうですか?」伏竜がそう言ってあげて準司がそう言うと警察のほとんどは笑ってしまった。
皆藤、葵、将吾もぷっと拭いてしまった。
「おい、みんなも?…」
「そりゃそうだよ。あんな大きな返事をしなくてもいいのに準司だけ声が大きかったんだもん…」
「準司、俺もそう思ってたさ」
葵と将吾はそう言うと準司はええと言ってしまった。
「じゃあ総仕上げといくぜ。お前らも根性を奮い立たせよ…」
「はい!」灯田原の掛け声に今度は皆四人とも息を揃えて大きく返事できた。そして、灯田原を先頭に大学のメンバー全員は警察と共に走って行った。
「お前ら、残っているメンバーはまだいるのか?…」
「それが黒井様、ほとんど捕まえられたと報告が…」
「何だと!?」まだ船の一番前にいた黒井があまりの衝撃に倒れそうになった。
「…お前ら、後でどんなことになるか分かってんのか?神威様から上級幹部に引き上げてくれるというこの絶好のチャンスに…なんて事をしてくれたんだ!?…」
「申し訳ありません、黒井様!」
そして黒井は電話を切って「くそっ!」と怒り狂って「うわあああ!」と叫んだり、物を蹴ったりだんだん壊れてきた。
「おのれえ、ヴィジョンめ。そんなに部下が強いのか?…いいだろう、俺と一騎討ちといってやろうじゃないか」
十一番目のイナズマ団ボスと言われたこの黒井和希はポケットから最後に爆発するための爆弾のスイッチを取り出して、だんだんと苦笑いしてきた。
「アハハハハハ…最後の手段はこれでいいだろう」
黒井は狂いながら笑いながら自分の勝利を祈って両手を広げた。




