屋台バトル
メガネ兄は、手にしていた丸まったポスターを開いて、こちらに見せてきた。
そこには、こんな言葉が書き綴られていた。
歌舞歌舞町、屋台バトル開催! 銀河一は、どの店舗だ!? (賞金100万円出ます)
2021年2月7日(日曜)開催!
ポスターには、黒い宇宙を背景に、宇宙船に見立てた様々な屋台がドンパチやっている絵が描かれている。
メガネ兄が鼻息荒く、語り出した。
「歌舞歌舞町では定期的に飲み屋フェス的なものを開催しているのですが、今回はコロナ禍ということもあり、野外で屋台を開いて各店が競い合う形となりました。 そして、屋台ということで私たちにも出店するチャンスがあります」
歌舞歌舞町は都内にあるキャバクラやらホストクラブのひしめいた、ザ、夜の街、といった場所だ。
キラキラした街並みはまるで宇宙空間の様だが、屋台が行き違える程、道端あったか?
俺が歌舞歌舞町について考えていると、課長が質問した。
「これが本当の勝負、という訳ですか。 で、私たちもこれに参加を?」
「その通りです。 というか、私は店を開けられないので2人に任せたいと思います」
……はあっ!?
俺ら、ド素人だぞ!
思わず、口走る。
「いやいや、荷が重すぎますよ! しかも、今週日曜開催って書いてますよね。 明後日じゃないですか!」
メガネ兄は笑いながら言った。
「それだけじゃありません。 優勝を狙うなら、何かインパクトのあるメニューが必要だと思います。 この店自慢の「ねぎま」は外せないとして、もう2つ程、あなた方に考えて頂きたい」
……そんな馬鹿な。
焼き鳥の素人に、あと1日と少しで新メニューを考えてこいとか……
しかし、隣の課長がやたらやる気になっているのが、それとなく伝わってきてしまった。




