学校
メガネおやじ兄(名前何だっけ)曰く、彼女はただの学生ではないらしい。
「本来、企業の中途入社であれば、SPIなどで能力を試し、その後面談で適性があるか試しますが、焼き鳥屋の採用となると中々難しい。 一概に学力が高くても務まるとは限りませんから」
メガネ兄はメガネをくいくいしながら、話を続ける。
(くいくい鬱陶しいな)
「そこで、クイクイ、学力以外の能力を測定する為、クイクイ、中途入社適性診断委員に所属している林道清花氏に今回、クイクイ、依頼した次第です」
ちなみに、クイクイ、はメガネを中指で押し上げる動作である。
そんなズレ落ちるなら買い換えろ。
俺はその動作が気になりつつも、とりあえず話に納得し、翌日から行動に移すことにした。
俺は今、貰った学ランではなく、清掃員の制服を着て、おばちゃんと共に床を竹ぼうきで掃いていた。
何故、こんなことをしているか。
経緯を早口で説明すると、まず学生になりきるのは無理があった為、清掃員として学内に潜伏することにした。
会社には風邪を引いて、コロナの疑いも無いとも限らないから1週間休みをくれと言った。
ちなみに元課長の方は、臨時講師として潜伏している。
俺はおばちゃん事、三宅ヨシ江さん(68)に質問を投げかけた。
「なぁ、ヨッシー、弓道部っていつもどこで練習してんだ?」
「あんたねぇ、いい年こいて学生なんかに手ェ出しちゃダメでしょが~」
ケラケラ笑いながら、俺の話に返事をする。
「手ェ出す訳じゃねーよ。 ちょっと見るだけだろ」
「何で用もねェのに見に行くんだよ~。 変な事、考えてんだろが~」
(……まあ、別におばちゃんから聞かなくても分かるからいいけどな)




