ワンピース
「え〜っと、これはどういうことでしょうか?」
「ふふ、驚いたかしら?」
アリス先輩と遊ぶ約束をし、迎えた当日。
私はとある駅に呼び出された。
駅に着くと白のワンピースを着た可愛い私服姿のアリス先輩が居て、周りから注目されていて目立っていた。
どこからか " 声を掛けようぜ " なんて声が聞こえてきて、慌てて彼女に声を掛けた。
「アリス先輩っ!」
「あ、花ちゃん!」
「ちょっとここだと目立つので、とりあえず移動しましょう!!」
「え?」
出会って早々、私達は急いで駅から離れ建物の中に入った。
大きめのショッピングセンターで買い物やご飯、とりあえず何をするにも便利だった。
「これどうかな?」
「似合いますっ!可愛いです!」
「本当に?花ちゃん、さっきからそれしか言わないじゃない」
「だって!アリス先輩どれも似合うんですもん!!」
「もぉ〜!」
通りかかったお店の服が気になるという事で、アリス先輩の試着会が始まっていた。
これだけ可愛いと何着ても似合うんだなぁ〜 と、思いながら眺める。
「花ちゃんはワンピース着ないの?」
今日はパンツスタイルだった為、その質問が出たのだろう。
「着ますよ。でも、パンツスタイルの方が多いですかね」
「そうなんだ!これとか花ちゃんに似合いそうじゃない?」
「え〜、絶対アリス先輩の方が似合いますよ」
「ん〜...花ちゃんは自己評価低めなのかしら?似合うと思うんだけど...そうだ!!花ちゃん、そろそろお腹空かない?」
「そういえば、、、空きました」
ウインドーショッピングをしていたので、動いてはしゃいで楽しい時間を過ごした私達はお腹を空かせていた。
適当に入ったお店でご飯を済ませた私達はこのまま解散するのかと思っていたのだけど、私はアリス先輩に連れられて... 冒頭へ戻る。
「あの〜...此処は?」
「私のお家よ」
「え?」
「さ、上がって!!」
私が何故、彼女のお家へ連れてこられたのかというと...
「ん〜!やっぱり似合うっ!」
彼女の着せ替え人形にさせられていた。
「花ちゃん、このワンピース凄く似合ってる!!」
「ハハ、ありがとうございます」
「もう〜!信じてないでしょ!?」
「いや、有難いなとは思うんですけど...言われ慣れてなくて。それで信じ難いというか...」
「ん〜... じゃあ!髪とお化粧私にやらせて?今の花ちゃんでも可愛いけど更に魅力的に見える魔法かけてあげる!」
髪をゆるふわに巻かれ、お化粧も自然だけどぱっちり目に見える様にされ...自分じゃない自分が鏡の中に居た。
「可愛い〜!」
「か、可愛いっ...!」
「ね!可愛いでしょ?花ちゃん可愛いんだからもっと自信もって?ほら、着ているワンピース凄く似合ってる!」
「あの...自分でも、驚きました」
「フフ。私しか見てないのは勿体ない気がするのよね」
「?」
「そうだ...フフ。花ちゃん喉渇かない?何か飲む?」
「え...っと、お茶!お茶頂いても良いですか?」
「勿論!ちょっと待ってて」
彼女は飲み物を取りに部屋から出て行った。
そして、部屋に戻ってきたかと思ったら...
「...え?」
「え?」
「えっと、アンタ何で居んの?」
「えっと...アリス先輩と遊んでて、家に行く流れになって。高野君こそ、どうして?」
「俺は麗奈に呼び出されて...俺達、幼馴染みで家が隣だから」
「ぁ、そうなんだ?」
「化粧...いつもと違う?それに、普段ワンピース着んの?」
「ぃゃ、アリス先輩が化粧してくれて...ワンピースもアリス先輩ので、普段はあまり」
「ふ〜ん」
高野君にジーと見られ恥ずかしくなり顔を背けた。
似合わないって思ってるかな?
アリス先輩の服だもん...1番似合うの彼女だし...。
彼は座っていた私に近づき、私の髪を軽く掬った。
その行動に驚き彼の方を見る。
「似合ってんじゃん、可愛い」
「...っ!!」
「でしょう?やっぱり似合うでしょ?」
アリス先輩が飲み物を持って戻ってきた。
きちんと3人分。
それで高野君が言っていた通り、彼女が呼んだんだと分かる。
2人が話している間私には会話の内容なんて入ってこなかった。
ただただ顔が熱くて、早くこの熱が冷めて欲しかった。
私はきっと今、顔が真っ赤に違いないから。
" 似合ってんじゃん、可愛い "
先程の言葉が頭から消えない。
恥ずかしくて、嬉しくて、どうにかなっちゃいそう。
「この可愛さを独り占めするのは勿体ないなと思って。あ、そうだ!花ちゃん一緒に写真撮らない?」
「え?」
「友達だもの、1枚くらい撮っても不思議じゃないでしょ?」
「あ、はい。そうですね、是非」
「せっかくだし、結も入る?」
「え!?」
「え、ってアンタ俺と一緒は嫌って事?」
「ぁ、ちがっ!」
「麗奈、俺も入るわ」
「ぇ!?」
「そうこなくっちゃ〜、撮るよ。はい、チーズ」
アリス先輩と高野君が私を間に挟むポジションで、彼女のスマホから写真が撮られた。
手持ちカメラのせいで3人の距離が近く、私は高野君の事を意識してしまい...
「ぇ... 花ちゃん、顔真っ赤。...可愛いっ!」
「ゃ、消してくださいっ」
「え〜勿体ないから嫌よ!ね、結?」
「...ぇ、あぁ」
「ほら!じゃあ、これ花ちゃんにも送るわね」
「ん〜、ありがとう、ございます...」
「麗奈、俺にも送って」
「...ぇ?」
「さっきからアンタ俺に対して否定的なの何?」
「ち、ちが」
「もう写真撮らないかもしれないじゃん。それに今日のアンタは特別でしょ?」
「...っ!」
「結、そこは花ちゃんの意思を尊重してさ、花ちゃんから貰えばいいんじゃない?連絡先くらい知ってていつでも連絡取れるでしょ?」
アリス先輩の言葉に、私と高野君は一瞬動きが止まりお互いを見た後、私は口を開く。
「実は、連絡先知らないんです。交換してなくて」
「え?!仲良くしてたのに?」
「話すのは学校でだけですし」
「結!」
「いや、そう言われても急ぎの連絡する事ないし知ってても、ねぇ?毎日クラスで会えるし」
「はぁ...」
私達は連絡先を知らない。
「花ちゃん、結。連絡先お互いに送ったから追加して」
「はい」
「ん」
「まさか結より先に私が花ちゃんの連絡先持ってるなんて思わないじゃない?驚いたわ。2人、実は仲悪かったりする?」
「そんなこと無いです!」
「そう、なら良かった。ね、結?」
「ん〜。ていうか、そろそろ春くん来るんじゃない?」
「はるくん?」
「あ!もうそんな時間?」
「俺ら帰ろうか?」
「え?居ていいよ」
「春くん可哀想〜。せっかく一緒に過ごせる時間を邪魔されて」
「邪魔なんて思わないでしょ?」
「どうかな?」
♪〜〜♪〜〜
知らない人の名前が出され、はるくんと呼ばれる人が来る事は分かった。
その時、チャイムが鳴り訪問者がいる事を知らせた。




