面談
悪夢のような出来事だ、そう思ってこの光景を眺めていたが、しばらくして新社長の島田玉緒は、これから数名と面談をやると言い出した。
「今から面談をする人に個別にメールを送るから、詳細はそれをよく読んでね!」
そう言って、島田玉緒は画面から消えた。
俺は、チラと自分のスマホを見やる。
(面談…… 一体、何を通告されるんだ)
通告、と言えば戦力外通告か。
だが、社名が島田繊維株式会社から、島田パンティテックスになってしまった。
「マジかよっ、こんな名前、恥ずかしすぎんだろ……」
俺は頭を抱えて顔を思いっきりしかめた。
一番悲惨なのは営業かも知れない。
客先で名刺を渡すたびに、いちいち笑われるに違いないからだ。
これなら、いっそ辞表を……
そんな風に考えた、その時。
ブブブ、とスマホが振動し、俺はまさか、と画面を覗き込んだ。
「会社からメールだ。 内容は……」
メールにはこう書かれていた。
今からこちらが考えた新たな人事の発表をします。
ズームでここに書かれている番号の部屋に、指定の時間に入って下さい。
俺の面談時間は、11:00だった。
面談まで、あと45分程度か。
(ちょっと待ってくれよ……)
慌てて立ち上がり、スーツだけでも着とくか、と寝室の棚へと向かう。
シャツを来て、黒い上着を着、ネクタイを締める。
洗面台に移動し、身支度を整えながら、急に面談することになって、頭の中をグルグルとまとまらない考えが巡る。
そうこうしている内に、面談の時間がやって来た。




