モン○ン
検問を抜け広場に到着すると、既に屋台が何件か出ている。
その中の、塩専門の焼き鳥屋「匠」が、行列を作っているのが目についた。
「負けてられっか!」
焼き鳥の王道はタレだろ!
俺と課長が急いで準備に取りかかっていると、突然、馬鹿でかい轟音。
「ギャアアアース!」
「う、うわあああああっ」
腰を抜かし、俺はその声の主を見やる。
全長は5メーター、黒々とした体に、恐竜の様なフォルム。
その怪物が、塩焼き鳥、匠を尻尾で振り払った。
掃き掃除の落ち葉みたく、匠の屋台はバラバラに吹き飛んだ。
「あれはゴ○ラか? どうやら、タレ派らしい」
課長が暢気な事を言う。
ゴ○ラの新作発表イベントを今日、やっているのか?
まるで実物の様だが、恐らく、ロボットだと思われる。
すると、脇から巨大な剣を持った人らが3人、現れた。
「俺たちが相手だ!」
(ゴ○ラじゃなくて、モン○ンかよ!)
新作発売はモン○ンの方らしい。
ゴ○ラ風モンスターは、倒される所か逆に火を噴き、周りを火の海に変えた。
コスプレをした男が言う。
「オイ、台本とちげーよ!」
機械が暴走しているのか。
周りで悲鳴が沸き起こり、このままだと客がいなくなる。
「モン○ンの新作なら……」
モン○ンライズという新作が冬に出る。
そして、それに出てくる新アクションを使わなければ、倒せないのかも知れない。
俺は、ズボンを脱ぎ捨て、更に掃いていた島田製の破れにくい防寒ストッキングを脱ぎ、そこに靴を入れて重しにした。
辺りを見回す。
いた!
「ちょっと、スイマセン」
「えっ、何なの!?」
夜の蝶こと、キャバ嬢の上着を拝借し、羽織る。
(いくぜ、新アクション、バタフライ・ジャンプ!)




