八話
〔ハミルカの町〕
ハミルカの町にてアーリアがエランに迫り剣を振るう。
エランは攻撃を避けるが堕ちていてもアーリアの動きは変わらないため合わせるのが上手いルミナは雷の追撃を放って命中させた。
「チッ!」
エランは舌打ちをしつつ炎を放ったがアーリアは闇の炎の壁を作って防ぐ。
「…」
アーリアは自分に合わせるのが上手いルミナを見て妙な安心感を覚える。
しかし今のアーリアにとってそれはとても不快な事だ。
「せぇやぁ!」
エランに迫ったルミナが大剣を振り上げたが避けられたしかしそのルミナの背後に身を隠すかのように動いていたアーリアがエランの心臓を狙って剣を突き刺した。
「かはっ!」
「…!?」
しかしエランは心臓を貫いたのに死なない。
魔人は流石に心臓を失えば死ぬためアーリアでもこれには驚く。
「ふふっ私達改造人間にとって心臓はただの動力炉、失ってもすぐに修正されるのよ!」
エランはそう言うとアーリアの心臓を狙って腕を突き出す。
「!」
流石に近過ぎて避けれないアーリアはやられる!と思ったがルミナの雷撃が命中して吹き飛ばされる。
ルミナがアーリアが殺されるくらいならと攻撃を命中させてアーリアの死を回避させたのだ。
「フン、私なら避けれたのに」
アーリアは舌打ちをしつつ立ち上がるとエランに向けて砲撃を放つ。
「きゃあぁ!」
その強力な一撃はエランを巻き込み彼女は激しく身を打ち付けながら転がって行き地面に倒れる。
「ふふっ、私の勝ちだね?」
アーリアはニヤリと笑うとエランの顔を踏み付けた。
「リア…遊ばないで、危険な敵なんだから早くトドメを刺して」
改造人間の所業にはルミナも怒っている。
そのため殺す事を止めたりはしないため早くトドメを刺せと言うがアーリアが少し遊ぼうとした隙を狙ってエランは爆発魔法を放ってアーリアを振り払おうとする。
「これで逃げ…」
エランはアーリアを追い払えたと思い逃げようとするがアーリアは爆発魔法を受けても振り払えておらずその場に留まっていた魔人はエランの身体に拳を突き刺すとその身を喰らい尽くすかのような炎を放って彼女を燃やして消滅させる。
「ふふっ、簡単なものだね」
アーリアはエランを殺せた事に対してニヤリと笑みを見せる。
「強いね、改造人間、あなたでも殺されかけてたし」
「ふふっ、強い方が楽しいし良いと思うけど?」
アーリアは魔人特有の殺人衝動を満たせたため上機嫌な様子だ。
そのため満面の笑みをルミナに見せるその表情は非常に邪悪なものである。
「…帰ろう」
しかしその表情はルミナにとっては非常に悲しいものだ。
アーリアの内面はアナスタシアの手によって完全に変えられてしまっているのが分かるからだ。
「うん」
アーリアはルミナと共にサキュメアーレに帰還する。
〔サキュメアーレ王城〕
城に戻ったルミナは戻って来ても報告などしようとしないアーリアに変わって改造人間について報告した。
「今のリアとまともに戦えるくらいの強さか、厄介だな」
フィリーはその強さはとても厄介だなと思う。
「フン、私なら殺せる程度の強さでしかないよ、あなた達なら勝てないだろうけどね?」
暗にルミナ達を弱いと言っているのだ。
「…私達でも協力すれば勝てます」
「そーお?なら次は私は手を貸さないようにしようか?私がいたから勝てたくせにさぁ?」
アーリアは明らかに嘲った表情を見せる。
自分がいなければ改造人間に勝てないだろ?と言っているのだ。
「くっ…」
アーリアとまともに戦える敵な時点で今のアーリアの言葉は事実である。
そのためメルティは悔しそうな顔を見せた。
「メルちゃん気持ちは分かるけどリアの力が必要なのは事実よ、リア、ごめん、ルナアークとの戦いが終わるまではお願いだから力を貸して?」
ルミナは誠心誠意勝つためにも力を貸してくれとアーリアに頭を下げた。
「力を貸して欲しいなら土下座して?今のメルティの態度、本当に不快だったなぁ?」
アーリアはニヤニヤとした表情を見せつつ力を貸して欲しいなら土下座しろと言った。
「…」
ルミナは勝つためにもプライドなど捨て土下座をして見せた。
「あはっ!マジでしやがったよ!コイツ!ばっかじゃないの?あはははは!!!!!!」
アーリアはルミナが土下座をしたのを見て腹を抱えて笑う。
「…」
頭を下げてまで誠意を見せたルミナを笑うアーリアを見て洗脳されているとは言えその態度に怒るメルティとフィリー。
しかしルミナの誠意を無駄にしないためにも怒るのを堪えた。
「はぁーあ…ふぅ…笑わせて貰ったし良いよ、このまま力を貸してやるよ、感謝しなよ?」
アーリアはニヤニヤした表情を崩さず帰って行った。
「アレが本当にリアだとは思えん…」
「それほどに強い洗脳を受けてるって事よ…最早ほとんど別人と言えるレベルで人格を歪められてる…」
「ですね…」
そこまで洗脳によってアーリアが歪められていると言う事実にルミナ達は悲しく思うしかなかった。




