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盲点

 靴を入れたストッキングを振り回し、モンスターの首に巻き付け、ジャンプ。

スパンコールの施された上着がキラキラ輝き、丸で蝶々の様である。

モンスターを中心に弧を描き、途中、落ちていた剣を拾って背中にそれを突き立てる。

ポン、という音がし、黒ひげ危機一発の如く、モンスターの首が飛んだ。







「人がいなくなってしまったな」


 ぼそりと課長が呟く。

予想外のモンスターの暴走により、辺りからは人がいなくなり、消防隊が駆けつける騒ぎとなってしまった。

もし、優勝を狙うのであれば、場所を移さなければならないか。


(つっても、もう時間が無い。 売り場をミスればアウトだ)


「マーケットで売買をするとき、気を付けなければならないことは何だ?」


 突然、課長が問いかけてきた。

これでも俺は会社員だ。

その答えはすぐに分かる。


「客の多い場所を見極めて、需要を満たす商品を投下する、ですか?」


「正解だ」


 課長は辺りを見回し、しばらく思惑した後、こう言った。


「コロナ禍で需要を満たしたのは、ゲームや宅配サービスといった、家で何かをする為のものだった。 外がダメなら内側に潜り込めばいい」


「それって…… マジ、ですか?」


「ああ、目指すはあのデパートだ!」


 課長が指差した先、それは、目の前の百貨店だった。

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