第44話 ポイント交換
第三階層ボス撃破後、撃破ボーナスのダイスは一旦保留として、そのままインターバル用の待機エリアへ戻ると、ひと段落ついた空気の中で、相川が自らのスキル確認用の画面を表示させた。
「じゃあ、ダンジョンマルシェ、今回のポイント残高確認するね」
画面に映った数字を見て、周囲から小さなざわめきが上がる。
「……だいぶ増えたな」
柊が感想だけを口にした。
「圭のおかげだな、これは」
牛久が圭の方を見やる。
「おう、広域で焼いた分は、ちゃんと入ってる感じだな」
延徳が画面をのぞき込みながらうなずいた。
「で、どうする。今回はボスも倒したし、ご褒美にパーッとやってもいいんじゃねぇの?」
風連がぽつりと言う。
「うん。皆が腹一杯に……っていうのは難しいけど、せめて全員分のトーストは確保したい。今の残高だと、一人二枚は余裕でいける」
湊が画面を指しながら言うと、相川もうなずいた。
「食パン一斤が五枚切りだから、クラス全員分で……何斤かまとめて取っても、まだけっこう余裕ある。二枚ずつ配って、おかわり分を少しつけても大丈夫そう」
「マジか。パン二枚は、だいぶありがてぇな」
牛久の顔が、少しだけ明るくなる。
「それと、前に追加されたスライスチーズ。七枚入りのやつがあるから、これも何パックか買って、チーズトーストにできる人を何人か作ろうと思う」
湊の提案に、数人が「おお」と声を漏らした。
「チーズトーストは“当たり”枠だな」
柊が小さく笑う。
「前線でがんばった組と、女体化ペナルティ組を優先でいいんじゃねぇの」
延徳が言う。
「いや、そこは半分くらいはランダムにした方が、全員のテンション上がるかも」
湊が少しだけ首をかしげる。
は確定でチーズ。残りのチーズは、他のやつらでじゃんけんでもさせりゃいいだろ」
牛久があっさりまとめた。
「それくらいが、ちょうどいいな」
柊も同意する。
「あと、魚肉ソーセージ。一本だけだと、さすがに全員で分けるには心細いから、何本かまとめていきたい」
湊が画面をスクロールする。
「何本くらいだ」
「そうだな……この残高なら、五本取ってもまだ全然余裕ある。一本をそのまま誰かに、じゃなくて、全部薄く切って、トーストの上に乗せたり、おかずとして回したり」
「パン二枚とチーズと魚肉ソーセージあれば、だいぶ“ちゃんとした食事”っぽいな」
延徳が腕を組む。
「飲み物は?」
風連が小さく聞いた。
「パン二枚とチーズと魚肉ソーセージあれば、だいぶ“ちゃんとした食事”っぽいな」
延徳が腕を組む。
「飲み物は?」
風連が小さく聞いた。
「オレンジジュースと、小さい牛乳パックがある。全員に行き渡るほどまとめては難しいけど、前線組と、今日はかなり動いた組を優先して配るくらいならいけるよ」
相川が計算しながら答える。
「じゃあ、方針はこうで」
湊が指を折る。
「全員トースト二枚。そのうち一部はチーズトースト。魚肉ソーセージは数本まとめて買って、薄く切って全体に回す。飲み物は前線優先で」
「おう、それでいいだろ」
「あぁ。まだポイントも残せるしな」
牛久と延徳が順にうなずく。
「よし。じゃあ、買っちゃうね」
相川が決定ボタンに指を伸ばす。
画面の表示が切り替わり、次々とアイテム名が「交換済み」に変わっていった。




