五話、アナスタシアの仕込み
〔封印の魔瘴石の内部〕
封印されてから長い間怒り狂いまともに思考が出来ていなかったアナスタシアはふと我に帰る。
いつまでも怒り狂っていても何も進展はしないと思ったのだ。
そして悔しいがアナスタシアは負けた原因を考える。
「…強い魔人は何人も作った、それでも最後まで生き残れる魔人はいなかったわ、それで最後、私を守る存在がいなくなり封印された」
敗因を冷静に分析したアナスタシアは考えた勝つために必要なものを。
「作る必要があるわ、最強と言える魔人を、それも復活してからすぐに使えるようにしてね」
そしてアナスタシアは最強の魔人とするための素材を探し始めた何年も何年も掛けて。
そして遂に見つけたのだアーリアと言う魔王となる少女を。
「あはっあはは!!!最高の素材じゃない!私を阻んだゼーリアの子孫を私を守る最強の魔人とする!アーリア!あなたに決めたわ!」
それからアナスタシアのアーリアを自分のものにするための計画が始まった。
まずは既にしっかりとした人格が形成されている一人目のアーリアは邪魔であった。
だからこそエイラを動かして薬液で人格だけを殺した。
「うふふ、さて次は少し賭けになるけれど…」
一人目のアーリアの殺害が上手く行ったアナスタシアはほくそ笑む。
続いての計画は仮想世界でアーリアを復活させる事。
これは敵がその方法を思い付くかどうかの賭けであったが無事成功した。
「うふふ、ここまで来れば後はあの子を私の思い通りの子として作ることが出来る…」
アナスタシアはネット世界にハッキングが出来るようになっていたしかも誰にも気付かれずに。
その能力を使ってアーリアが現実世界に来る直前にアーリアを改変した。
改変内容は魔法が使えず蔑んで来ていた存在を両親や姉達以外の全員とする事。
そして自分自身も魔法が使える者達を羨んでいたと言う事にする事。
最後に自分を蔑んでいた者達を恨んでいると言う事にした。
その結果目覚めたアーリアはそう言う風に思ってしまう自分が嫌いだと言う意味で自分が嫌いだと言ったのである。
「ふふっ」
敵は自分がアーリアに目を付けてからずっと手のひらの上で踊っていたのだと思うアナスタシアはほくそ笑む。
そして今回こそは勝ちを確信する何故なら自身の右腕として最強の魔人と化したアーリアがいるからだ。
〔ダークローズのアジト〕
「アナスタシア様?」
アナスタシアが考え事をしているのを見たアーリアは首を傾げてどうしたの?と示す。
早く自分に対して命令をして欲しいのだ。
「あらごめんなさい、それじゃ早速あなたに命令を出すわ、とりあえずは敵の元に戻りなさい、敵の情報を私達に渡すスパイとして動いてもらいたいわ」
「必要ありますか?あんな者達私なら今すぐ皆殺しに出来ますが」
アーリアはそんな面倒な事をしなくても殺せば良いのでは?と言う。
「あらあら?そんな簡単に殺したら楽しめないじゃない、たっぷりと遊んで遊んで最後に嬲り殺すそれが楽しいのでしょう?」
「あはっ、そうですね」
アナスタシアの言葉にアーリアは遊んで遊んで最後にルミナ達を嬲り殺す自分の姿を想像して邪悪な笑みを見せた。
今のアーリアはこう言う風に思えてしまう程心を邪悪に染められてしまっているのだ。
「それじゃ行きなさい」
「はい」
アーリアは魔法で元の姿を再現すると転移してサキュメアーレに向かって行った。
〔サキュメアーレ王城〕
敵にアーリアが連れ攫われ次現れる時は敵として現れるのだと思っているルミナ達には暗い雰囲気が流れていた。
「あれ?みんなどうしたの?」
そんな所に魔人になった瞳に光がないアーリアが戻って来た。
「リア!?」
ルミナは現れたアーリアを見て驚いた顔を見せる。
「魔人になっていないのか?」
アレンはアーリアに魔人になっていないのか聞く。
「うん、ご覧の通りだよ?牢屋に繋がれてたけど隙を見て逃げて来たんだ、明日には魔人にされる所だったから危なかったよ」
「そうなのね…本当に良かったわ…」
ルミナはそう言ってぎゅっとアーリアを抱きしめる。
ルミナの胸に顔を埋める形となったアーリアは彼女の胸の中で表情一つ変えていなかった。
「それとごめん…逃げるのに必死だったからダークローズのアジトの本部がどこにあるのかは分からなかったよ」
「そうか、それは残念だ」
サーリアはそれが分かれば話が大きく進展するのだがと思い残念そうにした。
「でもね?これを見つけたの!」
アーリアはアナスタシアに手渡された紙を皆に見せる。
「ほほうダークローズのアジトか」
「うん!明日ここを潰しに行こうよ!」
「そうね、ダークローズのアジトは一つでも潰しておいた方が良いわ」
「だよね!それじゃ私お風呂に入ってないから、お風呂に入ってくるね?」
「ええ」
皆は部屋から出て行くアーリアを見送る。
アーリアは暫く歩いてから誰もいないのを確認してから立ち止まる。
「ふふっ、人間も魔族も本当に愚かですよね?アナスタシア様、私が魔人になっているだなんて全く想像すらしていないのですから」
『そうね、でもそこにはゼーリアがいるわ、油断しないようにね』
「はい」
アーリアは再び歩き出そうとするが背後からゼーリアが歩いて来たため振り返る。
「どうかした?ご先祖様」
「…なぁに、我が可愛い孫娘の顔をもう一度よく見ようと思っただけだ」
ゼーリアはそう言うとアーリアを抱き寄せ抱きしめた。
「よく逃げ出して来たな、お前が魔人となっていたら大事であった…」
「うん…本当に良かったよ…」
(いつか私が殺してあげるからね?ゼーリア)
アーリアは決して表に出さないようにしてゼーリアを殺すと心の中で言った。
「それじゃ私お風呂に入りに行くから」
「うむ、後で夕飯を一緒に食べよう」
「うん」
アーリアはゼーリアに手を振るとこの場を離れた。
真夜中頭の中に声が響いたためアーリアは目を開けた。
『アーリア?その城の内部に手駒を作っておきなさい』
「分かりました」
起き上がったアーリアはインビジブルの魔法で姿を消すと城の中を歩き始めた。
そして見つけたのは一人トイレに向かっているメイドであった。
アーリアは彼女を見て邪悪な笑みを見せると静かに後ろに着いて行く。
「ふぅ…!?」
アーリアは彼女が入った個室に滑り込み魔人としての姿を現す。
そして魔人となってから得た能力である魔瘴石を作り出す能力で魔瘴石を口の中で生成すると彼女の唇を奪った。
「ふぅ!?んんん!?」
彼女は抵抗しようとするがすぐに抵抗はなくなり魔人と化した。
「あなたの任務は私の手助けをする事だよ、分かった?」
「承知いたしました、アーリア様」
「ふふっ良い子だね、さてと私ね?まだ魔人になったばかりで身体が火照っているの、この火照りあなたが鎮めてくれないかな?」
「あなた様にご奉仕出来るなんて…光栄です…」
便座の上に脚を広げて座るアーリア。
メイドはその股の間に嬉々として顔を埋めて行った。




