逆転劇と逆襲
仕方がない、我慢して盾にこもってばかりいるのは時間の無駄なら代わりに自分があえて動くしかない。あの技覚えの訓練ができたのだからその成果を証明できるようにここでやるしかない。準司は皆藤と葵が炎の使い手だから技が出せない代わりに自分が表に出て目の前のイナズマ団と戦うことを決めた。その事をあえて準司は皆に聞こえるぐらいの声量で準司はわざと言った。
「葵、皆藤さん、将吾。三人の盾で島さんと警察二人を守って!俺はこのイナズマ団と戦うので…」
「えっ?準司!それは駄目だ!準司一人で戦える具合じゃないよ!」将吾は準司の急な判断にびっくりしている。さすがにこの人数を相手に戦うのは無理だと。
「そうよ準司!準司一人で戦ったら周りから撃ってきた時が危ないんだから」葵も思わず大声で準司を止めた。
「三田原君、確かにあの爆弾に触れないようにして水で応戦しようと考えているんだよね?それは分からなくはないけど一人だけで戦うのは限度があるわ。だからここは時間稼ぎを続けるしか…」
「皆藤さん。気持ちは分からなくはないです。さすがに一人だけで戦うのは厳しいというのは。でもこうやって黙って我慢してばかりいて籠り続けていたらイナズマ団が逃げられるかもしれないし、ここでやっとヴィジョン先生が言っていたことが証明できたんですからこのイナズマ団全員を捕まえるのとこれらのボスを捕まえるチャンスを逃すわけにはいかないですから。だから、無茶だとしても動くしかありません!」準司の声は波になって響いた。準司はとりあえずやってみるしかないと覚悟を決めていた。
準司は少し前に進み出た。するとイナズマ団のこの連中はびくともしなかったが代わりに苦笑しながら銃を構えて準司の動きを監視した。完全になめている。
「ふふふ、そうかそうか。おみやげ自らが俺達と戦うってか?それはいい度胸だ。やっぱりおみやげにして俺達のアジトに持って帰る価値がありそうだ。…三田原準司、死ぬ覚悟はできてんだろうなあ?てめえら、こやつを撃ち殺せ!」
一斉にイナズマ団は連射した。もう終わってしまうのかと葵や将吾や皆藤に警察二人は絶望したその時だった。
準司はほんのこの一瞬だけ秘策と今まで訓練してきた技で銃弾の速さより素早く盾を動かした。
「水の舞…三の技、水風の荒天巻!」準司はこの三の技を盾の舞のように前後左右に振りかざした。すると、水の入った風が吹き荒れイナズマ団の銃弾を一気に弾き返した。同時に冷たい水風がイナズマ団を吹き飛ばし、前の列にいたイナズマ団をほとんどぶっ飛ばした。
「な、何!?」イナズマ団の男が三分の一の人数が吹き飛ばされたのを見て今までなめてた態度から一変した。
三分の一の人数のイナズマ団は後ろにいたイナズマ団の軍団におもいっきりぶつかりドタドタと倒れていった。意外なことでイナズマ団は思わず驚いた顔をして「うわあ」とびびって倒れていった。
「ふう、良かった。伏竜さんが教えてくれた甲斐があったぜ」準司は自信を取り戻した。
「えっ!?準司?…水の使い手ってそんな技が使えるの!?」葵は準司の使った技を見て感動していた。
「すごーい。三田原君ってそんな技を繰り出せるの?じゃあイナズマ団に怯える必要なくなったかもね」皆藤も準司を見て一時はどうなるのかと怖がっていたが、一転した。皆藤も自信が出てきた。
「準司!お前あの時そんな修業してたのか!すげえじゃん!」将吾も感動していた。
「おのれえええ、あのガキに銃弾撃ち込め!」さっきの連射より倍の連射で準司に襲いかかってきた。普通なら死ぬところだ。
しかし、準司はそれでもびくともしていなかった。もう一度、『水風の荒天巻』を繰り出し倍に襲いかかってきた銃弾を全て弾き返した。同時に今度はイナズマ団全員を遠くへぶっ飛ばした。葵や将吾や皆藤の全員も三人を盾で守りながら準司の放ったすごい風に耐え続けた。
ただ、準司は後ろの感電式時限爆弾を見た。風で時限爆弾が作動したのか冷や汗が出てきた。…大丈夫か?
じーっと見ていたが何も変化がなかった。ふうっと胸を撫で下ろした。
「くっ…まさかこの小僧めが俺らと互角に戦えるとは…ヴィジョンという奴にここまで教えられてきたということか…おい、てめえらもう一度立ち上がれ」男が叫んでいたが準司の放った技で遠くへ吹っ飛ばされてぶつかった衝撃で簡単に立ち上がることができづらくなっていた。
これで時間稼ぎができると準司が思っていた時に丁度ラインをもう一度見た。伏竜からだ。
『分かった。今行く』と書かれてあった。実は準司がラインした時に直ぐ様返信していたのが分かった。
準司は目の前のイナズマ団と戦うことで頭いっぱいだったのですぐにラインを見てられなかった。
…これで援軍がここに来てくれる。後はこのイナズマ団がまだ立ち直ろうとした時にもう一度技を発動させてこれ以上に動けなくさせるだけだ。
「まだ戦いたいなら俺と戦う余地がある。ただこれ以上変なことをしてくるなら俺達はお前達を許さない。ここにあんな爆弾を作って設置した罪を償っていただきたい」準司は何も噛んだりしていない。自信持って堂々と言えるようになっている。
葵や将吾や皆藤も盾を開放して警察の瀬戸川と道村と船の操縦士の島を安全にしてあげた。
「イナズマ団!お前達のやった罪は深い。まずはお前からだ。このイナズマ団の指示をしていたお前を殺人容疑で逮捕する!」瀬戸川が大声で指示していたこの男に手錠をかけて動けないようにした。
そして残りのイナズマ団に向けて銃を二人の警察が向けて大人しくさせた。
やっとイナズマ団の動きを封じ込めたと警察全員に電話をしようと瀬戸川が銃を向けたままスマホを片手に持とうとしたその時、このイナズマ団の男が急になって爆笑し始めた。
瀬戸川は急遽電話を止めて銃を突きつけた。道村も遠くから銃を向けた。
「何だ?何がおかしい!?」瀬戸川が笑っているその男に大声で聞いた。…何だか様子がおかしいことに皆は気づいた。
「…お前、これでイナズマ団を捕まえられたとでも思ってんのか?…残念だったな。黒井様を捕まえるまでが仕事なんだろ?だったら、捕まえてみろよ」するとその男は手錠をかけて動けないはずなのに中からある機械を取り出し、そしてスイッチを押した。
するとその嫌な予感は的中してしまった。
…イナズマ団が地下に設置した感電式時限爆弾の爆発カウントダウンが始まってしまった。
皆全員爆弾に振り向いた。爆発するまでのカウントダウンの数字が動き始めた。
「何だ…これ?…お前達、一つでも動かしたらスイッチが入るって言ってたじゃないか?…まさか…お前…」
「フハハハハハ!…そうだ、その通りだ。触れたら爆発するまでカウントされる。しかしだ、俺達がスイッチを入れることもできるように設計させてもらっているんだよ。残念だな。それにいい忘れてすまんな…」
「ふざけるな!やっとイナズマ団を捕まえられるところまできたというのに、お前達が作った爆弾を自分勝手に扱えるなど…汚いぞ、イナズマ団!」瀬戸川はあまりの予想外に激怒した。
「いつになったら爆発するんだ?…答えろ!」瀬戸川は冷静さを失ってきた。
「瀬戸川さん!」道村も瀬戸川を心配した。
するとその時、上からガタガタと階段を下ってきているのが分かる。
やった。やっと来てくれた。一番下の様子が見えたので他の警察達がその場から大声で叫んだ。
「警察です!そこに誰かいますか!?いたら返事してください!」他の場所から来た警察達だ。
「瀬戸川です!こっちまで来てください!」瀬戸川はそう叫んだ。




