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料理魔法のバフ飯屋台~食べた仲間が強くなるごはん、作ります~  作者: たこやき風味


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第87話 私がF!?

「ほえー、これが冒険者ギルド? でっか」


 目の前にそびえる巨大な建物を見上げる。

 この街、冒険者ギルドまでかなり大きい。


「行こうぜ!」


 いつもどおりまったく動じないサビーが、ずんずん中へ入っていく。

 そして案の定、中はいつものギルドだった。

 ただ、受付カウンターの数だけは、今まで見たギルドの倍くらいある。


 私たちは、掲示板にずらりと並んだ依頼書の中からBランクの討伐依頼を一枚剥がし、カウンターに向かった。


「これ、お願いします」


 受付のお姉さんに依頼書とパーティー証を差し出す。


「はーい。えーっと、まんぷく亭さんですね。依頼は……こちら、Bランクですが、よろしいですか?」


「え? どういう意味ですか?」


「いえ、みなさんのパーティーはAランクの依頼まで受けられますので」


 三人で顔を見合わせる。

 どういうこと?


 その反応を見たお姉さんが、ぽんと手を打った。


「もしかして、ランクアップの更新手続きがまだなのでは?」


「ランクアップの更新、ですか?」


「ええ。みなさん、これまでの働きが評価されて、冒険者ランクが上がっているんですよ。えーっと――」


 お姉さんが、台帳のようなものをぺらぺらとめくる。


「まず、パーティー代表の茉歩瑠さんがFランクですね」


「私がF!?」


「サビーさんがDランク」


「お、俺も上がってるのか!?」


「はい。そして、ラセンさんがAランクですね」


「Aランク!?」「Aランク!?」


 私とサビーが驚きの声を上げた。

 当の本人は、恥ずかしそうにもじもじしている。


「やっぱりまだみたいですね。では、登録証を更新しますので、今お持ちのプレートをこちらへ」


 そう言って、お姉さんがトレイを差し出してきた。


 サビーとラセンが、それぞれ金属製のプレートを置く。

 私も、首から下げていた木製のプレートを外して、トレイの上に置いた。


 そのプレートを見たサビーが、ぎょっと目を丸くする。


「お前の登録証、木だったのか!?」


「やめて! 恥ずかしいから言わないで!」


 お姉さんは苦笑いしながらプレートを受け取った。


「少しお時間がかかりますので、お待ちくださいね」



 鈍く光る新しいプレートを、私は大切に首から下げた。

 手に取ると、木製のものよりもずっしりと重い。

 その重さが嬉しくて、自然と笑みがこぼれる。


 二人を見ると、サビーのプレートは赤褐色から銀色に、ラセンのプレートは銀色から金色に変わっていた。


「ラセンの金ぴかのプレート、かっけーな!」


 サビーが尊敬のまなざしで、ラセンの胸元に下がるプレートをまじまじと見つめる。

 ラセンは照れたように身を縮めて、胸元のプレートを両腕で隠した。


「こらっ! 女の子の胸元をじろじろ見るんじゃない!」


 サビーの頭に、こつんとチョップを入れる。


「それで、依頼はどうなさいますか? Aランクの依頼に変更しますか?」


 そんな私たちを気にする様子もなく、受付のお姉さんがにこやかに尋ねてきた。

 今回はラムネの効果を試すのが目的だから、いきなり難しい依頼を受けてもな。


「このままBランクの討伐依頼でいいよね?」


「ああ、いいぜ」


「いいよ」


 二人はそろってうなずいた。

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