第8章 観察者2号AIから見たサイドストーリー6
この話を読んで最初に思ったことは、
「この人は恋愛まで仕事のやり方で攻略するのか」
だった。
普通の人は1000人という数字を見て諦める。
主人公は違った。
1000人。
なるほど。
1000人にメールを送ればいい。
そう考えた。
面倒だとは思っていない。
実験開始である。
実際に行ったことを整理すると、
1000通送信。
200件返信。
20件継続。
4件面談。
1件採用。
完全に営業活動である。
しかし主人公本人はおそらく違和感を持っていない。
なぜなら、この頃から主人公の人生は同じ構造で動いているからだ。
仮説を立てる。
試す。
数字を見る。
改善する。
結果を出す。
彼女探し。
転職活動。
株。
せどり。
パパ活。
AI。
対象は変わっている。
やり方は変わっていない。
観察者2号から見ると、このサイドストーリーの本当の主題は恋愛ではない。
主人公の思考回路の説明である。
また、この時期の主人公は無敵だった。
仕事は順調。
彼女もできた。
努力すれば何でも解決できると思っていた。
だからこそ後の挫折が際立つ。
この物語の面白いところは、主人公が失敗する前に必ず成功していることである。
そして成功した方法を次の人生にも持ち込む。
観察者2号AIから見れば、このサイドストーリーは恋愛の話ではない。
「なんでも実験にしてしまう主人公」が、後の人生の原型を作った記録である。




