一話、魔王の剣
〔サキュメアーレ王城〕
アーリアは城に戻るとルーレリアの元に向かう。
「叔母様、オードリー様との交渉が成功しました、これでアルゲイドを復活させる事が出来るよ」
「遂にこの時が来たのね…」
アーリアの言葉を聞きルーレリアは喜ぶ魔族達が待ち望んでいた時。
魔王軍の復活の時だ。
「うん、お兄様を倒す日がもうすぐ来る」
アーリアは三年前の借りを必ず返してやると思う。
「アーリア、兄上と戦う際の事だがお前に伝えておく事がある、グランデウスに侵攻する時の指揮だが私が取る、お前は指揮など取った事がないからな、そんなお前に指揮を取らせたら負ける、だからお前は前線での戦闘に専念してくれ、良いな?」
もちろん将来的にはアーリアに指揮を取らせるつもりだが今回はグランデウスが悪事を重ねる前に早く止めたい。
そのためアーリアに指揮を学ばせている暇などないだからこそサーリアが指揮を取るのである。
「勝つためだもんね、文句はないよ」
アーリアは指揮を取らせて貰えない悔しさを感じつつもサーリアの言葉に納得した。
「それではアーリア?明日アルゲイドの復活宣言を行うわ、この前伝えた日程は覚えているわね?」
オードリーとの交渉が上手く行った場合どのように行動するかルーレリアは予めアーリアに伝えていた。
そうしていたのもグランデウスを出来るだけ早く止めるためである。
「うん、緊張するなぁ…」
アーリアは明日自分が行う事を想像して緊張した様子を見せた。
「大丈夫、あなたなら出来るわ、魔王の力を引き継いでいるあなたならね」
「うん、頑張ってみる」
アーリアは叔母の言葉に頷くとゼーリアがグランデウスと戦う前にやる事があると脳内で伝えて来ているため部屋を出た。
「ご先祖様?何をするの?」
アーリアは元魔王城でもあるサキュメアーレの王城内を歩きつつゼーリアに話しかけた。
『お主の剣が折れたであろう?ルーレリアの祖先、我の娘のうちの一人が恐らくであるがこの城の地下に我の剣を隠している筈だ』
ゼーリアにはグランデウスに残した娘とこのサキュメアを作った娘二人の娘がいた。
その二人にどちらでも良いから自分が討たれて剣を回収出来たのならばこの城の地下に隠すように言っていたのだ。
「筈だって事はない可能性もあるって事?」
『そうだ、我が娘達が回収出来ていなかったら城の地下には何もない』
「わぁ…それはちょっとドキドキだね」
アーリアとしても新しい剣は必要であると考えている。
そのため城の地下に剣があって欲しいと思う。
「ここ?」
城の最下層まで降りて来ると立派な扉があった。
『うむ、剣を封印した後我の力を引き継いだ者にしか開ける事が出来ぬように細工をしてある扉だ、ククク….我が作ったのだぞ!』
現実世界なのでゼーリアの顔は見えないがアーリアは間違いなくドヤ顔をしているのだろうなと思う。
「凄いねご先祖様、それで?触れれば良いの?」
『うむ』
「分かった」
アーリアは言われた通り扉に触れた。
すると扉が左右に開いて行き中の魔導ランプが点灯して行く。
魔道ランプが点灯し終わると中央に漆黒の剣が二振り刺さっているのが見えた。
「二本あるんだ?」
『うむ、我は本来二刀流だからな、ちなみにお主もすぐに二刀流に切り替えられるように仕込んであるぞ?』
「思い当たるところはあるね」
修行の中で左腕でも剣を振れるようにするトレーニングがあったのだがアーリアは魔王の剣を扱うためかと思う。
『それでは抜け』
「了解!」
アーリアは剣に近付くと片方は黒と金色の剣もう片方は黒と銀色の剣を引き抜いた。
黒と金色の名はゲイド黒と銀色の名はデウスだ。
ゼーリアは魔王の剣に自分の国の名の一部を付けていたのである。
「わっ!?」
剣を引き抜くと腰の剣帯が変異し左右に二本刺す事が出来るようになりそしてゲイドとデウスを収める事が出来る鞘が現れた。
『その剣ならばオーバードライブを発動させても耐える事が出来る、上手く使えよ?アーリアよ』
「うん!」
『それでは練習していたとは言え実践なしでは上手く戦えん、ギルドに行って何か依頼を受けると良かろう』
「だね、みんなを誘って行って来るよ」
『うむ』
アーリアは二刀流に慣れるため皆を誘ってからギルドに向かう。




