イナズマ団の制圧
何度もアナウンスしているのを乗客達全員が聞いてようやく事情が分かってきたが、皆がパニックになってきているのが目立ってきた。さすがにこれだけの大人数の乗客達を落ち着かせようなど厳しいのは一目で分かっている。
…このデビュー仕立てだという時にまさか爆弾が仕掛けられているなど…。
皆はそれでますます恐怖の色に染まってきている。
乗客達は自分の部屋に急いで戻って荷物をまとめて鍵を受付の人達に返そうと走っている。
そして名古屋港に速く着いてくれと出口に大勢の人達が集まり船の従業員達も「もう少し待ってください!もう少ししたら名古屋港に着きますので!」と冷静に乗客達を落ち着かせた。
警察とヴィジョン教授の弟子達も周りにまだ不審物がないかを探し周り、弟子達はファインドグラスで不審物を探していた。
ここまで来ていくつかイナズマ団が仕掛けた爆弾が見つけられたが、一体どれだけの爆弾を仕掛けたのか分からないし時間内に見つけなければ乗客の被害にも及んでしまう為急いで何としても探し出さなければならない。
ヴィジョン教授の弟子達もヴィジョン教授が話していたことを思い出しながら何故この船を狙っているのかの理由がこれで分かってきたような感じが出てきた。
まず、船があまりにも大きすぎてどこで何をしようとイナズマ団は何してくるのかが分かりにくい事、そしてこの乗客の人数が多すぎる事で狙われやすい環境が揃っていることだ。
おそらく、ヴィジョン教授はもう予想がついていたのだろう。ただ、イナズマ団の動きの特徴を前から分析できていたからこの豪華客船だけでなく他の場所や時間も計算していたに違いない。
ヴィジョン教授は海上保安庁の船から望遠鏡で監視していた。中はあまり見えないが後もう少しで名古屋港に着く時に次の予感を感じ取っていた。
「…おそらくですが、イナズマ団は名古屋港に着こうとする直前に乗客全員を人質にしようとするのは間違いありません。警察と私の弟子達諸君が何とかイナズマ団を食い止められるかが心配です」ヴィジョン教授は片言の日本語で海上保安庁の全員に説明した。
「わずかですが、乗客が慌てて走っているのが見えました。おそらく、イナズマ団が暴れているのではと考えられます」海上保安庁の一人も望遠鏡で大型クルーズ船の中を覗いていた。
「爆発するのは午前0時と言ってましたね?その証拠はありますか?」海上保安庁のもう一人がヴィジョン教授に聞くと、ヴィジョン教授はスマホを取り出して皆に見せながら説明した。
「これを見てください。私の大学生の一人が写真を撮って送ってくれました。これが彼らも言ってますが感電式時限爆弾という爆弾が船の地下に見つかったと言っています」海上保安庁の皆はヴィジョン教授のスマホを覗いた。
確かにでかく黒い色のした球型のした赤い数字が映っている爆弾があるのが確かめられた。
「そしてこの子が送ってきた写真の日時と時間と爆弾の赤い数字を見てください。よーく見比べてください」ヴィジョン教授の言われた通りに皆も見比べた。
「あっ、確かに。計算してみれば爆発するのは午前0時丁度だ。教授は何故、この時間に爆発するのだと分かったのですか?」海上保安庁の全員も確かめられた時、この海上保安庁の男性はヴィジョン教授に聞いた。
「私は以前からイナズマ団の動きを計算してました。次に狙うのはどこなのかということを。必ずデビューという時にまずは狙うのではないかと考えたんです。次に時間は夜の方が動きやすい、その夜のいつに計画を実行に移すか、それを見ていたんです。そして、やはりこの豪華客船に狙いを定めたのが分かったということが証明されたことが分かったということです。深夜0時に爆発をすれば皆が仕事が終わる時と重なればイナズマ団にとって好都合だからではないかとそう考えたりもしました」
ヴィジョン教授は確信できた為自信持って話せた。
「ただ問題はただ一つ、あの豪華客船に乗っている乗客や乗組員の人達や警察や私の学生達をどうやってイナズマ団から退いて船から脱出するのかが心配です。そこさえうまくいけばいいんですが…」ヴィジョン教授もそこから先を見据えていたがイナズマ団から身を守るためにどうすればいいか分からない中で作戦を考えていた。
船の一階のフロアは人が押し詰め状態で乗客達はもう船からいつでも逃げれるようにゲートの前で集まっていた。その前に乗務員達はもう少し待ってください!と乗客達を落ち着かせていた。
子供達と一緒に来た家族連れや夫婦や、カップルや、他大学から来た大学生、女子大生やお年寄りの夫婦や中高年の人達や修学旅行で来た高校生達などがこの船に乗りたくて楽しみにしていた人達が本当はこの船で沖縄まで行きたかったみたいだ。
それが爆弾が仕掛けられていることなど聞いたこともないし、何故そういう不審物がないように安全第一を考慮して安全に持っていかなかったんだと豪語している人達で大騒ぎしていた。
「何でデビュー前に安全点検しなかったんだ!?」とか「こんな時になってなんでこんな目に会わないといけないんだ!?」とか乗組員達に責め寄せている。
上の階から来た人達がだんだんと一階に集まってきた。一階のフロアは人で埋め尽くされている。
後もう少ししたら名古屋港に到着すると誰もが思っていたその時だった。
ドクロを被った怪しい連中がライフル銃を持って天井に向かってダダダダーン!と撃ち始めた。
乗客達は慌てて腰を抜かして床に倒れて頭を両手で守った。
急な銃の爆音だったので皆心臓が跳び跳ねそうだった。
「おい、てめえら。まさか逃げられると思っているんじゃねえだろうなあ?この船は、イナズマ団という組織が乗り込んでいるんだぜえ。いつこの銃に撃たれるか分からない具合の中でどうなってもいいのかよお?」
嘘だ…まさかこの船にイナズマ団が乗り込んでいるとは思いもしなかった。
まさか反社会勢力がここに来るわけないよなと現実に出てくるわけないよなと思っていたことが、そのまさかがおきてしまうなど血の気が引いたような気持ちに一気になった。
…ここにイナズマ団がいる。しかも一人だけじゃない。四方八方何人もののものすごい人数がいる。それに一階だけじゃない。上の階にもライフル銃を持ったドクロの仮面を着けた男女が乗客達に向けていつでも撃てる状況になってしまった。
何番目のボスなのか分からないがこのボスみたいな男にある情報が入ってきた。
「真哉、どうだ?そっちの様子は?…」
「黒井様!?」この男は背筋がピンと伸びた。
「真哉、この仕事にも賞金がかかってるんだぞ?勿論俺もだ。神威様から褒美がくださる。この仕事、大成功をおさめれば俺は上級幹部の仲間入りになれる。お前達の失敗で引きずり降ろされたら後がないと思え。お前達もうまく成功できれば夢が叶うチャンスだぞ。こんないい機会、二度とないぞ。分かったな?ここからが正念場だ。真面目にやるといい。この船全部を制圧できたか全員に聞いてまわれ…」
「…はい、かしこまりました!」
そしてこの男は、部下の連中に一人一人機械を通して聞きに回った。
「そっちは制圧できたか?…」
「摩耶、制圧完了」
「お前、制圧できたか?」
「はい、制圧完了」
「どうだ?そっちは制圧できたか?…」
「はい、完全制圧、完了」
もうこれで誰もイナズマ団によって動けなくなった。一歩でも動いてしまえば銃で撃たれる。
イナズマ団が銃で全員を動けなくしたその時、警察は隠れながら銃を構えて「動くな!」と叫んだ。的場警部だ。的場警部の掛け声で警察の皆もイナズマ団に向かって銃を構えた。
警察の盾代わりに準司達盾の使い手もイナズマ団に盾を構えた。




