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料理魔法のバフ飯屋台~食べた仲間が強くなるごはん、作ります~  作者: たこやき風味


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42/61

第42話 完全に屋台ですよね

 それから一週間。

 ラセンは一度も私たちの前に姿を見せなかった。


 キノコを掘りながら、サビーに話しかける。


「ラセン、どうしてるかな」


「さあな。あいつ、悩むとひとりになりたがるところがあるんだ。今回も、たぶんそんな感じだろ」


 悩ませちゃったのは、間違いなく私だ。

 胸の奥が、ずんと重くなる。


「今日、改造をお願いしていた荷車を取りに行くんだ。お金も貯まったし、ラセンの返事はまだだけど……そろそろこの街を出ようと思ってる」


「そうか。いよいよか」


 サビーはそう言うと、掘り出したキノコをひょいとつまみ上げた。



 ギルドにキノコを納品して、私はその足で荷車屋へ向かった。


「おう、来たか嬢ちゃん。ばっちり仕上がってるぜ!」


 店のおじさんが、得意げに親指で店の奥をさす。

 その先に見えたのは、すっかり生まれ変わった私の荷車だった。


「あれですか!?」


 たまらず駆け寄る。

 銀色に輝くかまどに、ぴかぴかの調理台。

 その下には、たっぷり入りそうな水樽。

 それらを守る、立派な屋根。

 ところどころに彫られた装飾が、妙に格好いい。


「……すごい……」


「だろ?」


 おじさんの提案で付けてもらった棚もいい感じ。

 大きな戸棚に、細かく分かれた引き出しがついて、かなり使い勝手がよさそう。

 それに、荷台の広さも十分に確保されている。

 これだけ広ければ、雨が降ったときとかに三人で休めそう。

 休憩用にクッションを置くのもありかも。


 私は「へー」だの「すごい!」だの声をあげながら、荷車のまわりをくるくると回った。


「そんなに喜んでもらえると、俺も作った甲斐があったぜ」



 それから私は、かまどの使い方をひととおり教わった。

 魔力石を入れて扉を閉め、上についているつまみを右にひねると火がつく。

 あとはつまみで火力を調節して……なんだか、既視感がハンパない。


「どうだ? 使えそうか?」


「あ、はい。これなら普通に使えそうです」


 青白い炎を見ているだけで、なんだか胸がわくわくしてくる。

 早くこのかまどでいろんな料理を作って、みんなに食べてもらいたいな。

 

 それにしても……。


「これ、もう荷車っていうより、完全に屋台ですよね」


「そうだな。どう見ても屋台だな」


 これを引いて街を歩いたら、うっかりお客さんが声をかけてきそう。

 やっぱり、商人ルートもありだったりするかも!?

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