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日記

 その日、彼女は満たされていた。

仕事がうまくいき、定時に退社することができた。

そこで何か食べていこうと近くのファミリーレストランに入った。

ビールとフライドポテトを頼みのんびりしていると窓の外で誰かが読んでいる気がした。

そこにはもう亡くなったはずの彼女の親がいた、飲み過ぎたかと思いドリンクバーで水を飲んだ。

もう一度窓をのぞくとそこにはもう何も映ってはいなかった。

酔いも覚めたと思い店を後にすると、今度は別れた彼氏が道の向かいから手を振っていた。

逃げるように自宅のアパートに帰り布団をかぶって寝ていると、猫の鳴き声がした。

ただの猫のはずなのだが、昔飼っていた猫のものにそっくりな鳴き声だった。

翌日目が覚めると彼女は実家に帰ることを心に決め退職届を書き職場へ向かった。

 上司に差し出すと当たり前のように引き留めもなく受け取って明日から来なくていい

と一言言われただけだった

実家に帰るときに存命の家族に連絡を入れると、昨日彼女が夢に出てきたと言っていた。

自宅の荷物をまとめていると、日記が出てきた。

 日記の名前欄には彼女の親の名前が書いてあり育児日記だと分かった。

その日記は昨日から始まっており、一年分の日記帳だった。

日記を読んでみると、彼女が退職して実家に帰ってきたことをうれしそうに書いてあった。

 母はもうすでに死んでいるのに何故今のことが書いてあるのかまったく分からなかった。

 その日記はちょうど一年後で終わっており、そこには「娘に会えた」の一言だけが書いてあった。

嫌な予感がして帰省を取りやめ別の会社に就職した。

そうして一年が経つが未だにその日記帳は見つかっていない。

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