第101話 転移罠
そして――
リオの活躍で五十八階層も順調に進んだ一行は、五十九階層の階段まで到着していた。
「次は五十九階層ね」
セレナが呟く。
「いやらしい階層が続くな……」
レオルもぼそりと呟いた。
「そうですね。五十六階層以降、誰かが意図的に進ませないようにしている感じがするのが気になりますね」
アレッタも言葉を選ぶように続ける。
「これは……」
そんな会話を聞きながら、階段を下りたリオが驚いたように呟いた。
「どうした?」
フィエルが尋ねると。
「この階層は、転移罠だらけです」
「転移罠って……」
ミアが驚いたように呟く。
「古代遺跡にあったのと同じようなの?」
「そうです」
うつむいたままリオは続ける。
「皆にはまだ話してなかったんですが……古代遺跡は、亡霊の昔の研究施設がダンジョン化したものらしいです。
古代遺跡の転移罠も、亡霊が仕掛けたものだとか。数日前の夜、亡霊が出てきて俺にそう言いました。推測ですが、五十六階層からの仕掛けの多くも亡霊の仕業じゃないかと。
アレッタ、10メトル先に最初の転移罠があるようだけど、何かわかるかな?」
「調べてみますね」
アレッタはそう言うと、転移罠を調べ始めた。
しばらくして、アレッタが呟く。
「そうですね。リオさんの推測は正しいと思います。古代遺跡にあった転移罠と原理はほぼ同じです。おかげで解析は楽ですけど……」
「そうなると」
セレナは口元に手を当てたまま続ける。
「アグレス坑道も、かなり亡霊が色々手を加えてるってことみたいね。とはいえ、私達のすることは一つね。先へ進みましょう。リオ、アレッタ、古代遺跡と同じように地図は作成できるかしら?」
「はい。問題ありません」
そういいながら、リオは新しい紙を取り出すと広域感知を行い転移罠の位置を書き始めた。
◇
「時間はかかったけれど、リオ、アレッタのおかげで五十九階層もなんとかなりそうね」
一行は、地図を見つつ、行き止まりでは転移も利用して順調に進んで行く。
「別の階層に飛ばされたりしないか心配してましたけど、そういう転移罠はなさそうですね。あくまでも五十九階層内で、転移罠を使わないと先へ進めない形になっているようです」
ドルク、フィエル、レオルが現れた魔物と戦う中、アレッタが解説する。
「魔物もそれほど強くないし、このまま進めそうね」
安心したようにセレナが呟く。
そのまましばらくして……
一行は、遂に六十階層へ続く階段を発見したのだった。
※挿絵はAIで製作したイメージ画です。




