15. さよならバースデー2
僕の幼馴染みは天才だ。
それは疑いようのない真実だ。才能がある。それは誰かの役に立つ素晴らしいものだ。
だけど、それは戦うものではない。付与魔術、異次元魔法、鍛冶、錬金術。彼等の才能を最大限発揮する場所は、死の可能性がある戦線ではない。
支援すること、物を作ること。縁の下の力持ちという言葉があるように、彼等は戦う者を支える力がある。彼等の居場所は、街の中にある。人々の生活を支え、向上させる能力がある。
それでも冒険者として活動しているのは、僕という存在と彼等の実力があるからだ。
僕には食べる才能がある。
それが誰かの役に立てるのかと聞かれたら、首を傾げてしまうけど、確かにこれも立派な才能だ。
エメルと出会って、自分の才能の使い方を知った。
脂肪を蓄えて、燃焼させることでエネルギーを産み出す。これで、僕も同じステージに立てると思った。再開したときに驚く幼馴染みの顔を想像してた僕を襲ったのは、更に強くなった幼馴染みだった。
僕は弱い。それは紛れのない真実だ。
そんな僕に助けを求める友がいる。招待状に浮かぶ文字が僕を奮い立たせる。
『エメルを助けて』
ヒーローという言葉が好きだ。
こどもの時の夢はヒーローになることだった。皆に笑っていて欲しい、それが根本だった。苦しいとき悲しいとき助けに来てくれるヒーロー。そんな存在に憧れた。
何の根拠もなく誰にもできないことをできたらヒーローになれると信じていた。誰にもできないこと、それが太陽を掴むことだった。
今の僕にはまやかしの太陽しか掴めない。本物の太陽は天高く、彼方で輝いている。
――だから僕は仲間に頼る




