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【毎日更新】亡霊の罠で女になった万年D級探索者、拾われた先で頭角を現す ~灯火の輪のリオ~  作者: アサトン


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第90話 緊急依頼①:銀翼の消失

「ふぅ……」


 ようやく五十八階層へ続く階段の前へ辿り着いた一行は、ほとんど同時に息を吐いた。


「何よ、この階層……」


 ミアが、疲れた様子でぼやく。


「少し進むたびに二十匹、三十匹の魔物が出てくるんだもん。しかも、火や氷の範囲魔法はほとんど効かないし」


 セレナも杖に体重を預けながら、困ったようにため息を漏らした。


「そうね。風属性は通るみたいだから、風の範囲魔法を覚えた方がよさそうね……これまで必要になったことがなかったから、覚えていないのだけれど」


 セレナはそう呟き、仲間たちの様子を見渡した。


「一度、宿へ戻りましょうか」


 誰も反対の声は上げなかった。


「少なくとも、五十六階層と五十七階層の情報は十分に得られたと思うわ。罠の傾向も、魔物への対処も分かった。どうかしら?」


「賛成〜」


 疲れた様子のミアが、真っ先に手を上げた。


「次は風の範囲魔法で、あいつらをまとめて吹き飛ばしちゃおう」


「そうですね」


 リオも頷く。


「風の範囲魔法を覚えてから、出直しましょう。フィエルの結界と組み合わせれば、もっと安全に進めると思います」


「決まりね」


 セレナは階段の下へ一度だけ視線を向けた。


「五十八階層は、準備を整えてから挑みましょう」


 蒼天の軌跡は、探索を中断し、来た道を引き返すことにした。




 宿へ戻った蒼天の軌跡の一行は、ようやく肩の力を抜いていた。


 五十六階層と五十七階層。未踏破領域で得た情報は多いが、それ以上に疲労も大きかった。今日はもう休み、明日以降の方針を改めて決める。


 そう考えていた矢先だった。


「蒼天の軌跡の皆さんへの緊急連絡です!」


 宿の部屋へ飛び込んできたギルド職員が、息を切らしながら声を上げた。


 そのただならぬ様子に、セレナがすぐに表情を引き締める。


「何があったの?」


「銀翼の剣のメンバーが、新発見の古代遺跡のダンジョンで行方不明になったそうです!」


「銀翼の剣が……?」


 その名が出た瞬間、部屋の空気が変わった。


 銀翼の剣。アレクシアの所属する、王都でも名の知られた探索者パーティ。


 セレナは一歩前へ出て、確認するように尋ねた。


「行方不明になったのは誰?」


 ギルド職員は、わずかに言葉を詰まらせた後、はっきりと告げる。


「ロガーナさんと、アレクシアさんの二名です!」


 告げられた名に、そこにいた全員が息を呑んだ。


(あの二人が……)


 リオは驚きのあまり、すぐには声を出せなかった。


 ロガーナ。そして、アレクシア。どちらもリオたちが知る、実力ある探索者だ。その二人が、古代遺跡で行方不明になった。実力者の二人が消えるほどの、尋常ではない何かが起きているということだ。


 ギルド職員が、続けて言う。


「銀翼の剣の残りのメンバー、カイゼルさん、ミレティアさん、リュザードさんの連名で、ベルグランのギルド宛てに緊急依頼が届いています。依頼先は、蒼天の軌跡です」


 セレナは息を呑んだ。


「依頼内容は?」


 ギルド職員は、苦しそうに眉を寄せた。


「ただ一言――『助けてほしい』と」



挿絵(By みてみん)


※挿絵はAIで製作したイメージ画です。

お読みいただきありがとうございます!


ダンジョン探索からの緊迫した展開になってまいりました。


明日も【19時10分】に更新予定です!


ここまでの物語を楽しんでいただけましたら、ぜひ**下の「ブックマーク登録」や「評価(★★★★★)」**をいただけますと幸いです!


いただいた評価やブックマークが、今後の執筆の大きな原動力になっております。


引き続き『〜灯火の輪のリオ〜』をよろしくお願いいたします!

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