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六話、初めての剣

〔グラガスの町〕


グラガスの町をアーリアはルミナと一緒に意気揚々と歩いている。


これから始めての武器である剣を購入するのだ。


「やぁいらっしゃい」


店に入ると店主が迎え入れてくれた。


「初めての剣を買いに来たのかい?」


「うん、予算は一万ゴールドなの」


アーリアはしっかりと予算を伝える。


「ふむ、一万か、ならこっちだよ」


店主がアーリアとルミナを案内し一万ゴールド付近の剣が並ぶ棚に案内してくれた。


「ゆっくりと時間をかけ選ぶと良い、武器は自分の命を守ってくれるものだ」


「うん」


アーリアは武器を選び始める。


しかし姫君をしていたアーリアに剣の良し悪しなど分かるはずもなく困りルミナを見るが。


ルミナも武器に関しては買い与えられた物を使っており目利きなどした事がないためどれが良いのかなど全く分からない。


『仕方ない、今回は我が見てやろう』


「うん、ご先祖様、お願い」


アーリアは肉体の主導権をゼーリアに譲る。


「ふむ、久し振りの肉体、とても良いものだな」


「話に聞いていましたけど、本当にゼーリア様が宿っているんですね」


ルミナは前日にアーリアから頭の中にゼーリアがいると聞いていてため驚く事はないが。


実際に目にしたのは初めてであるためゼーリアが宿っている事について言及した。


「それでは見るとするか」


ゼーリアは一つ一つ剣を手に取り確かめて行く。


今のアーリアの筋力に丁度良い重さと質の良さを見ているのだ。


「これが良いな」


暫くしてアーリアに適切な一本をゼーリアは選んだ。


ここでアーリアに肉体を返す。


『アーリアよ、剣を振るって見せよ』


「うん」


アーリアは剣を振るってみた。


すると完璧に自分に合った重さなのが分かる。


何故ならとても振りやすいからだ。


「ありがと!ご先祖様!」


『ククク、良い良い、それでは購入せよ』


「うん!」


アーリアは初めての剣を抱きしめながらカウンターに行き剣を購入した。




武器を購入したアーリアは腰に取り付けた。


魔王の一族の者なだけはあり剣を装備した姿は様になっている。


「それじゃ早速依頼に…」


依頼に行こうとルミナに言おうとしたアーリアであるが前から悲鳴が聞こえて来た。


「泥棒よ!」


どうやら女性が鞄を盗まれたようだ。


「事件発生だ!ルミナ!あいつ捕まえるよ!」


「おー!」


二人の少女は駆け出し男を追い始める。


「くそっ!やけにはええ!」


男は幼い見た目からは想像出来ないくらいに足が速い二人に舌を撒きつつ必死に逃げる。


「喰らいなさい!サンダーショット!」


ルミナは得意の雷属性の魔法を放った。


「チッ!」


男はルミナの魔法を避けた。


「…」


アーリアは走りながら状況を判断し男が角を曲がった瞬間に男の進路を塞ぐように魔力で作った糸を配置する。


「!?」


男は糸に絡め取られて転けた。


「くそぉ!」


男は怒りつつ武器を引き抜く。


アーリアとルミナも剣を引き抜くがルミナはアーリアの前に立った。


「剣を初めて握ったあなたでは大人に勝つ事は出来ないわよ、援護をお願い」


「…」


つまりは今のアーリアでは近接戦闘では役に立たないと言われたのだ。


「オラァ!」


男は剣を振るう。


ルミナは確実に避け剣を振るうが避けられた。


「ガキが!舐めんなよ!」


男は連続して剣を振るいルミナを押して行く。


男のレベルは45ルミナはかなりの剣の腕を持つが流石に厳しい相手だ。


「死ね!!」


男はルミナを殺すつもりで突きを放ったがアーリアが割って入り天性のセンスを活かして剣を振り上げると男の剣をへし折った。


「流石だわ!」


ルミナは初めて剣を握ったと言うのに折って見せたアーリアを流石だと思いつつ回し蹴りを顔に直撃させて意識を奪う。


「君たち!無事か!」


ルミナが気絶させてから数秒後に兵達がやって来た。


兵達は男が倒れているのを見て驚く。


「君達が?」


「うん!私達が倒したよ!」


「ほほう…それは大変見込みがあるな、スカウトしたいくらいだよ」


「あはは、私達は冒険者だから兵隊にはならないかなぁ」


「残念だ、さてこの男を捕らえた報酬を渡すから駐屯地に来てくれ、それではまた明日」


兵は男を引き上げると去って行った。


「やったね、ルミナ」


「ええ」


二人は見事泥棒を捕まえて見せた事に対し自信を持ち嬉しそうに頷き合った。


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