点
「花ちゃん!!」
「あ、アリス先輩!」
放課後、また話をしようとお誘いの連絡が着た。
だけど放課後は高野君に勉強を見てもらっているのでその事を伝えた。
すると、彼女は自分も図書室へ行くと言ってきたのだ。
そして、今に至る。
「いつも此処で勉強してるの?」
「はい。図書室に来る生徒少ないみたいで騒がれる事も無く丁度良くて」
「なるほどね。結は?」
「もうすぐ来るんじゃないですかね?今日は私が先に教室を出たので」
「え?一緒に来ないの?」
「え、無いです!!高野君目立つから一緒に居る所見られたら騒がれそうですもん」
「ん〜、そうかな?」
「そうですよ!アリス先輩もそうですよ!!絵本から飛び出してきたみたいに可愛いですし、2人とも何なんですか?」
「アハハ、何それ!絵本から飛び出してきた?物語の主人公みたい」
「いや、主人公じゃないですか!!」
「フフ、花ちゃんって面白い人」
楽しそうに笑う先輩。
「私を主人公にしてくれるんだ?花ちゃんは結と同じね」
「え?それってどういう」
「乙木さんと...え、麗奈?」
意味が分からず聞きたかったが、高野君がやってきて私の言葉は消えてしまった。
「どうして?」
「どうしてって、昼休みに仲良くなったの!ね、花ちゃん?」
「あ、はい」
「...」
「結、もっと早く花ちゃんを私にも紹介して欲しかったわ。この子いい子だし面白いの!私気に入っちゃった」
「麗奈は基本的に誰でも好きになるでしょ、乙木さんじゃなくたって」
「そんな事ないわよ!私、そんな尻尾振りまくりな犬みたいな真似してません!」
「いや、してるじゃん」
「してないわよ!それより、勉強するんじゃないの?」
「あ...そうだった。麗奈は何すんの?」
「私は先輩だから、2人が分からない所を教えてあげるわ。それまで2人で頑張ってみて」
「麗奈先輩の出番なさそうですけど?」
「はいはい、この場合は無いのが1番良いのよ!ね、花ちゃん?」
「あ、はい。頑張ります!!」
「流石、いい返事」
私が高野君に分からない所を聞いている間、アリス先輩は自分の課題をやっていた。
高野君が言っていた通り、私が分からない所は彼がしっかり分かる為アリス先輩に尋ねることは無かった。
せっかく来てくれたのに居させるだけで申し訳ない気持ちになった。
「よし、今日は終わり」
「高野君ありがとう、分かりやすかった!」
「ん」
「アリス先輩も!せっかく来てもらってすみません」
「え〜、私が来たかったから来ただけだから気にしないで」
「そうだ。麗奈が勝手に動いただけだから乙木さんは謝る必要ねぇーって。気にしすぎなんだよ」
「...ん、ありがとうございます」
「よし、じゃあ帰りに寄り道しない?花ちゃん帰りの方向は?時間はまだ平気だったりする?」
「あ、今日はもう帰らないといけなくて」
「そうなの?ん〜そっか、残念。じゃあ、明日は?明日もダメなら週末とかはどうかしら?せっかく仲良くなれたんだもの、土日とか一緒に遊びに行ったりしない?」
「あ、え〜っと...」
「バカ麗奈!乙木さん困らせんな!」
「馬鹿って何よ!!それに困らせてない...と思いたいけど、実際どう?」
「あ、あの...困っては無いんです。嬉しいお誘いでした」
お誘いは嬉しい。
それは間違えなく本心だったけれど、グイグイ来るタイプとあまり関わらなかった私は戸惑いもあった。
ましてや、御相手は大好きなお話を作っている方なのだから楽しいけど緊張もする。
「麗奈、乙木さんには乙木さんのペースや事情もあるだろうし、距離詰めすぎんなよ」
高野君はやっぱり人をよく見ている。
欲しい言葉や相手も思いやる言葉をくれる。
私、やっぱりこの人の優しさ...好きだな。
だけど、彼の特別にはなれないんだよね。
その枠は初めからもう埋まっているんだから。
「今週...は無理ですが、来週!来週の土曜日とかどうですか?」
私の言葉に、アリス先輩はニコッと笑みを浮かべた。




