第105話 作戦会議
アレクシアとセレナが会話をした翌朝。
蒼天の軌跡の一行と、銀翼の剣のアレクシア、そしてリュザードは、王都の屋敷で急ぎ作戦会議を開いていた。
最初に口を開いたのはアレクシア。
「古代遺跡のダンジョン六十階層を目指すに当たって、アタシたち銀翼の剣の探索状況を共有しておこう」
その言葉に、はやる気持ちを抑え、蒼天の軌跡の面々は真剣なまなざしを向ける。
「前回、オマエ達蒼天の軌跡の助けを得て五十階層、クリスタル・アイアン・モノリスを倒した後、アタシたちはもう一度五十階層まで攻略した。今度はアタシたちだけでな」
アレクシアは一息つき、続けた。
「結論を先に言うと、前回そこのアレッタが予想した通り、クリスタル・アイアン・モノリスは現れず、代わりに現れたのはアイアン・モノリス。転移機構を持たない階層主だった。そいつを倒して屋敷に戻ってきたのは三日前。
次の探索まで二週間の休養を取っていたところに、お前たちから連絡を受けたのが現在の状況だ。残念ながら、ロガーナ、カイゼル、ミレティアの三人はそれぞれ故郷に帰っていて今王都にはいない。
逆に幸いだったのは、アタシたちの斥候役のリュザードが王都に残ってくれていたことだ。リュザード、何か一言あるか?」
アレクシアの後方で腕を組んで沈黙していたリュザードがアレクシアの言葉に口を開く。
「前回はお前たちに助けられた。喜んで手を貸そう。むしろ、今ここにいないロガーナたちはお前たちに手を貸せなくてくやしがりそうだがな」
リュザードの口角が小さく跳ねた。
「確かにな」
アレクシアも小さく笑い、続ける。
「オマエ達が向かうのは六十階層の奥、隠し部屋になっている亡霊とやらの研究室だったな。あいにく、五十二階層からは我々も未探索だ。五十一階層は軽く様子をみただけだな。アタシからの話は一旦ここまでだ。何か質問はあるか?」
その言葉に、アレッタが手を挙げる。
「僕からは一言だけ。前回持ち帰ったクリスタル・アイアン・モノリスの遺物ですが、誰かの手によって作られた、転移装置でした。ご連絡が遅くなって申し訳ありません」
アレクシアが小さく笑う。
「問題ない。まぁ予想通りだったってことだな。他になければ、セレナ、後は頼む」
その言葉を受け、何かを考えるようにしていたセレナが口を開く。
「姉さん、リュザードさん、ありがとう。私たちは、リオを助けるために六十階層を攻略しなければならない」
セレナは一息ついて続ける。
「正直なところ、私たちはリオの感知能力、ほぼ無尽蔵と思える魔力に頼り過ぎていた。今回はリオ抜きでの探索となるわ。
ドルクがメインタンク、フィエルはサブタンク。斥候、探索役はリュザードさんにお願いします。支援・回復はミア。前衛アタッカーはレオル、後衛アタッカーは私と姉さん。アレッタはリュザードさんの補佐を含む遊撃の形」
全員を見まわし、最後にアレクシアを見た。
「姉さん、それでどうかしら?」
「妥当だろう。リオの魔法で雑魚どもを焼き払う方法は今回使えないが、アレッタが亜空間収納鞄を持っているなら補給は問題ないな」
「ええ。補給物資の運搬は任せてください」
アレッタは小さく微笑み、頷いた。
「六十階層まで一気に進むつもりで行こう。皆、いいな?」
その言葉に全員が頷き、セレナが決意した表情で再度皆を見まわした。
「じゃあ、三十分後に出発するわ。各自準備を整えて屋敷の入り口に集合しましょう」
※挿絵はAIで製作したイメージ画です。
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