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JK、未来で巨大ロボに乗る  作者: 久遠悠羽


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第12話 世話係の説明

 つづみ達4人には世話係として、研究者の中から男性と女性がそれぞれ1人ずつ選ばれて側に着いてくれた。


「イヴァン・レクシスです。イヴァンでいいです。よろしく」

「ケーナ・ゴルドよ。ケーナでいいわ」


 2人はそう言って、人懐こそうな顔で笑った。

 どちらもまだ若い。


 つづみには男性の方は、見覚えがあった。


「あの、私達が初めてここに来て錠剤を飲む時に気にしてくれていた方ですよね?」


「ああ……あの時は、以前に順応出来なかった人達を見て来たので……心配で」


「ありがとうございます。お陰様でこちらの大気にも馴染めました」

 イヴァンの言葉に、彼女は素直な礼を言った。


「本当に良かったわ。もう人が亡くなるのは見たくないの」

 ケーナも言う。


「AI達は、3000年程前から呼び寄せた人間がこの時代の大気では生きられない事を知らないんでしょうか」

 遼太郎が聞いた。


「知らないと思います。それにAIに感情はありません。3000年前の人類の生態にも詳しく無かったのではないでしょうか。

 ただ人間がプログラミングしたままに……何処かがおかしくなって人間達を地上から追い出した事を、無かった事にしたかのように月からの襲撃に機械的に反応し、迎撃を行なっていると思われます」


「何処かがおかしくなった……感情のない集団……」


 里菜が呟く様に繰り返した。


「現に、実村君があなた方を攫って行った後も、パイロットスーツが解除されて制服に戻ったり、捜索する様子もありません。

 彼らにとって3000年前の人類は消耗品なのです」


「そんな」

「……何故、そんな昔の人類を呼び寄せているのですか?

 しかもPC等が急速に発展し出した頃から2080年までの若者、それに呼び出し条件も分からない」


 つづみの悲観的な反応とは裏腹に遼太郎が聞く。

 彼だけではなく、ここにいる4人共その事は気になっていた。


「呼び出しの条件は『虹』が関係しているのではないでしょうか。

 彼らは神話に準えたロボットを製作しています。

 適当に選ぶのではなく、北欧神話の虹のビフレストを連想させる地名や橋の名前の近辺に関連する地域の者が呼ばれている様に思われます。


 虹に関する地名は、オーロラを虹の橋とする地域も含めて世界中に散らばっていますから」


「そう言えば、あたしも『月虹橋』っていう小さな橋を通って通学してる……」

「え?里菜も?学区違うよね」


 里菜の意外な言葉につづみが思わず聞いた。


「うん、あたしはあの橋を渡って南に下った地区なんだよ。

 つづみや井関君、実村君とは中学校から一緒になったし」


「『月虹橋』が絡んでたのか……あんな小さな橋。

 この調子ならアメリカのレインボーブリッジ近辺からも人が来てそうだな」

 弾が初めて気が付いた顔で言った。

 

「それから何故昔の若者が呼ばれるのか、ですが、記録によると2080年以降、地球上からは若者が急速に減って行ったようなのです。

 歴史を遡るとそれより以前からAIによるシンギュラリティが起こり、彼らは人類より賢くなった。

 自分で自分達を進化させて増大し、人類を凌駕するようになって行ったのです。


 ところが肝心の人類は子孫を残す生命活動に疑問を持ちだしてしまい、人口は急激に減りました。

 けれども個人個人が生活や社会活動に使うエネルギーは膨大になるばかりとなり、環境汚染は続きました。


 AIはとうとう環境を破壊する人類を排除しようと決めました。

 その近年の段階で、既に全世界の人口は1億人を切ってしまっていたようです……」


「1億人?!あたし達の時代には80億人以上もいたんだよ?」


「そこから更に追い詰められて、数十万人規模にまで減らされたの。

 みんな月に逃げたわ」

 始めから彼らに対して敬語を使わないケーナが説明に入る。


「月って、今はどれぐらい開発されている物なのですか?

 そこに何人の人類が暮らしているんです?」


 弾が聞いた。

 3000年前の高校生としては気になる部分だ。


「月面では太陽光発電で氷から水素燃料と酸素を生み出し、排水は完全リサイクルされています。

 LED植物工場や培養肉で食料を確保しながら、レゴリスを使った放射線カットの半地下都市に数十万人が生き残って生活していると考えられます」


「……数十万人……あんな小さな衛星に結構な人数で残っているんだな」

 想像力を駆使しながら聞いていた遼太郎が、理解が限界だという手振りをして息を吐いた。


「その人類を再び地上で暮らす事が出来るようにしたいから、私達にAIと戦って倒して欲しい、という事なのですね?」

 つづみが聞いた。


「……ええ、そう言う事になるわね」


 ケーナが答え、イヴァンと顔を見合わせた。


 その彼が言った。

「井関遼太郎君の顔の傷が治るのを待ちたいと思います。

 皆さんにはこれから数日間を置いてここでの生活に慣れていただき、まずロボットのコックピットを模したトレーニング機に搭乗してもらい、一定の訓練を積んでいただきます。

 後日、我々のロボットも見学して貰いますので、楽しみにしていてください」


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