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【毎日更新】亡霊の罠で女になった万年D級探索者、拾われた先で頭角を現す ~灯火の輪のリオ~  作者: アサトン


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第58話 報酬


聖紋の迷宮五十階層。


ホワイト・ダイア・ガーディアン討伐から数日後。


銀翼の剣の屋敷には、久しぶりに穏やかな空気が流れていた。


長年攻略を阻まれていた五十階層。


その突破は王都でも大きな話題となっているらしく、銀翼の剣には各所から祝辞や依頼が殺到していた。


もっとも。


当の本人達はというと。


「いやぁ~、久しぶりに何も考えず酒飲めるな!!」


ロガーナが昼間から豪快に笑っていた。


リュザードも珍しく苦笑している。


ミレティアはソファへ寝転がりながらぐったりしていた。


「もうしばらく戦いたくないわぁ~……」


そんな中。


アレクシアがリオへ視線を向ける。


「そういえばリオ」


「はい?」


「お前のおかげでかなり余裕を持って五十階層を攻略できた」


「本来なら、一ヶ月はかかる想定だったからな」


リオは首を振る。


「いえ、俺なんて――」


「謙遜するな」


アレクシアは即座に遮った。


「実際、お前がいなければ突破は難しかったと思う」


「特に」


「お前が大理石からの魔力供給を発見してくれなければ、いくら削り切ろうとしても徒労に終わってた可能性は高い」


静かな口調。


だが。


その言葉には本気の評価が込められていた。


「礼を言う」


「ありがとう」


リオは少し照れくさそうに頭を掻いた。


「さて……と」


「報酬の件だ」


アレクシアが封筒をテーブルへ置いた。


「これはセレナとの契約通りの報酬だ」


「そして、こっちはおまけだ」


「銀翼の剣からのささやかな礼だ」


「使ってくれ」


「おまけ……?」


リオは封筒を開く。


中には二枚の黒いカードが入っていた。


金色の紋章が刻まれている。


「なんですか? これ」


アレクシアが答える。


「まぁ簡単に言えば王都フリーパスだ」


「王都のほとんどの店で使える」


「支払いは銀翼の剣持ちだ」


リオが固まった。


「えっ」


「お、王都フリーパスなんて」


「おまけどころじゃないじゃないですか!!」


「受け取れませんよ!」


ロガーナが笑う。


「安心しろ!」


「お前はそれだけのことをしてくれたんだ!!」


ミレティアもひらひらと手を振る。


「そうそう~」


「遠慮しないで使っちゃいなさいよぉ~」


アレクシアはニヤリと笑った。


「せっかくだ」


「ミアと王都観光でもしてくるといい」


隣で話を聞いていたミアの目が輝いた。


「王都観光!?」


「しかもフリーパス付き!?」


アレクシアは面白そうに続ける。


「アタシの目は節穴じゃない」


「リオを連れて王都観光するつもりだったんだろう?」


「最大限に楽しめるよう、銀翼の剣からのプレゼントだ」


ミアは満面の笑みを浮かべて答える!


「アレクシアさん!最高です!!」


「ありがとうございます!!楽しんできます!!」


「ねぇ、リオ」


「これを断っちゃ失礼だよ!!」


「そ、そういうものなのかな」


リオは戸惑いながらも素直に頭を下げた。


「アレクシアさん、銀翼の剣の皆さん、ありがとうございます」


「楽しませてもらいます」


アレクシアは笑いながら答える。


「いいってことよ」


「王都を好きになってくれ」


「こっちに引っ越してくれるならいくらでも歓迎するぞ」


「どうせ一週間ほど休養だ」


「好きに遊んでこい」


「王都は広いぞ」


「美味い店も多い」


「リオ」


「前から約束してたでしょ」


「私がいろんなところ連れて行ってあげる」


「一緒に楽しもうね!」


リオは戸惑いながらも、ミアとの王都観光を楽しみにするのだった。

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