↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
料理魔法のバフ飯屋台~食べた仲間が強くなるごはん、作ります~  作者: たこやき風味


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
74/96

第74話 反省しているみたいですし……

 街への帰り道。

 荷台から聞こえてくるラセンの呻き声をBGMに、私たちは森を進んでいた。


 サビーとニセ盗賊の三人はすっかり打ち解けたようで、鍛冶屋の街についてあれこれ話をしている。


 ラセンに荷台の定位置をとられたウリ坊は、久しぶりに私の肩の上にいた。

 この子、あんな騒ぎがあったのに、一晩中荷台で爆睡してたんだよね。

 そこはさすが魔物ってところか。



 街に着いて三人と別れた私たちは、一度宿に戻った。

 少し休んだあと、二人が私の部屋に集まった。


「あいつらから、この街についていろいろ聞いたんだ。あの鍛冶屋のオヤジ、鍛冶屋ギルドの長だったぜ」


「そうなの?」


「ああ。そうじゃなきゃ、あんなことできないだろ? 下手すりゃ犯罪だぜ?」


 言われてみれば確かに。

 こっちには何の非もないのに、攻撃されたわけだからね。


「とはいっても、郷に入れば郷に従えだ。俺はただ、武器を鍛えてもらいたいだけだからな」


「うん。私もそれでいいと思う」


「それじゃ、鍛冶屋に行こうぜ」


 サビーが立ち上がる。


「……」


 見ると、ラセンが椅子の上で器用にバランスを取りながら、完全に寝落ちていた。

 そっとラセンの肩を揺する。


「私とサビーは今から鍛冶屋に行ってくるから、ラセンは宿で休んでて」


「……うん」


 ラセンがゆらりと立ち上がると、左右にふらふらと揺れながら、自分の部屋に戻っていった。



 一日ぶりに訪れた、黒ずんだ平屋の建物の前。

 けれど、昨日とは様子が違っていた。


 鉄を打つ音が聞こえない。屋根を見ても、煙が上がっていない。


 私たちは、完全に静まりかえった入り口を慎重にくぐった。


「ごめんくださーい……」


 こそっと挨拶しながら敷居をまたぐと――そこには土間に正座する鍛冶屋と、腕を組んでそれを見下ろす彼女の姿があった。


「あっ! 忍者! なんでここに!?」


 私が驚きの声を上げると、彼女は冷静にこちらを見た。


「あなたたちですか。ちょうど今、父上に説教をしていたところです。もうすぐ終わりますので、そちらに座って待っていてください」


 父上?

 父って、お父さんってこと!?



 言われるまま、土間の横にある小上がりへ上がり、腰を下ろす。


 私たちが座るのを見届けた彼女が、うつむいて正座する鍛冶屋に視線を移した。


「自分の打つ武器を、正しき者に使わせたい。その考えは前にも聞きました。私も、それについて異論はありません」


 彼女の落ち着いた口調が、逆に怖い。


「ですが、やり方に問題があると、前にも言いましたよね?」


「……ああ……」


「昨夜は、私がこの方々を見張っていたから何とかなりました。ですが、もし死者が出ていたら、どう責任をとるつもりだったのですか?」


「それは……」


「答えられませんよね。つまり、そこまで考えが至っていなかったということです。腕を試したいなら、ほかにいくらでも方法はあるでしょう。冒険者ギルドまで巻き込んで……。娘として、とてもはずかしいです」


「……」


 淡々と責める彼女と、どんどん小さくなる鍛冶屋……いや、お父さん。

 見ているこっちが、いたたまれなくなってくる。


「あのー、もうそのへんでいいんじゃないでしょうか……。反省しているみたいですし……」


 思わず、敬語で口を挟む。


「……そうですね」


 彼女は「ふぅ」とため息をつくと、父親の横に正座した。


「今回は、私の父がご迷惑をおかけして、申し訳ありませんでした」


 そう言うと、彼女は父親の頭を押さえつけるようにして、私たちに深く頭を下げた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。