作戦
こんな68のおばちゃんの助けを借りるくらいなら、いかがわしいお店で卒業するわ!
……つっても、今はコロナでその手も封じられているが。
「バカなこと言ってんなよ。 さっさと仕事すんぞ」
「な~に、赤くなっちゃって。 やらしいねェ、年頃の男は」
(ふざけんな……)
俺たちは校内の落ち葉拾いを終わらせ、夕方、帰宅した。
帰りがけにおばちゃんが耳元で、ウチ、寄ってきなさいよ、とか言い出したが、今思い出しても鳥肌が立つ。
そんな言葉を俺は無視して家のある方面の電車に乗った。
「は~あ、どーすりゃいいんだ」
シャワーを浴びて、ベッドに横になる。
テレビをつけ、バラエティのガヤガヤを聞きながら、俺はどうやって林道清花に告るかを考えていた。
林道清花は童貞を殺すマフラーを身に付けている為、迂闊に近寄ることは出来ない。
(対面で告白は無理か)
今時、方法はいくらでもある。
ラインでも携帯の通話越しでも可能だが、俺は相手の連絡先を知らない。
(……そーだ)
俺は、あることを思い付いて、翌日はとある店に行くことにした。
翌日、やって来たのは駅前にある今時珍しい商店街の一角の、弓具店だ。
店内は狭いが、弓道に関する道具が一式揃っている様だ。
(道具があれば、作戦決行できる)
俺が昨日考えた告白方法。
それは、矢文大作戦、だ。
矢に恋文を結んで、それを遠くから飛ばす。
そして、告白の文書を読んで貰う算段だ。
これなら、相手に近づく必要は無い。
弓具の事はよく分からなかった為、店員に質問することにし、レジで暇そうにしているオヤジに尋ねた。
「あの~、初心者なんですけど……」
こうして弓を手に入れた俺は、早速、近場の道場に試し撃ちすることにした。




