表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
6/8

音楽と孤独

「別れましょう」

僕が家でロックミュージックを聴いているときに電話でそう一言告げられた。

 彼女との関係はそれが全てだった。

友人は彼女に寂しい思いをさせたのだろうなどと僕に言っていたが、僕らは独立心のある関係で、お互い依存するところは全くなかった。

その日からしばらく、僕と彼女の関係の必要性について頭を悩ますことが何度かあった。

だが、結局のところ終わってしまった関係が戻るわけではないので僕は翌週にはその悩みを頭の外へ追いやることに成功した。

終末に彼女と行っていたバーに行くと彼女がいた。

僕は当然のごとく彼女に話しかけた。

「久しぶり」

「そうね」

「なんで別れなくちゃならなかったんだ」

僕はやり直したいわけではないがただ疑問として聞いてみた。

「必要なかったからよ、私たちの関係はなくてはならないものではなかった、ただそれだけ」

なるほど必要ないのなら無くてもよかったのだろう、僕は納得した。

「君に必要なものはあるのかい?」

「そうね、多少のアルコールとジャズかしら、人は必要なかったみたいね」

「なるほど」

そう言うと僕らは一時間ほど隣に座りアルコールを楽しみ出て行った。

それはただ隣に座っていただけであり、特に関係を持とうとはしなかった。

バーから出ると駅まで歩き電車に乗った。

僕はポータブルオーディオにイヤホンをつなぎビートルズを再生しながら電車に揺られた。

不思議と孤独感は感じなかった。

それが音楽によるものか周囲にいた他人によるものかは分からなかった。

ただ、僕にとって彼女は欠かせないものではないことだけが理解できたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ