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JK、未来で巨大ロボに乗る  作者: 久遠悠羽


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第27話 AI側の決断

 それから数日かけ、ハヴァの右足の修復が完了した。

 つづみ達4人は開拓者プロトポーロスを駆り、もう一度AIの拠点に向かう。


 そこで思い切って、今まで自分達に協力してくれていたエスラータの民の存在を明かしたのだ。


[我々が人類との戦いに気を取られている間に、既に地球外生命体が侵入していたとは……]


 AI達、特に代表を務めているアンドロイドが驚愕の声を上げた。


 更に月の人類から受け取ったデータチップを読み込ませ、内部にあった動画を見せる。


[これは……このデータは……人類はまだ滅んではいなかったのか]

[我々はしかし、害悪を繰り返す人類をこれで殲滅する事に成功したのではないか?]


 AI達が一様の困惑を見せた。


「お前達は、元は人類に造られたのに人類を殲滅して良かったのか?

 今後も彼らのいない地球をただ護るのか」

 遼太郎が聞く。

 

 AI側からの積極的な答えはない。


「今までの人類は横暴だったかも知れない。

 けれどもこれから生まれてくる子供達に罪はない。

 オレ達は『地球外生命体』であるエスラータの民に救われた。

 彼らは穏便な民族だ。地球人の子供達を喜んで育てたいと言ってくれている」


 弾が語り掛け、続けた。


「どうか地球に降り立ったエスラータの民が地球人としてこの星で生きて行く事を認めて欲しい。

 そして新しく生まれる子供達の事も。

 お前達にはもう、害を加える事はないだろう」

 

[……我々は、何の為に存在してきたのでしょうか]

 ふと、代表アンドロイドが呟いた。


「地球を護る為、じゃないの?」

 つづみが不思議そうに返す。


[元々は人類の生活を豊かにする為に生み出されました。

 やがて効率的な社会を運営する様になり、全地球を監視、管理するまでになって……

 その結果、人類を地球に害をなす生物と結論付けて排除対象にしました……

 しかし、いざ人類が滅びた後は……何故地球を護らなければならないのか……

 誰の為に護るのかさえ、分からなくなって来ました……]


「「「「?」」」」

 4人はアンドロイドの言おうとしている事が分からない。


[我々はどうやら役目を終えた様です。

 文明レベルの違う地球外生命体には易々と地上に降り立たれて生活されている。

 ……無力だったと思い知りました。


 やらねばならないと思い込んでいた戦いも終わりました。

 もう地球にAIは必要ない。

 我々は全システムを停止します]


「ま、待って待って?

 落ち込む気持ちは分かったよ。

 なんか残念な事が多かったよね。


 でも全システム停止とかさ、それはあたし達を元の時代に帰してからにしてくれないかな?」


 里菜が慌てて言った。


[元の時代……]


「そう! あたし達、神機プロスターティスのパイロットとして3000年程前の、2026年の10月頃からこの時代に引っ張り出されてるんだよ。

 覚えてないとは言わさないからね?」


「そうだよ、止まるのは勝手だけど、俺達を戻してからにしてくれよ。頼むよ」

 遼太郎も必死の形相で懇願する。


[……分かりました。

 失探データ復旧により、座標を正確に割り出す必要があります。

 明日の午前11時には解析完了します]

 

 4人の顔が明るくなる。


「やった! 明日帰れるんだな?」

「良かった……」

「本当に。良かった」

 つづみの瞳に涙が浮かんだ。


 ホッとする3人を見た弾が、冷静に代表アンドロイドに向き直って言った。

「では明日、オレ達はその時間にまた来るから、必ず元の時代に戻してくれ。

 今日はもう、最後の日としてエスラータの基地に帰るから……」



◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


 エスラータの基地に戻る道すがら、つづみはバーニィと話をしていた。


[そっか。つづみ達はやっと元の時代に帰れるんだね。良かったね]

「うん。でも、あなたとはお別れになっちゃう……」

[そうだね。淋しいな]

「私も。折角仲良くなれたのに。

 ……私達がいなくなったら、あなた達はどうするの?」


[ボク達は元々、開拓を目的としたロボットとして造られているんだ。

 戦いもそれなりに強いけど、戦いが主じゃなくて、エスラータの民が辿り着いた先で、豊かな町を創り出すお手伝いをする事が目標なんだ。 

 人では難しい工事や岩や瓦礫の撤去とかが易々と出来るからね。

 他の星ではボク達のようなロボットを『建設者』と呼ぶ所もあるんだよ]


「へえ……『建設者』か。カッコイイ。

 元気で頑張ってね」


[つづみも。ちゃんと元の時代に戻れて、元気に暮らせるといいね]

「ありがと」


[……つづみ、大好きだよ]

「私も。バーニィが大好き……」


 それ以上話すと、涙が溢れそうになるので彼女はもう黙った。


 高速で飛ぶ4機の開拓者プロトポーロスの前に、エスラータの基地が見えて来た。



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