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【毎日更新】亡霊の罠で女になった万年D級探索者、拾われた先で頭角を現す ~灯火の輪のリオ~  作者: アサトン


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第48話 王都へ

王都へ向かう馬車の中で、リオは窓の外を眺めていた。


四十五階層を攻略してから数日。


リオはアレクシアとの約束通り、セレナの超級魔法に炎魔法、そしてミアの支援・弱体魔法までひと通り習得していた。


とりわけ大きかったのは、アレクシアとの訓練で掴んだ“魔力の流れを操る感覚”だ。


あの感覚を得てからは、どの魔法も驚くほど素直に身についていった。


そして今。


リオとミアは王都グランシアへ向かっていた。


窓の外に巨大な城壁が見え始める。


「見えてきた!」


ミアが嬉しそうに身を乗り出した。


「あれが王都だよ!」


リオは思わず息を呑む。


高い。


ベルグランの城壁とは比べ物にならない。


城壁の向こうには白い塔がいくつも天へと伸び、


純白の壁に金の装飾が陽光を受けて輝く壮麗な王城が見えた。


「大きいですね……」


「でしょ!」


ミアが胸を張る。


「王都はすごいんだよ!」


そして少しだけ照れくさそうに笑った。


「まぁ、私も片手で数えられるくらいしか来たことないけどね」


「そうなんですか?」


「うん!」


「でも有名どころは一通りおさえてるよ!」


「時間がある時に案内してあげるね」


リオは微笑みながら素直に返す。


「ぜひお願いします」


やがて馬車は王都へ入った。


馬車が街に入った瞬間。


リオは言葉を失った。


石畳の大通り。


色とりどりの衣服をまとった人々が行き交い、


豪華な馬車が鈴の音を響かせながら通り過ぎる。


店先には鮮やかな看板が並び、


露店からは香辛料や焼き菓子の甘い香りが漂ってくる。


遠くでは楽師が軽やかな旋律を奏で、


街全体がどこか浮き立つような華やかさに包まれていた。


全てが桁違いだった。


「はぁ……」


思わず声が漏れる。


「別世界ですね……」


ミアが得意げに笑う。


「でしょ?」


さらに。


王都の中心には、金の装飾をまとった王宮がその威厳を余すところなく放っていた。


建国以来、何百年ものあいだ王国を支え続けてきた歴史の象徴でもある。


白亜の王宮は街のどこからでもその優美さと荘厳さを感じられるほど、高く静かにそびえ立っていた。


「すごい……」


リオはただ見上げることしかできなかった。



その後。


二人は王都ギルドへ向かった。


王都ギルドもまた巨大だった。


ベルグランのギルドより一回りも二回りも大きい。


広いホール。


いくつもの受付が並び、数え切れない探索者たちの声が絶えない。


掲示板には高難度依頼が並んでいる。


「これが王都ギルドですか」


「王都ダンジョンの攻略拠点だからね」


ミアが説明する。


受付で手続きを済ませた後。


二人は応接室へ案内された。


そして。


しばらくして扉が開く。


先頭にいたのはアレクシアだった。


「しばらくぶりね、リオ」


「アレクシアさん」


リオが頭を下げる。


その後ろには四人の男女が続いていた。


アレクシアが紹介する。


「こちらが銀翼の剣のメンバーよ」


「剣士のカイゼル」


黒髪の男が静かに頷く。


「……よろしく頼む」


「自分はロガーナ。戦士だ」


巨大なハルバードを肩に担いだ女性戦士が腕を組む。


「ふーん」


「こいつがアレクシアの言っていたインチキ野郎か」


「見た目は弱そうだがな」


アレクシアは無視して続ける。


「曲刀使いのリュザード」


細身の男が短く言う。


「俺は俺の仕事をするだけだ」


「邪魔はするなよ」


「神官のミレティア」


柔らかな笑みを浮かべた女性が微笑む。


「あら~」


「アレクシアちゃんから聞いてるわよ~」


「なんだかすごいらしいじゃない?」


「一緒に頑張りましょうね~」


そして最後にアレクシアがリオとミアを紹介する。


「こちらがリオだ」


「こんな見た目だが、まぁ控えめにいって化け物だ」


「剣士としてもまぁまぁの実力があり」


「五属性魔法を使いこなす」


「そして」


「アタシとセレナの超級魔法を両方使える」


「そうだろ、リオ」


リオが頭を下げる。


「リオです。よろしくお願いします」


「はい」


「アレクシアさんに超級魔法を教わった後」


「セレナさんの超級魔法も覚えてから、こちらに来ました」


「銀翼の剣の皆さんに貢献できるように頑張ります」


最後に、ミアが横から自己紹介をする。


「私はミアです」


「蒼天の軌跡のミア」


「支援魔法が得意です」


そして、茶目っ気をみせながら続ける。


「リオが危ないことをしないように、お目付け役で来ました」


「リオに無理をさせないように」


「お願いしますね」


ロガーナが眉をひそめた。


「ふーん。化け物ねぇ」


「そうは全然見えないが」


「まぁ、アタイは他人の魔力量とか全然わかんねーからな」


リュザードも静かに続けた。


「アレクシアが認めるなら実力はあるんだろう」


「だが俺はまだ見ていない」


カイゼルはリオを見つめる。


そして短く言った。


「ふむ」


「まぁ、普通ではないのはわかる」


「魔力量は並外れているようだな」


最後にミレティア。


「まぁまぁみんな、今は細かいことはいいじゃない~」


「みんな仲良くしましょうね~」


王都を代表するAランクパーティ。


銀翼の剣。


リオの新たな挑戦が、ここから始まろうとしていた。


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