第39話 ブリノフ学院の加護〜授業編〜part1
前回のあらすじ
入学式を終えると各クラスへと配属され、シエルとアレスはアレクサンドルとイヴァンと同じクラスだった。
ルミエールとソフィアは、カール、ルイーダ、ドミール、ユリアと同じで知り合ったになった。レイはイヴァンの妹であるアンナと同じクラスになった。
※※※※※※
ここは魔導士Cクラス。
ルミエールのクラスだ。早速であるが授業が行われていた。
「はいー皆さん、お揃いですかー?では授業の方を進めていきますー」
シャルルの授業は眠たくなる。
のんびりしていて寝て下さいと言ってるようなものだ。
「今日は魔法の種類について学んでいきますねー」
魔力には種類がある。
と言ってもこの世に存在する魔力は2つしかない。それは、アグライアからも聞いていた。
人間の体内にある魔力、いわゆる精霊の加護というものだ。精霊の加護は別名『白魔法』と呼ばれている。人間が使える加護は4大精霊である、火・水・風・大地のみである。
そしてもう1つの魔力は精霊の加護と相反する力である魔神の加護だ。魔神の加護は別名『呪術』と呼ばれている。主に命を奪ったり、命の合成などといった不道理な力のことである。また、闇の力も魔神の加護の1つである。ルミエールの中に潜むレヴィアタンが使う力が魔神の加護である。
だが、呪術自体は魔神ルシウスにしか使うことはできない。
「シャルル先生!質問していいですか?」
「はいー」
「呪術が存在しているということは魔神が復活しているということですか?」
「いいえ、魔神は復活していないはずですー。なのに魔物が存在したり、合成獣が街や村を襲うことが未だに謎に包まれているのですー」
「仮に復活していたとして、部下に働かせる愚か者の魔神なんて俺様は怖くないさ。それに魔物にやられるようでは...」
「おい、不謹慎だぞ!魔物にやられて命を落とした者のことを考えろよ」
「おや、ボーイは魔神や魔物が怖いのかな?」
「そんな話しをしてるんじゃない!」
「どーだか?ボーイの父は副団長から1番隊長に降格した理由...俺様は知ってるさ。たしか...」
「貴様...!」
カールは要らぬことを口にするあまりドミールとの口論に発展してしまった。シャルルはオロオロし始め止めるに止められなかった。ルミエールが2人の仲裁に入ろうとしたところで、ユリアが口を開いた。
「あ、あの...カールさん言い過ぎですよ。ドミールさんのお父さんは関係ありませんし、魔神や魔物を侮るのはよくありません。ドミールさんも落ち着いて下さい」
「レディにそう言われると言わないでおこうか」
ルミエールはカールのことをいい人そうと思っていたが、心の中で前言撤回した。
(やっぱり私、この人苦手だわ)
「じゅ、授業の方を進めてもよろしいですかー?」
「先生すまない、進めてくれ」
ユリアはルミエールの方をみてニコッとして席に着いた。
(やっぱり、ユリアさんはいい人ね。優しい人だわ)
「素晴らしい方ですの。私感激しましたの」
「ええ、素敵な心を持っている人ね」
「えーっと呪術のことについて話してましたねー。その呪術についてですが、ここ最近呪術に似た力がフリア領地で発見されたのですー」
「どういうことですか?」
「呪術とは別の力になるので、私たちはこの力のことを『魔術』と呼んでますー。またの名を『黒魔法』と呼んでますー」
「どんな力なんですか?」
「んーよくはわかってないのですがー、ある日突然記憶が無くなっているという不思議な症状が現れているのですー」
魔術については今だ謎に包まれてはいる。
だが、なんらかの害を及ぼしていることは確かである。
「今は精霊教会の大地の本部の方々が調査をしているみたいですー。新たな力の実態とその危険度は皆さんも覚えておいてくださいー」
チャイムが鳴る———。
授業が終わるとルミエールは人気のない場所に移動して、アグライアと話しをしていた。
「ライアはさっきの話しどう思う?」
「そうですね...魔神が復活していないのは確かです。私がこの時間軸に戻って来たときから、それは変わっていません」
「じゃあ魔術は...」
アグライアには魔術について引っかかる部分があった。ルミエールに宿る闇の力を持っているレヴィアタンのことだ。レヴィアタンの力は闇の力で魔神の加護と同じだが、その力は魔神と同等の強さではない。仮にレヴィアタンのような闇の力が魔術という可能性もある。
「魔術については私も知り得ない力です。魔神が復活していないのに、魔物が存在することもおかしいですからね...今はそのような力があっても不思議ではありませんが、私のたちの力が通用するのかも心配ですね」
「魔術について早くわかればいいんだけど...」
ガサッ——。
誰かの足音が聞こえてくる。
「誰!?」
「あっ...私です。ユリアです」
「ユリアさん?どうしてここに」
「いえ...ルミエールさんが1人でどこかに行っちゃうので気になったのです」
「私になにか用事でも?」
「お昼ご飯でも一緒にどうかなと思ったんです」
「いいですよ。じゃあ行きましょうか」
ユリアに誘われてルミエールは食堂にやってきた。
食堂の中にはかなりの人数がいる。賑やかだ。
ルミエールとユリアが食事を摂っているとシエルたちがやってくる。
「おーいルミ!」
「シエル!?」
シエルはアレス、レイ、ソフィア、アレクサンドル、イヴァン、アンナと一緒に食堂に来ていた。
「アレクサンドル様、こちらがルミエール様ですわ」
レイに紹介されるとアレクサンドルはルミエールをマジマジと見つめてから、シエルに質問した。
「シエル、キミは18歳だったよな。彼女も18歳なのか」
「えっ?あぁそうだ。俺と同じ年齢だよ」
同じ年齢と聞いてから自分の胸を1度見てから、ルミエールの胸を見る。
アレクサンドルはシエルと同じ年齢の18歳だ。だが女性としての発育がいい方ではないことを気にしてる。特に胸はソフィアと同じぐらいであるかないかというとない。
といってもソフィアは今年13歳になる女の子だ。比べる相手が違う。
「大きいな...」
アレクサンドルはボソッと不満を漏らした。その小声はルミエールに聞こえていた。
「大きい?何がですか?」
「いやなんでもない。ルミエールのことはシエルやレイ様からよく聞いてるよ。優秀な魔導士なんだろ」
「優秀だなんて...そんなことないです。優秀っていったらユリアさんも同じですよね」
「えっ?私ですか」
「あっ紹介してなかったわね。ユリアさんは私とソフィアちゃんと同じクラスなの。ユリアさんに誘われて来たの」
ユリアは席から立ち上がって、深々と頭を下げる。
「ルミエールさんをお借りして申し訳ございません。私はユリアと言います」
「ユリアも私と同じで魔晶を砕いたのよ」
「へー魔力量が多いんだな」
「ユリア様はどちらから来られたのです?」
「私は田舎から来ました。貧しい家で父と母を楽させるために、精霊団に入隊してお金を稼ごうと思っています」
「立派な考えをお持ちになられているのですね」
「レイ様にそういっていただけて嬉しいです」
「これからもルミのことを宜しく頼むよ。俺たち旅を続けているから友達とかいなくよ」
「そうなのですね。私も田舎から出て来たばかりなので友達がいないのです」
「ならみんな友達になったらいいんだよ!僕もなりたいし!」
アレスの気軽な発言が皆の心を1つにする。
「そうだな。同じ学年なのに堅苦しいのもな」
「なら私のことはサーシャと呼んでくれ。あだ名なんだ」
「了解した!」
新たに心の許せる仲間を増やして9人は楽しく食事を摂った。
ユリアの力についてはまた詳しく説明する。
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