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料理魔法のバフ飯屋台~食べた仲間が強くなるごはん、作ります~  作者: たこやき風味


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第86話 効果がほとんどありません

「第二回! 魔力回復料理品評会へようこそ!」


「茉歩瑠ちゃん。正直、今回はかなり期待してる」


 今回は、って……。

 まあ、期待してもらえてるなら嬉しいけど。


 私は、お皿にかけていた布を自信満々に取り払った。


「一品勝負です! どうぞ!」


 そこに現れたのは、皿に盛られたラムネの山。

 それを見たラセンの目が、すうっと細くなる。


「前のと、あんまり変わってない気がするんだけど……」


「いやいやいやいや! 全然違うから! 食べてみて!」


 疑いの目を向けたまま、ラセンが一粒つまんで口に運ぶ。


 口の中でころころと転がして、こくんと飲み込んだ。

 次の瞬間、ラセンの目がぱっと開く。


「あれ!? 前のやつより、後味がさっぱりしてる!?」


「さっすがラセンさん! よく気がつきました!」


 実は、方法はすごく単純だった。

 宇創樹の根をアク抜きすれば、デバフの成分が抜ける。

 たったそれだけ。


 ……なんだけど、試作品作りはかなり苦労した。


 水にさらす時間が長すぎるとラムネが固まらない。

 短すぎると、今度はえぐみが残る。

 ちょうどいい時間を割り出すまでに、いったい何粒のラムネを食べたことか……。

 正直、しばらくラムネは見たくない。


 おっと、試食会の途中だった。


「なんと、改良によって、デバフ効果をかなり抑えることに成功しました! 少なくとも、前みたいにぶっ倒れる可能性は減ったはずです!」


「えっ! すごい! これで完璧な魔力回復ラムネになったってこと!?」


 ラセンが目をキラキラさせながら私に迫る。


「ただ……」


 私はそっと視線をそらした。


「ただ?」


「魔法の効き目を高める効果がほとんどありません」


「えぇ……」


 ラセンの目から、さっきまでの期待がすうっと消えた。


 そうなんだよね。

 魔法の効果を高めるバフと、疲労のデバフは、どうやら同じ成分が由来しているらしい。

 だから、それを取り除けば、当然どちらの効果も消えてしまう。こればっかりは、しょうがない。

 魔力回復はリウタンの種由来だから、その効果は変わんないんだけど。


「だから、ラムネを二種類用意することにしました。白いほうが、疲労のデバフほぼなしのマイルドタイプ。赤いほうが、デバフありだけど、魔法の効き目を強めるハードタイプ! 臨機応変に使い分けてください」


「普通の魔物と戦うときは白で、キメラみたいな強い魔物が相手のときは赤を使えばいいんだよね? それなら、案外悪くないかも」


 やった! ラセンが納得してくれた!


「茉歩瑠ちゃん、ひとつ質問があるんだけど」


「なに?」


「白と赤を半分ずつ食べたらどうなるの?」


 あー、なるほど。それは考えてなかった。


「たぶん……バフとデバフの効果も半々になるんじゃないかなー」


 私は自信なさげに答えた。


「そっか……。それなら、ギルドで討伐系の依頼を受けて、いろいろ試してみない?」


 ラセンが討伐依頼を受けたがるなんて、ちょっと意外。

 でも、実戦で試すのは悪くない。


「よし! それならサビーにも声をかけて、冒険者ギルドに行こう!」

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