第100話 アグレス坑道、再び
ミア達が風属性範囲魔法を覚えた翌日。
蒼天の軌跡の面々は再びアグレス坑道の深層下部を目指し、攻略を進めていた。
いつものようにリオのフレアストームを駆使して四十階層まで進めたあたりでセレナが言う。
「四十五階層、五十五階層の階層主はまだ出現してないはずよ。五十六階層まで急ぎましょう」
そして、五十六階層。リオが広域感知で罠の状態を調べる。
「前回解除した罠のほとんどは解除されたままのようです。いくつかは復活しているようですが」
「そう。それは助かるわね」
セレナが小さく頷く。
「急ぎましょう」
その後は復活した罠を解除し、魔物たちを駆逐しながら進み、五十七階層へ。
「いよいよ五十七階層ね」
セレナが落ち着いた声で皆に指示を出す。
「大量の敵が現れたら、リオと私の風属性範囲魔法で数を減らす。生き残った敵がいたら、アレッタが新武器で処理して。アレッタ、準備はいい?」
「はい、まかせてください」
そう言いながらアレッタは改良されたアルカナ・コアクロスに複数の風属性の矢をセットする。
「もし近づく敵がいたらドルク、フィエル、レオルが処理して頂戴」
セレナは続ける。
「ミアは支援魔法を優先して」
「はい」
「わかった」
「おう」
「うむ」
「うん!」
皆が頷く中、リオの感知能力に多数の敵が反応する。
「早速来ました。数は約二十!」
「リオ、ウィンド・ストームの準備!」
リオの言葉に、セレナが即座に反応する。
「はい!」
セレナとリオが同時に詠唱する。
「集え、吹き荒ぶ風よーーー」
二人が詠唱を続け、そして。
「──ウィンド・ストーム」
風刃の嵐が黒い外殻に覆われた大型の魔物達を切り刻む。
「残り、五体!」
そして、アレッタの改良版アルカナ・コアクロスが風属性の矢を複数飛ばし、生き残った五体の大半にとどめを刺す。
「残り、二体!来ます!」
「まかせろ!」
レオルとフィエルが同時に叫び、残った魔物の息の根を止めた。
「いい感じだ」
結果的に今回の戦闘には加わらなかったドルクが呟く。
「そうね。これなら早いペースでこの階層もクリアできそうね」
◇
そして、五十七階層を順調にクリアした一行が階段を下りた先。
「何だここは。前がほとんど見えないじゃねーか……」
レオルが呟く。
五十八階層。そこは一面濃霧で覆われていた。
「一寸先は闇って感じね……」
セレナも呟いた。
「リオの感知はどう?」
「全く問題ありません。通路の方向、敵の位置、すべて感知できています」
「そう。良かった。またリオ頼みになるけどよろしくね」
「はい。大丈夫です」
リオは嬉しそうに小さく微笑む。
その笑顔を間近に見て、セレナは少し顔を赤くした。
(相変わらず、自分の感知が役に立つのをよろこんでくれるのね。 素敵な笑顔すぎて慌てちゃったじゃない……)
セレナがそんなことを考えている中。
「前方!敵三体!フレアストームを試します!」
リオが叫び、魔法を唱える。
「フレアストーム! 残り一体!フレアストーム、効いてます!」
その後、生き残った魔物も瀕死の状態で視界に入り、レオルがとどめを刺した。
「リオの感知とフレアストームが有効なら、この階も問題なく進めそうかしら」
セレナが言う。
「そうだな」
フィエルもその言葉に頷く。
「リオがいない状況も考えたいところだが、まずはリオに頼らせてもらうか」
※挿絵はAIで製作したイメージ画です。
閑話を抜いて、メインストーリーの100話です! これも読者様が継続して読んで頂いたおかげです。
作者もこれからもますます頑張っていきますので、よろしければ、ブックマークまたは☆評価を頂けると大変ありがたいです。
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