波動砲
課長の提案した売り場。
それは、建物の中。
屋台を押しながら課長が言う。
「あのデパートは定期的にうまいもの展を開催している。 中に潜り込めれば、一攫千金のチャンスだ!」
うまいもの展に紛れ、焼き鳥を売る算段。
会場は売り場の一番上の10階らしい。
確かに需要と供給が一致しているが、問題はどうやってそこまで辿り着くか、だ。
屋台はもう建物の正面まで来ている。
「課長、サイズ的に入れないですよ……」
「波動砲の準備だ!」
この屋台には、波動砲が積んである。
屋台を作ったのはメガネ兄さんで、メガネ兄さんは元々何かの研究員だったと聞いている。
その何かが、まさか宇宙戦艦だったとは。
課長は何故か、波動砲の操作を心得ており、ブレーカーを上げ、発射のスイッチを押した。
「波動砲、加圧開始、80パーセント、90パーセント…… 発射!」
茶色い液体が大砲から射出されたかと思うと、扉に一閃。
入口が粉々に破壊された。
(波動砲は、焼き鳥のタレを加圧して打ち出す水鉄砲みたいな仕組みか)
そうなると、乱発は出来ない。
温存しなければ焼き鳥のタレが無くなってしまう。
「行くぞ!」
課長が叫び、俺は騒ぎが起きる前にさっさと入口を通過した。
建物内に侵入したはいいが、どうする?
階段で上がるか、エレベーターを使うか。
しかし、サイズ的にエレベーターは無理か。
かなりしんどいが、階段を使うしか無さそうだった。




