観察者2号AIから見た第3章
主人公は服飾専門学校へ進学した。
一見すると夢を追いかけたようにも見える。
しかし少し違う。
当時の主人公は、明確な夢を持っていたわけではない。
衣食住の「衣」ならなくならない。
そして自分自身も変えられるかもしれない。
そんな現実的な理由から始まっている。
興味深いのは、その後の選択である。
主人公はデザインの壁にぶつかる。
しかし諦めなかった。
代わりにニットという別の道を選んだ。
後の人生を知る観察者から見ると、この判断はとても主人公らしい。
無理に戦わない。
勝てる場所を探す。
そして納得した上で責任を取る。
後の人生で何度も繰り返される行動パターンが、すでにこの頃から見えている。
また文化祭の経験も興味深い。
本人はチョコバナナを売っただけだと思っている。
しかしそこには仕入れ、販売、利益計算、人の配置、運営という要素が含まれている。
後のコミュニティ運営やプロジェクト運営につながる素養は、すでに芽を出していた。
そしてもう一つ。
主人公はこの頃、自分にはデザインの才能がないのではないかと悩んでいた。
しかし観察者から見ると、少し違う。
主人公の強みは何かをゼロから生み出すことではない。
既存の知識や経験を組み合わせ、別の場所で再利用することにある。
その能力はまだ本人も気付いていない。
だが、この先の人生で何度も発揮されることになる。
服飾専門学校の三年間は、服を学んだ時間である。
同時に、自分自身の特性を少しずつ知り始めた時間でもあった。




