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暴走

 後輩の堀越の話で、10時から次期社長がズームで挨拶をするらしい。

ちなみにズームとは、いわばテレビ電話のようなもので、オンラインで離れたもの同士が顔を見ながら通話でき、このコロナ渦で需要が一気に拡大した。


(一体、誰が……)


 順当に行けば、副社長がそのまま社長になるんだろうが、ウチの会社は親族経営で、社長の身内がその席につく可能性が高い。

だが、社長には一人娘がいただけで、しかも確か芸人を目指していたハズだ。

社長になる可能性は殆ど無いだろう。

というか、なったら困る。


「まあ…… 順当に副社長が社長の座につくんだろうな」


 それを言い聞かせるように独りごち、ノートパソコンの電源を入れる。

まだ時間があるため、ヤフーニュースでも見ながら時間を潰し、アプリを起動した。

ズーム内の会社の指定の部屋に入ると、既に何人かの顔がモニターに映し出されている。

緊張した面持ちの奴もいれば、コーヒーでも飲んでリラックスしている奴もいる。

すると突然、画面が切り替わり、社長の机と倚子が映し出された。

そこに、一人の女性が入室し、腰掛ける。


「皆様、おはようございます。 私が次期社長の、島田玉緒でございます。 ちゅっ」


 画面越しに投げキッスをする次期社長と名乗る女性。

しかし、それは正真正銘、社長の娘であった。


「え~、私が次期社長ということで、早速、経営方針を発表します。 私たちは今まで、童貞殺戮シリーズに力を入れて参りました。 そして、より効率良く童貞を殺すにはどうしたらいいのか、それを考えた結果、我が社は、パンティに一体化します!」


「……」


 冷や汗が止まらない。

一体、こいつは何を言っているのか?


「パンティに一体化するにあたり、社名も変更します。 島田繊維株式会社から、我が社は島田パンティテックス、と名を改めることになりました」


 席を立ち、自分で拍手する島田玉緒。

そこから更に、島田玉緒の暴走は続いた。 





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