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花束を  作者: 夢乃かえ
本編
16/18

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「…え?」



今、アリス先輩は何て言った?



" 花ちゃんは結の小説大好きだもの。少なからず影響を受けるわよね? "


結の小説…?

結君の小説って…何??

どういうこと???



「結君の小説…?」



あれはアリス先輩の話じゃないの?



「そう。所詮、私は "作者(アリス)" の名前と物語の題材なだけだから、結みたいな言葉は口にできないものね」


「名前と…題材?」


「え?名前のこと聞いてないの?聞いているものだと思っていたのだけど」


「…いえ」


「名前どうしようか悩んでいたみたいなんだけど、私の話を書くから私の有栖川からとってアリスにしたんだって。私は名前気にしなかったから良いんだけどね?」


「そう、なんですか。あの、結君は何故アリス先輩の話を?」


「きっかけ?え〜、何でだったかな?私が恋愛相談とか沢山していたからなのかな?覚えてないわ。結が書く小説は綺麗でしょ?自分の体験が美化されていてそんな綺麗じゃないって思う物もあるけれど、でも懐かしくて…だから花ちゃんが " 私の体験(はなし) " を好きって言ってくれて嬉しかったわ。私の恋は誰かの心にも幸せだった時間を伝えられたんだって」


「…そう、だったんですね」




勝手に勘違いしていた。


作者(ほんにん)じゃなかったんだ…。





" アリス先輩は沢山恋をしてきたんですね! "


" え? "


" だって今までのはアリス先輩のお話ですよね!どれも凄くときめきました!! "


" それは、そうなんだけど "



" これは麗奈(わたし)の話なのよって言いたくなる時もあって。全部が本当な訳じゃないの、作られている部分もあるけれどあの物語を好きだと言って貰えて嬉しいわ "




沢山恋をしていたアリス先輩からその話を聞いていた結君。


そして彼は、彼女の体験を題材に小説を書いた。


アリスの物語はアリス先輩だけど、小説を書いていたアリスは " 結君 " だったのだ。




私、どうして勘違いしてしまったんだろう…

アリス先輩は " 私が書いた " なんて一言も言っていなかったじゃないか。






" 物語自体がアリスの人柄な気がして…私はアリスが大好きだなって思ったんだ、へへ "


" アンタにそんだけ思われて、アリスも嬉しいんじゃね? "


" え? "


" だから、もしアリスがアンタの思いを聞いてたら喜んだんじゃね?って思ったって話 "


" …うん!ありがとう高野君! "





知らずに結君(さくしゃ)に大好きだと伝えていた。





" 乙木さんはさ、アリスの正体知ってどう思った? "


" どうって...こんな素敵なお話を書けるんだもの素敵な人なんだろうなって思うけど、まだ分からない。決めつけちゃいけないから、もっとちゃんと見て話してどんな人なのか知りたいって思った...かな? "


" そ "


" うん!でも、私は知れて嬉しかったよ。出会えて良かった "


" そ "





勘違いして、それでも " 出会えて良かった " と口にしていた。



ずっと勘違いしていたことが恥ずかしい…


だけどそれより、自分が初めて好きになった人が自分が大好きな小説家だったことに驚きと嬉しさを感じた。




離れた場所でまだ電話をしている結君を見る。

顔が熱を持ち、ドキドキと心臓の音が煩く感じた。



私が(ゆいくん)に惹かれたのは " 運命 " だったんだ 。



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