十一話、真実の世界
〔サキュメアーレ王城〕
談話室に行くと皆がいた。
「よく来たな、妹よ」
部屋の中にはサーリアもいたネーリアもいる。
「アーリア!!」
するとナタリアが走って来てアーリアを抱きしめる。
「お母様」
「本当に…本当に治って良かった…」
「うん、でも…ご先祖様から聞いた話が本当なら私は本当の私って言えるのかな…」
アーリアは自分はあくまでも二人目の自分なのでは?と思っている。
「確かに…そうだな、お前は仮想世界で産まれこの世界にやって来た存在だ」
アレンがそう言うとアーリアは俯いた。
「しかしお前が俺たちの娘である事は変わりない、何故ならお前は俺達と全く同じデータで作られた俺とナタリアから産まれた存在なのだからな」
アーリアが仮想世界で産まれた存在でありそして一人目のアーリアがダークローズにより殺されていたとしてもアレンとナタリアにとって今現実世界にやって来たアーリアは大切な娘であるのは変わりないのだ。
「うん…分かった」
アーリアは胸に手を当てながら微笑む。
「さて、今の我々の状況はお前が見て来た状況と特に変わりはない、アッシュを倒しこれからダークローズに立ち向かうと言う所で一人目のお主が殺された、幸い体は治せたからお主を仮想世界で誕生させ身体に入れる事が成功したが…」
「絶対に許せん…」
サーリアは一人目のアーリアを殺したダークローズを許さないと言った皆もその言葉に頷く。
「私も絶対に許したりなんてしないよ、こっちの世界でも仮想世界とダークローズが同じ事をしているのだとしたら」
「あぁ全く同じだ、母様もそのせいで我々の敵になっていたしな…」
「そうね、一人ずつぶん殴ってやらないと気が済まないわ」
ナタリアはそう言うとボキゴキと指を鳴らす。
アーリアはナタリアから放たれる強力な魔力にヒェッ…となりルミナの背後に隠れた。
「ならお母様が一人ずつぶん殴るためにもダークローズをぶっ潰しちゃおう!」
「そうね!」
アーリアとナタリアはやるぞ!と腕を振り上げた。
暫くして皆と別れたアーリアはベランダに出て王都を眺めている。
そこにルミナがやって来た。
「本当に全然違うね、この時代が私が本当に産まれた時代なんだね」
街中には機械が溢れ車が走り様々な都市に行くための電車も走っている。
同時に魔法も存在して機械文明と魔法文明が両立した世界。
それが今のアルドラースだ。
そんな豊かな世界だからこそダークローズは自分達が支配したいと考え邪魔となる魔王の排除をアッシュにさせようとしたのだ。
「ええ、これが私達の時代よ、アーリア」
ルミナはアーリアの手を握り言う。
「そうだね」
アーリアはルミナの言葉に頷く。
「ねぇ?私を産まれ直させる計画は誰が考えたの?」
「…私、どうしてもあなたが死んでしまった事に納得出来なかったから…」
ルミナは瀕死のアーリアが運ばれて来て脳が壊れており死んだと知らされた後必死になって蘇らせる方法を考えた。
その結果最近作られた仮想世界技術でアーリアを産まれ直させ現実世界に戻すと言う方法を考えたのだ。
その方法を魔導科学者であるゼーリアに話しゼーリアは実現させてアーリアの身体をカプセルに入れたのである。
「そっか、本当にありがとう、ルミちゃん」
アーリアは嬉しそうにルミナを抱きしめる。
「えへへ、うん!」
ルミナも嬉しそうにアーリアを抱きしめた。
「でもね?ルミちゃん…私どうしても自分が本物だとは思えないの…作られた存在、そう思っちゃう…」
「そうね…そう思ってしまうのは仕方ない事だわ、だからこそ私達があなたが本物だと思えるようにする、約束するわリア」
「うん、私も頑張ってみるね」
アーリアはルミナの言葉を嬉しく思い胸に手を当てながら微笑む。




