八話、誕生魔帝国グランデウス
〔サキュメアーレ王城〕
アーリアが王城にてサキュバス的な用語が混ざるサーリアやネーリアが聞くと少し頭が痛くなるがよくよく聞くと内容はしっかりしている授業を受けていると外が騒がしくなった。
「どうした?」
二人の姉でアーリアの授業参観をしていると外が騒がしくなる。
三姉妹は何事か?と思いベランダに出た。
『我が名はアッシュ』
外に出るとアッシュの姿を映し出したビジョンが浮かんでいた。
「馬鹿兄め…何をする気だ?」
サーリアが二人の妹と共に様子を伺っているとアッシュは話し始めた。
『我は宣言する、グランデウスを魔帝国グランデウスとすると、そして我こそがこの世界の支配者となると!』
アッシュは宣言したグランデウスを魔帝国グランデウスとしこの世界の支配者に自分がなると。
「宣戦布告じゃないですか…」
「流石に敵うとは思えないよ…」
アーリアはいくらグランデウスが強くても世界相手に勝てないだろうと思う。
『諸君が思うようにこれまでの我が国の軍では勝てぬだろう、しかし我には魔人兵がいる、この魔人兵の力がある今、貴様らなど取るに足らぬ、我に逆らう者は皆殺しにしてくれよう』
完全なる世界に対する宣戦布告。
アーリアはこんな事をして世界が放っておくわけがないと思う。
『それではさらばだ』
アッシュのビジョンが消えた。
それと同時に依頼に出ていたルミナとメルティとルーレリアが入って来た。
「聞いたわね?アーリア、早速だけどメルサ王国に魔帝国魔人兵達が襲いかかったようだわ…」
早速グランデウスは戦争を始めたようである。
手始めとして小国を滅ぼす事で己の力を見せ付けようとしているようだ。
「メルサ王国は強いのかしら?」
「いえ…建国から浅い国だから軍備もまだまだね…一日持つかどうか…」
軍備もまだまだな国が強力な兵力である魔人兵を使うグランデウスに勝てるとは思えない。
つまり自分達に逆らうとどうなるか?と言う見せしめが成功してしまうと言う事だ。
数時間が経ちメルサ王国が陥落したとの情報が入る。
「もう…」
アーリアは沢山の人々が殺されたのだろうと思い。
それを指揮した兄への怒りを高める。
「最初は殴れれば良いと思ってた、でも今はもう違う、一国を滅ぼした時点で奴は私が討つ!」
アーリアはアッシュは自分が討つと宣言した。
「そうするしかもうないものね…」
ルーレリアはアーリアの選択に納得して頷いた。
「しかし兄上を討つとなると取り戻した後のグランデウスの王を誰がやるのかだな?」
サーリアはここでアーリアを見る。
「私はダメだよ?お姉様、だって私はここでアルゲイドの魔王になるんだしね」
アーリアは準備が出来たらサキュメアの名前を改定しアルゲイドとして復活させる予定なのだ。
「まだ準備が出来てないから先の話だけどね」
ルーレリアの言葉にアーリアは頷いた。
「なら誰が王に…?」
「お姉様が良いと思うけどなぁ」
アーリアはサーリアを見ながら彼女が良いと思うと言う。
「私か?…もう少し考えてみるよ」
今の話は魔帝国となったグランデウスを倒してからの話まだまだ先の話である。
「うん」
アーリアはサーリアと頷き合いルーレリアを見る。
「明日はエルフの国との交渉よ、私達の同志になってくれるようにしっかりと話し合いましょう」
「だね、上手くやらなきゃ」
アーリアはうまくやってエルフ達も自分の軍門に入ってくれるように頑張ろうと思う。
「それじゃ今日は解散!」
ルーレリアは解散と言うと去って行った。
「私達は依頼を受けに行こうよ!この前は不完全燃焼だったし!」
「良いわね、行きましょう」
「楽しみです!」
アーリア達は修行も兼ねて依頼を受けにギルドに向かった行った。
〔サキュメアーレ王城〕
魔帝国が生まれてから三日後アッシュが率いるグランデウスはファルス王国に侵攻している。
サキュメアーレからも兵を送り様子を観察させているが大量の魔人を有しこの世界でも最強クラスの国家となったグランデウスは強く長くは持たないと伝えて来ている。
「来たわ、アーリア、こちらへ」
そんな中エルフの使者がサキュメアーレに到着した。
「うん」
アーリアは魔王として使者の元に向かう。
「ほほう、ゼーリア様の生き写しだな」
部屋に入ると二人のエルフがいた。
一人は今話しかけたエルフもう一人はそのエルフに似ている少女だ。
「初めまして、アーリア・フォン・グランデウスです」
アーリアは丁寧にエルフ達に名乗った。
「うむ、私はエピタル、現在のエルフの長だ、ほれフィリーお前も名乗れ」
エピタルの隣に立つエルフフィリーは一歩出ると名乗る。
「フィリーだよろしく」
名乗ったフィリーはカーテシーをした。
「さて、私は長々と話をするのは嫌いでな、単刀直入にどうするか言いに来た」
「…」
この言い方だと場合によっては断断られる。
そのためアーリアは緊張した。
「我等エルフの里も参戦を約束しよう、共に魔帝国となったグランデウスを打ち破るぞ!」
「ええ!」
アーリアはエルフが自分の軍門に入ってくれると聞き嬉しそうにした。
サキュメアとしては交渉してエルフの里を引き込むつもりであったのでエピタルが単刀直入に軍門に入ると言って来た結果かなり時間が余ってしまった。
そのためアーリア達サキュメア側はお茶会を開きエピタルと別の話をする事にした。
「さて姫様よ、次はダークエルフと交渉するのであったな?」
「うん、でもダークエルフはあちこち転々としてる種族だから、うちでもダークエルフの里の場所が分からなくて…」
ダークエルフの里の場所が分からないと使者を送って交渉がしたいと話す事も出来ない。
そのためグランデウスとやり合うためのダメ押しの戦力としてダークエルフの手も借りたいアーリア達からすると非常に困った事態である。
「我等にも分からん…ただ定期的にダークエルフの里から我が里にはダークエルフの国から来ている行商人がいてな、その者に手紙を渡す事は可能だぞ」
「そう、それじゃそれでお願い」
ルーレリアは既に作成している手紙をエピタルに渡した。
「うむ、確かに受け取った、次行商人が来たら私から渡そう」
エピタルは受け取り渡すと約束した。
「しかし奴等は何故ここには攻撃をして来ぬのだろうな?」
グランデウスとサキュメアは近く早速攻めて来るのでは?と思っていたが全くその様子はなく別の国と戦争をしている。
グランデウスと言うよりアッシュに命令を出しているダークローズには何か思惑があるのだろう。
「分からない、でも何か思惑があるんだとは思う」
その思惑が分からないからこそ不気味なのだ。
「とにかくだ、早くダークエルフを引き込んで軍として完成しなくてはな」
エピタルの言葉にアーリア達は頷いた。
「さて姫様、我が娘フィリーをあなたの側に置いておきたい、構わないか?」
「もちろん!」
アーリアとしては戦力が増えるのはありがたいそのため喜んでフィリーを受け入れる。
「よし、それではフィリー、これよりお前は姫様の元に付け、分かったな?」
「承知した、姫様、これよりよろしく頼む」
母にそっくりな喋り方をするフィリーは一礼し手を差し出して来る。
アーリアはその手を取り握手をした。
「うん、よろしく、後私の事は姫様じゃなくて名前で呼んでくれて構わないよ」
アーリアはフィリーに名前で呼んでも良いと伝える。
仲間と言う立場になる以上堅苦しいのは嫌なのだ。
「分かった、ならアーリアと呼ばせて貰おう」
フィリーは柔らかく微笑みアーリアと呼ぶと言った。
アーリアはその言葉に頷いて微笑み返した。
「フィリーをよろしく頼む、姫様」
「うん、任されました」
アーリアは仲間とした以上確実にフィリーを守ると誓う。
今後の戦いでフィリーが亡くなるようなことがあってはならない。
「おやおや?勝てもしない癖に作戦会議かい?」
そこに男の声がした。
アーリア達が声がした方向を見ると一人の男が現れている。
「ククク、私はダークローズの幹部の一人エイガだ」
エイガと名乗る男。
アーリア達は警戒して武器に手を掛けた。
「何をしに来たの?」
「総帥から何やらコソコソと動いているあなた方の様子を見て来いと言われましてね?様子を見に来たのですよ」
エイガはこちらを小馬鹿にした態度を見せつつ話す。
「既に動き始めた我々に対してまだまだ準備中のあなた方、その時点で差があるのですよ、その時点で勝ち目はないと言っておきます」
「そんなのやってみないと分かりません」
メルティは強い瞳で言った。
「ククク、好きにすると良いでしょう、どうせ死ぬのは変わらないのですからね」
エイガは再び小馬鹿にした様子で笑ったから去って行った。
「絶対負けられないね」
「そうだな」
あんな態度を見せる奴らに負けるわけにはいかない。
アーリア達は絶対に負けないと改めて誓い合い頷き合うのであった。




