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料理魔法のバフ飯屋台~食べた仲間が強くなるごはん、作ります~  作者: たこやき風味


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第19話 キノコはどこかなー

「ふんふんふーん。キノコはどこかなー」


「ぷいぷいぷーい」


 ウリ坊と一緒に、鼻歌まじりで森の中を進む。

 かばんには食材辞典と昼食用のおにぎり。

 気分はちょっとしたピクニックだ。


「おい、この森にも魔物はいるんだぞ。もう少し緊張感を持ってだな……」


 私の横をぱたぱたと飛ぶステッキが、呆れたように言う。


「大丈夫だって。だってこれ、Gランクの冒険者が受けられる依頼だよ?」


 自分で言ってて、ちょっとむなしい……。


 いやいや、依頼は依頼だ。


 気合を入れ直して、かばんから依頼書を取り出す。

 ざっくりと描かれた地図には、バツ印がついていた。


「地図によると、このへんだと思うんだけどなー」


 あたりを見回す。けれど、それらしきキノコは見当たらない。


「ないなー」


 よく考えたら、キノコ一本で金貨二枚だ。

 そう簡単に見つかるような代物じゃないのかもしれない。


 そのあとも草をかき分け、木の根元を丹念に探し、石までひっくり返してみた。

 けれど、キノコはどこにもない。


「だめだ……見つからない……」


 初依頼、いきなり失敗の予感なんですけど……。


 へとへとになった私は、切り株に腰を下ろし、がっくりとうなだれた。

 そのときだった。


「ぷいっ!」


 足元にいたウリ坊が小さく鳴き、鼻先をクンクンとさせながら茂みの中へ入っていく。


「ちょっと、どこいくの! 迷子になっちゃうよ!」


 私は慌てて、その後を追いかけた。



「ぷいっ、ぷいっ」


 ウリ坊は茂みの中をずんずん進んでいく。

 私は草をかき分けながら、その背中を追う。


 やがて、ウリ坊がぴたりと足を止めた。


「ぷいっぷいっぷいっぷいっ!」


 小さな前足で、地面を掘り始めるウリ坊。

 これって、もしかして……。


「ちょっと、ちょっとどいて!」


 ウリ坊を脇にどかし、自分の手で地面を掘る。


「……あった……」


 依頼書に描かれていたキノコが、やわらかい土の中から姿を現した。

 壊さないように慎重に周りを掘り、軸をつまんでそっと引き抜く。


「土の中だったんだ……こんなのわかるわけないじゃん」


 ――いや、待って。

 私は足元のウリ坊を見下ろした。


「あなた、なんでこれがわかったの?」


「ぷいぷいっ!」


 ウリ坊は得意げに短い尻尾を振っている。


 このウリ坊、もしかしてトリュフを探す豚みたいに、キノコの場所がわかるの?

 だったら、この手の依頼は楽勝なんじゃ……。


「ねえ、このキノコ、まだほかにもある?」


「ぷいっ!」


 私の問いかけにこたえるみたいに、ウリ坊が地面に鼻を寄せたまま歩き出す。


 やった! まだありそう!


 ウリ坊の後ろを追って、もう一度茂みの中に入る。

 草をかき分けながら進んでいると――ふいに、奥から人の声が聞こえてきた。


「ん? 誰かいる?」


 私は反射的にウリ坊を抱き上げ、身をかがめて息を殺した。

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