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【毎日更新】亡霊の罠で女になった万年D級探索者、拾われた先で頭角を現す ~灯火の輪のリオ~  作者: アサトン


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第52話 リオの力

翌日。


再び聖紋の迷宮へ向かったリオ達は、二十階層を突破していた。


二十階層までは他の探索者達の姿も多い。


そのため、これまで通り銀翼の剣全員での攻略となっていた。


そして。


二十一階層へ降りたところで。


アレクシアが立ち止まった。


「ここから先は探索者の数も減る」


「四十階層の階層主までは、リオ。お前の力を見せてくれ」


「え?」


突然名前を呼ばれ、リオが目を瞬かせる。


ロガーナが腕を組む。


「リオの力?」


アレクシアは口元を歪めた。


「セレナから聞いてるんだよ」


「アグレス坑道での攻略方法をな」


その言葉に、リオは少しだけ気まずそうな顔をした。


「あー……」


「まぁ、四十階層までは聖紋の迷宮の魔物もアグレス坑道と大差ない」


「炎耐性の魔物もそう多くないし」


「三十階層の階層主はまだ当分再出現しないしな」


そして。


アレクシアはニヤリと笑った。


「皆に見せてやれ」


「お前の得意技を」


リオは小さく頷いた。


「はい!」


その直後。


通路奥から魔物の群れが姿を現す。


ゴブリン系。


オーク。


さらには大型のリザード種まで混じっている。


かなりの数だ。


だが。


リオは慌てなかった。


静かに前へ出る。


そして。


慣れたように呪文を紡ぎ始めた。


「大気に満ちる我が魔力マナ――」


周囲の空気が熱を帯びる。


リオを中心に膨大な魔力が渦巻き始めた。


ロガーナが目を細める。


「おい……」


「まさか……」


「烈火の檻となりて爆ぜよ――」


集束した魔力が炎へ変わる。


膨大な熱量が前方通路を埋め尽くしていく。


そして。


「フレアストーム」


轟音。


爆炎。


凄まじい熱風が通路を駆け抜けた。


前方を埋めていた魔物の群れが一瞬で炎に飲み込まれる。


断末魔すらほとんど残らない。


そして。


静寂。


焼け焦げた臭いだけがその場に残っていた。


リオが前方を見つめる。


「……倒せましたね」


沈黙。


次の瞬間。


ロガーナが叫んだ。


「おいおいおい!!」


「お前、馬鹿なのか!?」


リオがびくりと肩を震わせる。


「え?」


「今のフレアストームだろうが!!」


「魔法に詳しくない自分でも知ってるぞ!」


「高威力! 短詠唱! その代わり燃費最悪!」


「ネタ魔法扱いされてるやつだろうが!!」


ロガーナは頭を抱える。


「ここだけ突破しても後が続かねぇだろ!?」


「あ……それは……」


リオが困ったように答えかけた瞬間。


アレクシアが横から笑った。


「はははっ!」


「悪い悪い。言ってなかったな」


「こいつが化け物な理由の一つだ」


ロガーナが眉をひそめる。


「……は?」


アレクシアは当然のように続けた。


「四十階層の階層主までは、リオがフレアストームで全部焼き払う」


「蒼天の軌跡はこの方法で、一日で四十階層まで進むらしい」


「リオの高い感知能力で安全チェックも万全だそうだ」


数秒。


完全な沈黙が流れた。


やがて。


ロガーナが口を開く。


「……はぁ?」


「四十階層まで一日?」


「フレアストーム連打でか?」


「一体何発撃てるんだよ……」


リオは少し考えてから答えた。


「百発くらいなら全く問題ありません」


再び沈黙。


ミレティアが困ったように笑う。


「あらあらあら~♪」


「リオちゃん、すごいのねぇ~」


「さすがにびっくりだわ~」


リュザードも呆れたように額を押さえた。


「……俺たちは四十階層まで何をするんだ」


ミアが自慢するように答える。


「どう?リオはすごいんだから!!」


そんな騒ぎを横目に。


カイゼルは黙ったままリオを見ていた。


その視線は静かだが鋭い。


まるでリオという存在を改めて観察するように。


アレクシアが肩を竦める。


「まぁ、百聞は一見にしかずだな」


「アタシもセレナから聞いてはいたが、実際に見るのは初めてだ」


そして。


楽しそうに笑った。


「リオ、頼むぞ」


「炎耐性が高くて生き残った奴はアタシが氷魔法で仕留める」


「ロガーナ、カイゼル、ミレティアも一応警戒してくれ」

 

「リュザードは罠の確認を頼む」


「おう!」


「わかった」


「はいはい~♪」


「了解だ」


銀翼の剣が動き出す。


その先頭で。


リオは再び静かに魔力を練り始めていた。


【お知らせ】

明日からは4日連続、閑話ありの日です。


朝06:10(閑話)と夜19:10(メインパート)の「1日2回更新」をお届けします!特に明日は作者も大好きなミア編の閑話ですので、ぜひ朝の通勤・通学時間と、夜のゴールデンタイムにお楽しみください!


読んでいただきありがとうございます。面白いと思っていただけたら、ページ下部の【☆☆☆☆☆】の評価や、ブックマークで応援していただけると執筆の励みになります!m(_ _)m

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