四話、私に友達なんていない
〔エレキネル高原〕
エレキネル高原にてアーリアとルミナの戦闘が継続されている。
アーリアと対峙しているルミナは油断せず魔人となった少女を見据える。
「あはっ、行くよ?」
アーリアは邪悪な笑みを見せると斬りかかる。
「はぁ!」
ルミナは避けてアーリアに雷を直撃させた。
「くっ!」
ルミナの攻撃はこれまでと違いアーリアにダメージが通る。
身体は吸血鬼のままであるが神の力である雷神の雷は威力がかなり高く強化されたアーリアの皮膚でもダメージが通るのである。
「この!!」
アーリアは邪黒炎をルミナに差し向けるが急加速した彼女は一瞬でアーリアの背後に回ると蹴り飛ばした。
「この…もうすぐで殺せそうだったのに!どうして…どうしてぇ!!雑魚だったくせにぃ!!」
ルミナに対して激しい怒りと憎しみを差し向けるアーリア。
(うふふ、この邪悪な感情…使えるわね)
戦闘の様子をアーリアの目を通して見ていたアナスタシアはアーリアの感情を感じて雷神の力を使えるようになったはアーリアの強化に使えると思った。
『アーリア?』
「…何か?」
イラついた様子でアーリアは話しかけて来たアナスタシアと話す。
『あの子を殺すのは中止よ、良いわね?』
「どうして!」
『どうしても何も私が決めた事よ?従えないのかしら?』
「…分かりました」
アーリアは仕方なくアナスタシアの命令を聞き入れルミナを殺す事は諦めた。
しかし苛立ちを解消するためにも徹底的に痛め付けてやると決めた。
「ねぇ?リア、一つだけ聞きたい事があったの」
「何?」
襲い掛かろうとしたのに話しかけられ出鼻を挫かれたアーリアは冷たい声で返事をした。
「あなたがしていることはあのアッシュがしていた事と同じよ?あなたそれで良いの?」
「あーそんなこと?別に構わないけど?だってそれがご主人様から与えられた私の役割ですもの」
「…そう、ならあなたの親友としてあなたの間違った考え方を絶対に正して見せるわ」
アーリアはルミナが親友だと言ったのを聞きクスクスと笑い始める。
「何がそんなにおかしいの?」
ルミナはアーリアに何故笑うのか聞く。
「あはは、そんなの決まってるじゃん、産まれてから今まで私に友達なんて一人もいなかったからだよ」
「!」
友達なんて一人もいなかったその言葉はルミナでも傷付いた。
「あなたは私のこと親友だって言ってくれてたじゃない…」
「あんなのお兄様を殺すための駒としてあんた達を利用するための嘘に決まってるじゃん、言わなかった?あの頃の私の目的はお兄様に復讐する事だよ?そのためならなんでも利用していたの、あなたも含めてね?」
言い終わったアーリアは悪魔そのものな少女を見せる。
友達なんていた事すらないずっと言ってやりたかった言葉を今言えて満足したのである。
「私が産まれてから唯一親しかったのは家族だけ、その家族との繋がりも切った今、私と絆で繋がっているのはご主人様だけだよ」
ルミナはアーリアの言葉を聞き俯く。
殺したいそう思っている存在が俯いたのを見てアーリアは邪悪な笑みを更に深める。
「そっか、そう思ってたのね…なら私は」
ルミナはこの程度で心が折れる少女ではない。
アーリアの瞳をしっかりと見据えて手を差し出した。
「ならこれから友達になりましょう、リア」
友達になろうルミナはそう言った。
「誰がなるか、私に友達なんていらない、私はご主人様がいればそれで良いの、それ以外の繋がりなんていらない」
人と繋がる事を拒否するアーリア。
ルミナはそれでもアーリアに近付く。
「それでも私はあなたとは繋がりたいの」
そしてルミナはゆっくりとアーリアの手を握る。
「あなたのことが大切だから」
「触るな、気持ち悪い」
アーリアは剣を振るいルミナを追い払った。
「チッ…殺せなくて本当に残念だよ」
アナスタシアの命令は今のアーリアにとっては絶対。
だからこそルミナを殺せないアーリアは舌打ちして残念だと言った。
「さぁ無駄話はこれでおしまい、さっさと私に痛め付けられて倒れろ」
「私は負けない!」
話をしていた事で中断されていた戦闘が再開された。




